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NEWS
2022年6月19日 定例オンラインセミナー講演会No. 112 「コロナから学校教育をリデザインする―広島県学校教員意識調査の結果から―」を開催します。
2020年7月16日 『ポスト・コロナの学校教育』(溪水社)が刊行されました
2020年11月13日 「ポスト・コロナの学校教育」関連の書籍リストを作成しました
2020年12月10日 広島大学広報誌HU-plus No.14にて『ポスト・コロナの学校教育』(溪水社)が紹介されました
2020年12月21日 セミナーシリーズ「学校休業下の学び支援・授業づくりを考える」動画が公開されました
2021年2月19日 INEI- UCL IOE主催のシンポジウムの動画が公開されました

0. Introductionはじめに

 

プロジェクトの概要

本ページでは、広島大学教育ヴィジョン研究センター(EVRI)が、ポスト・コロナの学校と授業を提起する取組について紹介します。

事業概要
●事業テーマ  :ポスト・コロナの学校教育を提起する
●事業目的・内容:全国学校一斉臨時休業を教師の存在意義と学校のあり方を問い直す問題提起ととらえ、コロナがもたらした新しい日常における学校づくり・授業づくりのあり方を実践的な取り組みとともに提案する。

 

2020年2月28日、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、政府は全国の公立学校に一斉臨時休業の要請をしました。学校の一斉臨時休業は3月にとどまらず、4月の新学期以降も継続的に行われることになり、学校現場では、新しいクラスの子どもと出会う時間もないまま新学期はスタートしました。オンライン授業をどう作ればよいのだろうか、そもそも子どもたちとの関係づくりをどのようにすればよいのだろうか、と休業下における課題と教師の不安は山積していました。

EVRIでは、コロナがもたらした全国の学校の一斉臨時休業を、教師の存在意義と学校のあり方を問い直す問題提起ととらえ、以下のいくつかのフェーズに分かれて活動を展開してきました。

以下ではフェーズごとの取組と成果を紹介します。


第1フェーズ学校休業下の学び支援・授業づくりを考える
(2020年4月〜2020年6月)

問題背景
学校全国一斉臨時休業が提起した問題

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2020年2月28日、首相は全国の学校に一斉臨時休業要請を発表しました。3月2日に開始された一斉休校は3月にとどまらず、新学期を迎えた4月にも引き続き休校が続けられることとなりました。

4月16日には全都道府県に緊急事態宣言が出され、長引くパンデミック下で、授業づくり・学級づくりを全く新しい形で進めなければならない事態に直面しました。

EVRIは、学校現場の状況を把握するところかはじめるべく、緊急アンケート「COVID-19に伴う休校問題を考える―大学の支援活動に関するニーズ調査―」を行いました。その結果からは、学校休業下で授業づくりが進められない状況や、新学期に入ってからの子どもとの関係づくりが困難である状況などが明らかとなりました。

緊急アンケート結果一部(第38回セミナーにて報告)

 

4月9日、川口広美准教授がEVRIメンバーに対して、学校一斉休校下の子どもの学び支援および特に教師の支援のために何かできないか、という問題提起をし、協議を経た4月17日、学校休業問題タスクフォースが立ち上げられました。パンデミックがいつまで続くのかが全く予期できなかったこの時期、タスクフォースでは、まずは教育関係者が集まって学校と授業の新しい形を模索する場所を作ることが提案され、「学校休業下の学び支援・授業づくりを考える」と題するオンラインセミナーを開催することとなりました。

オンラインセミナーは4月から6月にかけて5回開催されました。刻々と状況が変化する予測不能な事態に立ち向かうべく、実践報告を中心にオンライン授業や子ども支援のあり方を参加者とともに議論・提案してきました。

 

オンラインセミナーの展開
NEW! セミナー動画が公開されました

2020年4月25日(土)13:00-15:00
  第38回定例オンラインセミナー 学校休業下の学び支援・授業づくりを考える(1)
1.趣旨説明 草原和博
2. 緊急アンケートの結果報告 森田愛子
3.「コロナ禍における中国の教育事情と教育機関の対応例」
  中華人民共和国 国際関係学院・河原洸亮
  在中華人民共和国日本国大使館附属 北京日本人学校・栗本和明
4.「学校休業時における新たな可能性の追究ーZoomの活用」
   広島県立広島叡智学園中学校・高等学校・徳田 敬
5.意見交換・情報交換 草原和博
6.EVRIからの提案
  (1)新たな「日常」と「授業」の課題 川口広美
  (2)フェーズ0.xに対して:教科通信 大坂遊
  (3)フェーズ1.xに対して:オンライン教材の活用 三好美織
  (4)フェーズ2.xに対して:3分間ティーチング 吉田成章
7.総括 丸山恭司
2020年5月2日(土)14:00-15:00
  第39回定例オンラインセミナー 学校休業下の学び支援・授業づくりを考える(2) EVRI知恵袋-オンライン相談室-
1.趣旨説明 草原和博・吉田成章
2.情報提供 社会科教科書執筆者からの挑戦状 草原和博 森田愛子
3.情報提供 外国ルーツの子どもたちへの支援活動 永田良太
4.議論のまとめ 大坂遊
5.情報提供 著作権について 三好美織
6.統括 丸山恭司
2020年5月16日(土)14:00-15:00
  第40回定例オンラインセミナー 学校休業下の学び支援・授業づくりを考える(3) オンライン授業研究会今週何をした?再開後を見据えて何をします?
1.趣旨説明 草原和博吉田成章
2.2週間の動きを振り返る 丸山恭司
3.OECD最新レポートを読む:コロナ問題の学校教育への影響
  川口広美吉田成章・三時眞貴子・安藤和久
4.分科会に分かれましょう:オンライン授業研究会
5.今週の成果と課題
2020年5月30日(土)14:00-15:00
  第41回定例オンラインセミナー 学校休業下の学び支援・授業づくりを考える(4) オンライン授業研究会―教科指導を考える―
1.趣旨説明 草原和博吉田成章
2.学会再開に向けての自己点検と校内研修の取組例
  事例報告1:石川照子(兵庫県立西宮香風高等学校 校長)
  事例報告2:山中勇夫(広島大学附属小学校 教諭)
  事例報告3:今中浩二(広島県立日彰館高等学校 教諭)
3.分科会に分かれましょう:オンライン授業研究会
4.今週の成果と課題
2020年6月30日(土)14:00-15:00
  第43回定例オンラインセミナー 学校休業下の学び支援・授業づくりを考える(5) 学校の新しい日常をいかに受け止め・つくっていくか
1.趣旨説明-第1フェーズを終えるにあたって
  草原和博吉田成章
2.報告-学校休業下の実践・取組の報告を読む
  (1)EVRIフェーズからみると
    大坂遊川口広美三好美織

  (2)OECDマトリクスからみると
    三時眞貴子・吉田成章・安藤和久・大矢龍弥・太田淳平
    櫻井瀬里奈・阿蘇真早子・金原遼・三戸部由幸
    武島千明・沖原さや香
  (3)挑戦状の回答に対する挑戦状 草原和博
  (4)実践者の受け止め
3.質疑
4.まとめ-第2フェーズの立ち上げにむけて

第38回定例オンラインセミナー(クリックすると開きます)

第38回定例オンラインセミナー
「学校休業下の学び支援・授業づくりを考える(1)」

第38回定例オンラインセミナー(4月25日開催)を、184名の参加者をもって開催しました。

はじめにセンター長の草原和博教授がセミナーの開催趣旨を述べ、緊急アンケート調査の結果を報告しました。前半部では日本に先行して学校休業下での取組をされてきた、河原洸亮氏(中国・国際関係学院)と栗本和明氏(北京日本人学校)より「コロナ禍における中国の教育事情と教育機関の対応例」と題して事例報告をしていただきました。両氏のお話は,日本がこれから数か月の間に直面するであろう課題を暗示するとともに,困難を乗り越えていく手がかりと勇気を与えてくださいました。次に徳田敬氏(広島県立広島叡智学園中学校・高等学校)より「学校休業時における新たな可能性の追究ーZoomの活用ー」をご報告いただきました。各教科におけるオンライン授業の取組例と、生徒のICTスキルに対応した丁寧な導入と実践の必要性をお示しいただきました。

詳細はこちらからご覧いただけます。

同セミナーにおいて、コロナ下での学校の状況をとらえる視点として、フェーズ0.xから2.xまでの三段階からなるフェーズをEVRIは提案しました。フェーズに基づいてオンライン授業の整備環境を掴み、そのフェーズにあった取組を進めることが提案されました。

 


第39回定例オンラインセミナー(クリックすると開きます)

 

第39回定例オンラインセミナー
「学校休業下の学び支援・授業づくりを考える(2)EVRI知恵袋-オンライン相談室-」

2020年5月2日(土)、政府は緊急事態宣言の延長を決め、学校休校も6月まで延長されることとなりました。休業が長引く学校の多くがフェーズ0.xの状況にあることが第38回セミナー後のアンケートより明らかとなり、学校現場での悩みや不安を共有し知恵を分け合うオンライン相談室を開催することとしました。

135名の参加者とともに開催された第39回定例オンラインセミナー(5月2日)では、子どもの学びをどう保障するのかについて、小・中・高だけではなく,特別支援学校や定時制高校,教育委員会から、また教職員として,管理職として、保護者として、子どもの支援団体として、と様々な立場と視点から議論がなされました。校内研修をどのように作っていくのか、各フェーズで授業をいかにつくるか、オンラインでの「授業開き」や「ルール作り」をどのようにするか、外国にルーツのある子や特別なニーズな必要のある子に今なすべきこと・できること、オンラインでの教科書使用の著作権の取扱い等について、意見交換が行われました。

詳細はこちらからご覧いただけます。

 

本セミナーにおいて、オンラインでの単元学習のヒント集である社会科教科書執筆者からの挑戦状が紹介されました。オンライン上で子どもと教師が応答し、学びを深めていく探究の支援サイトになることを願って設計されました。

 

社会科教科書執筆者からの挑戦状

 


第40回定例オンラインセミナー(クリックすると開きます)

 

第40回定例オンラインセミナー
「学校休業下の学び支援・授業づくりを考える(3)
ーオンライン授業研究会ー今週何をした?再開後を見据えて何をします?」

5月5日、経済協力開発機構(OECD)が”Trends Shaping Education Spotlights 21 Coronavirus special edition Back to school”を発表し、パンデミック下における学校教育が立ち向かう課題に関する提言がなされました。14日には延長されていた緊急事態宣言が8都道府県を除いて解除され、この事態も収束に向かうのではないかという明るい兆しが見え始める5月中旬でした。

第40回セミナー(5月16日開催)では直近の教育界の動向を踏まえ、学校と授業の「新たな日常」のはじまりを告げる回となりました。87名の方が参加しました。

OECDレポートを読むコーナーでは、5月5日の”Trends Shaping Education Spotlights 21 Coronavirus special edition Back to school”と、3月末に発表された”A framework to guide an education response to the COVID-19 Pandemic of 2020″の二本のレポートが紹介され、コロナ問題がもたらした学校教育への影響について報告されました。「vulnerable=社会的に脆弱な、身体的精神的に被害を受けやすい」子どもへの支援を軸にして、①子ども・教師・家庭にいかにアプローチしていくか、②超短期・短期・中長期的にはどのような課題に取り組むべきか,を捉える枠組みが示されました。

変わりゆく日常と向き合いどのような学校と授業を作っていくかについて、「今週何をした?再開後を見据えて何をします?」をテーマに、校種別部会に分かれて、授業研究会を開きました。幼稚園・小学校部会では、タブレットでドリルを導入しつつ、学校にも家庭にもオンライン環境が整備されていない状況で何をしていくべきかが話題となりました。中学校部会では,分散登校が始まり,どのように授業を展開するかが話題となりました。高等学校部会では、オンライン・オンデマンド化が進む中で、オンライン授業の負荷を減らしていく工夫が共有されました。取組の過程で教員間の絆が深まったことや、生徒が積極的にコメントしてくれる発見もあったことが報告されました。教育行政・教員研修部会では、オンライン授業の進め方や学校の問題状況の多様性を見据えた教員研修のあり方が問題提起されました。

詳細はこちらをご覧ください。

 

OECDのレポートを基盤に、EVRIメンバーが大学院生とともに協議し、学校がパンデミックに対応するためのマトリックスを作成・提案しました。「vulnerable」を鍵概念に、「子どもの心身の健康と安全」、「カリキュラム」、「オンライン活用」の3つを、超短期・短期・中長期の3つの視点でどのように取り組むかを、学校組織で活用されることが期待されています。

 


第41回定例オンラインセミナー(クリックすると開きます)

 

第41回定例オンラインセミナー
「学校休業下の学び支援・授業づくりを考える(4)オンライン授業研究会―教科指導を考える―」

 

5月16日に全都道府県で緊急事態宣言が解除され、6月からの学校再開も目前に控える5月30日、再開に向けた準備状況の点検の意味をこめて、80名の参加者とともにセミナーが開催されました。

石川照子校長・山中勇夫教諭・今中浩二教諭の3名の先生方より、それぞれ「新型コロナウィルス感染症拡大に対する学校の対応マトリックス」、「遠隔授業への取り組み」、「日彰館高校の取組 オンライン校内研修 総合的な探究の時間 英語科」と題して校内組織づくりやオンライン授業作成のコツが提案・報告されました。教職員がオンライン授業作成で連携する大切さ、さらには教員だけでなく、学年を越えた生徒同士の応答関係を用意したり、保護者や地域と連携することなど、複層的で多方向のつながりの大切さが確認されました。

オンライン授業研究会は、子どもの状況把握やオンライン整備に奔走してきたこれまでから、今後は学びの質と深まりについても考えていくべく、①国語②社会③算数・数学④理科,技術・家庭⑤音楽⑥保健・体育⑦外国語(英語)⑧特別支援⑨生活指導,高等教育,学校経営,総合の9部会に分かれて議論を行いました。それぞれの部会では、参加者のこれまでのオンライン授業の試行錯誤や取り組みが共有されました。

詳細はこちらからご覧ください。

 

 

学校休業下の学び支援と授業づくりの取組を実践報告として形にまとめ、発信することが提案されました。実践報告のフォーマットが提示され、授業づくりを行う上での工夫や困難をまとめ、コロナに向き合う授業実践の記録を残す取組に着手しました。

 


第43回定例オンラインセミナー(クリックすると開きます)

 

第43回定例オンラインセミナー
「学校休業下の学び支援・授業づくりを考える(5)ー学校の新しい日常をいかに受け止め・つくっていくかー」

 

「学校休業下の学び支援・授業づくりを考える」シリーズ第5回目は、「学校の新しい日常をいかに受け止め・つくっていくか」と題し、これまでの休業下の取組を「第1フェーズ」として総括したうえで、これからの学校づくり・授業づくりを議論・展望する回となりました。62名の方が参加しました。教員の方々から寄せられた学校休業下の授業実践と取組の報告14件を検討・議論するパネル討議が行われました。14本の報告をこれまでEVRIが提案してきたEVRIフェーズOECDマトリクスを視点として分析結果が共有されました。また、社会科教科書執筆者からの挑戦状に対して子どもたちの作品が寄せられたことが報告され、さらなるフィードバックとしてさらなる探究を開く挑戦状が提示されました。

参加者との質疑応答では、パネル討議への応答がなされました。実践報告を提出された教員の方は、EVRIからの応答を受けて授業観が問い直され、今後のカリキュラムをどのように再編していくかを考える機会となったと述べました。教科書執筆の専門家からのフィードバックにより、子どもの学びに対する応答性の広がりとともに、教師の授業づくりのメタ認知も促されたことの意義が言及されました。また、学校再開後の学校と子どもの様子が「何か違う」という違和感と向き合っている現状が共有され「新しい日常」がすでに学校の中に始まっており、EVRIにおける新たな授業づくりの探究と更なる議論の重要性が提起されました。詳細かこちらをご覧ください。

「第1フェーズ」を締めるにふさわしい、休業下の取組を総括するパネル討議と質疑応答が展開され、シリーズ5回を通して提案と協議に参加してきた参加者・提案者に相互の健闘への拍手を送り合って、セミナーは閉会しました。

 


 

第1フェーズの総括:書籍『ポスト・コロナの学校教育:教育者の応答と未来デザイン』刊行

 

シリーズ五回分のセミナーでは、非常に多くの実践現場の声を集め、討議しあい、見通しのきかない時期を切り開いてきました。これまでの成果を書籍としてまとめ、ポストコロナの学校教育の在り方を提案します。アマゾンでオンデマンド出版をいたします。ご関心のある方はこちらへ。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるパンデミックは、既存の学校教育の枠組みに何を投げかけたのか。「ポスト・コロナ」の学校教育の模索の中で、わたしたち教育に関わる者は、子ども、教師、保護者、地域の声にいかに「応答」しながら、どのような学校教育と社会の未来を描いていくのかを問うた一冊となりました。


第2フェーズポスト・コロナの学校教育
(2020年7月〜2021年3月)

 

7月以降は「ポスト・コロナの学校教育」と題して、第2フェーズのセミナーへと移行しました。2020年7月から2021年3月まで、セミナーをリレー開催いたします。(オンラインセミナーシリーズ一覧はこちらからご覧いただけます。


第44回定例オンラインセミナー(クリックすると開きます)

第44回定例オンラインセミナー
「ポスト・コロナの学校教育(1)―EVRI緊急出版物を読む―」

2020年7月23日(木)、定例オンラインセミナー講演会No.44を87名の参加をもって実施しました。

はじめに、司会の草原和博教授吉田成章准教授より、第二フェーズ開催の趣旨が述べられました。続けて、木村優氏(福井大学教職大学院)、栗本和明氏(中華人民共和国北京日本人学校)、寺田拓真氏(広島県総務局付)より、EVRIが刊行した『ポストコロナの学校教育:教育者の応答と未来デザイン』(溪水社)のレビューをしていただきました。

木村氏はストーリー・コミュニケーション・ニューノーマルの三つのキーワードとともに同書の意義を論じました。教師、子ども、地域のコミュニケーションを触発させるOECDマトリクスの開発を評価し、学びと教えのニューノーマルを協働的に探究していくことの重要性を指摘しました。栗本氏は、同書でも紹介された北京日本人学校での取組のポイントを4点にまとめて指摘し、「全員が集う」という規範から離れた新しい授業の形を意義づけました。寺田氏は、はじめに同書を、いいことばかりが書かれたハッピーエンドに尽きる本ではなく、コロナ対策下の様々な登場人物のリアルな葛藤が描かれている点を、いい意味で「泥臭い」と評価し、今の学校を「しなやかで、したたかで、泥臭い学校」へリデザインしていくことが同書の魅力であると述べました。

続けて質疑応答に移りました。提案された学校のリデザインにおいて、履修制度をどう組み替えられるかという質問に対して、履修主義から習得主義への移行の重要性や、授業の参加度による評価ではなく、学習者の学びと育ちを見取る評価のあり方を考えていくことの重要性が指摘されました。そこでは具体的な子どもの姿を描いて教師達が共有することの大切さが確認されました。

最後に吉田成章准教授・棚橋健司教授・草原和博教授より総括がなされました。

詳細はこちらからご覧ください。


第46回定例オンラインセミナー(クリックすると開きます)

第46回定例オンラインセミナー
「ポスト・コロナの学校教育(2)コロナ下の学校におけるコミュニケーション問題 ─あいさつから始業式まで─」

2020年8月22日(土)に定例オンラインセミナー講演会No.46を60名の参加をもって開催しました。

シリーズ「ポスト・コロナの学校教育」の第2回目となった今回のセミナーは,コロナ下の学校における「コミュニケーション」について,参加者のみなさまからのアンケート結果や実際の声をもとに、二部構成で開催されました。第一部は、新型コロナウィルスの感染拡大防止のために,「密集・密接・密閉」の回避が求められる現在の学校生活や教室場面において,「コミュニケーション」が変化してきているのではないかという、コーディネーターの間瀬茂夫教授からの問題提起および趣旨説明からはじまりました。

次いで,もう一人のコーディネーターである永田良太教授から,参加者への事前アンケートのまとめ報告が行われました。教師と子どものコミュニケーションより、子ども同士のコミュニケーションがより気になること,授業中ばかりでなく授業外のコミュニケーションも課題として認識されているというものでした。アンケート結果をふまえ、広島大学の尾形明子氏より,ソーシャルスキルの学習と発達に関するミニ講話およびコメントがなされ、その後,参加者からの質疑や提案が行われました。

第二部は,グループに分かれてのディスカッションが行われました。尾形氏から「コロナ下における制約された状況で,新たなコミュニケーションの力を学校で育むにはどうすればよいか」という問いが投げかけられ,それぞれのグループで活発な議論が行われました。

詳細はこちらからご覧ください。

 


第48回定例オンラインセミナー(クリックすると開きます)

第48回定例オンラインセミナー
「ポスト・コロナの学校教育(3
)コロナ下の学校におけるコミュニケーション問題 ─あいさつから始業式まで─」

2020年9月26日(土)に定例オンラインセミナー講演会No.48を開催しました。学校教員,大学院生,学生・院生など,52名の方が参加しました。

今回のセミナーは,COVID-19をどのように学校に持ち込み,教材として扱うかというトピックについて扱いました。セミナーは,コーディネーターの川口広美による事前アンケートの結果の紹介から始まりました。そこで,多くの教師にとってCOVID-19は「扱いたいけれど扱いにくい」という​状況であることが明らかになりました。

​この課題に対して,2人の中等学校の教員からの実践報告が行われました。1人目は佐藤甲斐氏による「保健体育科授業における感染症の取扱とCOVID-19」​という実践発表です。佐藤氏の実践は,全寮制という特質をもつ学校で,子どもがどのように主体的に感染症対策できるようにするか,という切実な課題に応えるものでした。実践では,子どもたちが「感染症啓発予防の動画」を作るというパフォーマンス課題に応えることを通して,「正しい」COVID-19の対策を考える際に必要な知識やスキルなどを獲得することを目的にしていました。

次いで,2人目は行壽浩司氏による「中学校社会科歴史的分野における「感染症」授業実践」という実践発表です。行壽氏の実践は,中世の終わり~近世を対象とし、天然痘や梅毒など「感染症」によって人々の生活システムが変化し、社会全体がパラダイムシフトしたことを検討していました。様々な学校行事が中止になり,社会が大きく変わっている状況を経験している子どもに対して,歴史という視点からの意義を示すことで,客観的に最近の状況を検討できる実践となっていました。

​両名からの実践報告を受けて,金鍾成助教大坂遊教育研究推進員から「どのような視点で教材化が行われたか」「教材化ではどのような判断が求められるか」に関しての論点整理が行われました。金助教からは,佐藤氏の実践が「コロナの中でどのように生活するか」という「コロナを考える授業」であったのに対し,行壽氏の実践は「社会の推移と繋がりを考える題材としてのコロナ」であった「コロナで考える授業」との整理が示されました。大坂氏からは,他の様々な実践事例の検討から「当事者or非当事者」「直接or間接」「自分ごとor社会ごと」「変容or代替」といった論点があり,実践を行う上では以上の論点をどう捉えるかが中心であることが明らかになりました。

参加者からの質疑の中では,全寮制という特性を持つ学校に対する周囲からの視線といった環境の問題,実践を受けての子どもたちの反応がどのようなものであったか,などの活発な疑問が示されました。セミナーでは,「扱いたいけど扱いにくい」COVID-19の教材としての特性に対し,学校がどのように向かい合うかが具体的に示されました。関心のある教師が繋がり,実践に向けてエンパワーされるセミナーとなっていたのではないでしょうか。

詳細はこちらからご覧ください。


第50回定例オンラインセミナー(クリックすると開きます)

第50回定例オンラインセミナー
「ポスト・コロナの学校教育(4
)ICTを活用したポスト・コロナの授業づくりを考える」

2020年10月24日(土)に定例オンラインセミナー講演会No.50「ポスト・コロナの学校教育(4)ICTを活用したポスト・コロナの 授業づくりを考える」を開催しました。学校教員、大学生・大学院生、教育関係者など、82名の皆様にご参加いただきました。シリーズ第4回目となった今回のセミナーでは、学校教育におけるICTを利活用したこれからの授業づくりに焦点を当てました。

平田篤史氏から、「SAMRモデルとICT利活用教育」と題したご講演をいただきました。岡本竜平氏から、「中・高等学校におけるICTを用いた授業実践-学習スタイルの多様性に着目して-」と題した実践発表をいただきました。網本貴一氏からは、「大学でのオンライン授業で見えてきたこと-理科(化学)の講義・実験・演習での実践を通して-」と題した実践発表をいただきました。参加者からは、「対面授業だからこそ伸ばせる力とは何かを改めて考える機会となった」、「どのようなICTの利活用ができるのか、多くの実践例を知ることができた」、「改めてオンラインツールを活用してみたい」、などの感想をいただきました。

詳細はこちらからご覧ください。


第54回定例オンラインセミナー(クリックすると開きます)

第54回定例オンラインセミナー
「ポスト・コロナの学校教育(5
)パンデミックと学校教育」

2020年11月21日(土)に、第54回定例セミナー「ポスト・コロナの学校教育(5)─パンデミックと学校教育─」を開催しました。「ポスト・コロナの学校教育」セミナーシリーズの第5回は、全9回のちょうど折り返し地点でもあり、「コロナと教育」をより広い視点から教育的・教育学的に捉え直すことを意図して、中国四国教育学会第72回大会シンポジウム「学校の日常が突然に引き剥がされた時:戦争、自然災害、パンデミック下の学校教育」との共催で「パンデミックと学校教育」と題して開催されました。EVRIメンバーでもある川口広美准教授(広島大学EVRI)は広島大学教育学部K201のシンポジウム会場より、田端健人氏(宮城教育大学)はオンラインにて、大門正克氏(早稲田大学)は音声・資料提供形式にて、話題提供をしていただきました。K201でのシンポジウム会場での参加者は28名、オンラインでの参加者は57名、そしてEVRIセミナーへの参加者は36名で、合計121名の参加者を得ての共催の会となりました。

詳細はこちらからご覧ください。


第61回定例オンラインセミナー(クリックすると開きます)

第61回定例オンラインセミナー
「ポスト・コロナの学校教育(5
)ICTを活用したポスト・コロナの授業づくりを考える」

2020年12月26日(土)に、第61回定例セミナー「ポスト・コロナの学校教育(6)─諸外国の現状から見た教師教育・教育研究の展望─」を開催しました。「ポスト・コロナの学校教育」セミナーシリーズの第6回は,教育ヴィジョン研究センター及び広島大学教育学部共同研究プロジェクト「「ポストコロナの学校教育」の提起する学術知共創の可能性と課題」の主催,広島大学の異文化間教育推進室とIinternational Network of Education Institute(INEI)委員会の共催で開催されました。桑山尚司講師と丸山恭司教授を司会に、INEI事務局からChen Wang氏を基調講演者にお迎えし、広島大学附属中・高等学校長でもある鈴木由美子教授、異文化間教育推進室のBrett R. Walter講師とRussell S. Kabir准教授、Tinka Delakorda Kawashima講師を話題提供者として、35名の参加者を得て開催されました。

>詳細はこちらからご覧ください。


第64回定例オンラインセミナー(クリックすると開きます)

第64回定例オンラインセミナー
「ポスト・コロナの学校教育(7)ポスト・コロナの学校教育に要請される数理的思考」

2021年1⽉23⽇(土),第64回定例オンラインセミナー「ポスト・コロナの学校教育(7):ポスト・コロナの学校教育に要請される数理的思考」を開催しました。⼤学院⽣や学校教員など47名の皆様にご参加いただきました。このセミナーでは,数理的思考を次のように規定しました【指標等の意味や意義をある程度以上に利活用でき,判断の根拠にできること。】そして,このような思考力等を養う機関として学校は機能しているのか?という漠然とした問いにアプローチするために,現行の確率教育の刷新を図ろうとする石橋一昴氏(岡山大学)と,諸外国学校教育のパラダイム転換に関心のある早田透氏(鳴門教育大学)の二人を専門家として招きました。同セミナーはオンライン開催であり,小山正孝教授影山和也准教授の2名の主催者から今回セミナーの主旨と上記の問いの概説,ならびに日本学術会議による数学教育への「提言」が説明されました。次いで専門家からそれぞれの立場からの講演があり,フロアからの質問を糸口にして講演の理解を深めたり上記問いへの解答の可能性を考えたりしました。

詳細はこちらからご覧ください。


第70回定例オンラインセミナー(クリックすると開きます)

第70回定例オンラインセミナー
「ポスト・コロナの学校教育(8)多様なニーズのある子どもを支える人々を孤立させない支援ネットワークの在り方」

2021年2月13日(土)、第70回定例オンラインセミナー「ポスト・コロナの学校教育(8)多様なニーズのある子どもを支える人々を孤立させない支援ネットワークの在り方」を111名の参加をもって実施することができました。ポスト・コロナの学校教育シリーズの第8回目となる今回のセミナーは、それでは多様なニーズのある子どもを支える側をどう支えていくのかを考える契機とするために、長年米国ニューヨーク州でスクールサイコロジストとして活躍されているバーンズ亀山静子氏、東京都議会議員で保護者でもある龍円愛梨氏、日本の特別支援教育施策に重要な提言をし続けてきたLITALICOの野口晃菜氏の3名の立場の異なるシンポジストにご登壇いただきました。まず、松宮奈賀子准教授川合紀宗教授から全体の趣旨説明等を行った後、シンポジストからは、それぞれの立場で「支える側を支える」ために実施してきたこと、今後実施していくことについて話題提供いただきました。

詳細はこちらからご覧ください。


第72回定例オンラインセミナー(クリックすると開きます)

第72回定例オンラインセミナー
「ポストコロナの学校教育(9)ポストコロナ社会における「プラクティス」と遠隔教育 :「3実(実技・実習・実演)」の視点から」

2021年3月6日(土)に、第72回定例オンラインセミナー「ポストコロナの学校教育(9)」として「ポストコロナ社会における「プラクティス」と遠隔教育」:「三実(実技・実習・実演)の視点から」を開催しました。井戸川豊と岩田昌太郎が司会を務め、話題提供は、(1)八木健太郎氏(広島大学,造形芸術教育)(2)住岡健太氏・Mary Popeo氏 (NPO法人 Peace Culture Village)・松本幸市氏(一般社団法人まなびのみなと/PCV,木江宿庭火)(3)高旗健次氏(広島大学・広島大学附属幼稚園長)からお話しいただきました。指定討論では、高田宏氏(広島大学・人間生活教育)にコメントいただき、学ぶ側への配慮と技術的可能性の2つの論点から討論を行いました。当日のオンライン参加者は約40名となりました。今回が「ポストコロナの学校教育」シリーズの最終会となりましたが、EVRIでは、次年度以降もこの問題を追究してまいります。

詳細はこちらからご覧ください。


 

第2フェーズの総括:書籍『「コロナ」から学校教育をリデザインする』刊行

広島大学教育ヴィジョン研究センター・草原和博・吉田成章編著による『「コロナ」から学校教育をリデザインするー公教育としての学校を捉える視点-』が,2021年6月5日に渓水社から出版されました。
2020年に出版された『ポスト・コロナの学校教育-教育者の応答と未来デザイン-』の続編です。2021年7月以降に開催されたEVRI定例セミナーの取組に基づいて,ポスト・コロナの学校と教育者の取組を素描するとともに,これを契機とした学校教育のリデザインの様々な可能性,そしてそのパノラマ図を描き出したものです。

「『コロナ』から学校教育をリデザインする―公教育としての学校を捉える視点―」

本著の編集協力をしてくださった院生さんたちと一緒に記念撮影(お疲れ様です!!)


第3フェーズポストコロナ
(2021年6月〜2022年3月)

2021年6月以降は、第3フェーズのセミナーへと移行しました。2021年6月から2022年3月まで、セミナーをリレー開催いたします。

(オンラインセミナーシリーズ一覧はこちらからご覧いただけます。)


第81回定例オンラインセミナー(クリックすると開きます)

第81回定例オンラインセミナー
「ポストコロナ第3フェーズ第1回「ポスト・コロナの学校教育をリデザインする視点」」

広島大学インキュベーション研究拠点「教育ヴィジョン研究センター(EVRI)」は,2021年6月19日(土)に,第81回定例オンラインセミナー「ポストコロナ第3フェーズ第1回「ポスト・コロナの学校教育をリデザインする視点」」を開催しました。大学院生や学校教員を中心に68名の皆様にご参加いただきました。

「ポストコロナ第3フェーズ」シリーズは,「「コロナ」から学校教育をリデザインする学術知共創の可能性と課題」と称する共同研究プロジェクトの一環で開催される連続セミナーです。今年度は,「コロナと教育」に関する国内外の文献調査や「コロナと教育」に関する大規模アンケート調査等を実施するとともに,教育学分野以外の分野とも連携して学術知を共創し,その成果を6月・9月・12月・3月のセミナーで報告してまいります。

詳細はこちらからご覧ください。


第91回定例オンラインセミナー(クリックすると開きます)

第91回定例オンラインセミナー
ポストコロナ第3フェーズ第2回 「コロナ下における学校カリキュラムを問いなおす─学校行事・特別活動・総合学習の事例から─」

広島大学インキュベーション研究拠点「教育ヴィジョン研究センター(EVRI)」は,2021年9月18日(土)に,第91回定例オンラインセミナー「ポスト・コロナ第3フェーズ第2回セミナー「コロナ下における学校カリキュラムを問い直すー学校行事・特別活動・総合学習の事例からー」」を開催しました。大学院生や学校教員を中心に52名の皆様にご参加いただきました。

「ポストコロナ第3フェーズ」シリーズは,「「コロナ」から学校教育をリデザインする学術知共創の可能性と課題」と称する共同研究プロジェクトの一環で開催される連続セミナーです。シリーズ第2回となる本セミナーでは,コロナ下にあって延期・中止を余儀なくされている学校行事,特別活動,総合学習などの教育活動に着目し,コロナ下における各学校の取り組みに関して報告が行われました。

詳細はこちらからご覧ください。


第103回定例オンラインセミナー(クリックすると開きます)

第103回定例オンラインセミナー
「ポストコロナ第3フェーズ第3回「子どもたちの「声」を聴こう」」

広島大学インキュベーション研究拠点「教育ヴィジョン研究センター(EVRI)」は、2021年12月18日(土)に,第103回定例オンラインセミナー「ポストコロナ第3フェーズ第3回「子どもたちの「声」を聴こう」」を開催しました。大学教員や大学院生を中心に49名の皆様にご参加いただきました。

「ポストコロナ第3フェーズ」シリーズは,「「コロナ」から学校教育をリデザインする学術知共創の可能性と課題」と称する共同研究プロジェクトの一環で開催される連続セミナーです。シリーズ第3回となる本セミナーでは,コロナ禍において子どもたちがどのように感じているのかについて、実際に小学生、中学生、高校生たちに行ったインタビュー動画の供覧と、それに対する教育学と心理学の立場からのコメント、およびブレークアウトセッションを利用したセミナーの参加者同士での議論・意見交換が行われました。

詳細はこちらからご覧ください。


第109回定例オンラインセミナー(クリックすると開きます)
広島大学インキュベーション研究拠点「教育ヴィジョン研究センター(EVRI)」は,2022年3月5日(土)に,第109回定例オンラインセミナー「ポストコロナ第3フェーズ第4回 「学校休業」からの2年間をどう総括するか ―地域・学校・社会を「教育」でつなごう―」」を開催しました。大学院生や学校教員を中心に58名の皆様にご参加いただきました。

「ポストコロナ第3フェーズ」シリーズは,「「コロナ」から学校教育をリデザインする学術知共創の可能性と課題」と称する共同研究プロジェクトの一環で開催される連続セミナーです。今年度は,「コロナと教育」に関する国内外の文献調査および「コロナと教育」に関する大規模アンケート調査等を実施するとともに,教育学以外の分野とも連携することで学術知を共創し,その成果を6月・9月・12月・3月の計4回のセミナーで報告してまいりました。

シリーズ第4回となる本セミナーでは,全国一斉の「学校休業」から2年間経ったいま,子どもたちがいない学校で何ができるのか,コロナで人と物理的に距離を取ることになったなか,人と地域と社会の「交流」はどのように変化してきたのか,何をどのように支援することが未来に繋がるのかを明らかにすることに焦点を当てました。そのため,法曹界や教育行政に関わる方や地元の新聞記者の方といったような,一見教育現場から離れた立場にいる人々との「対談」を通して,コロナ禍の2年間を振り返っての働き方の変化や悩み,教育に関わって考えたことに関して報告が行われました。

詳細はこちらからご覧ください。

第112回定例オンラインセミナー(クリックすると開きます)

【2022.06.19】定例オンラインセミナー講演会No.112「ポスト・コロナの学校教育を提起する「コロナから学校教育をリデザインする―広島県学校教員意識調査の結果から―」」を開催しました。

.開催報告

 

広島大学大学院人間社会科学研究科「教育ヴィジョン研究センター(EVRI)」は,2022年6月19日(日)に,第112回定例オンラインセミナー講演会「ポスト・コロナの学校教育を提起する「コロナから学校教育をリデザインする―広島県学校教員意識調査の結果から―」」を開催しました。学生・大学院生や学校教員を中心に118名の皆様にご参加いただきました。

「ポスト・コロナの学校教育を提起する」プロジェクトは,第1フェーズ~第3フェーズにおいて、「コロナと教育」に関する国内外の文献調査および「コロナと教育」に関する大規模アンケート調査を実施し、18回のセミナーを開催してきました。第3フェーズの研究成果として、『教育の未来デザイン―「コロナ」からこれからの教育を考える―』(溪水社、2022年6月)を刊行し、2022年度教育学部共同研究プロジェクト「地域課題に応える教育学研究の革新による学術知共創」の支援を受け、本セミナーが開催されました。

本セミナーでは,2021年11月にEVRIが広島県内の全学校を対象に実施した「広島県の学校における新型コロナウイルス感染症の影響調査」の回答結果のなかでも,コロナによって生じた問題を5件法で問うた24の質問項目および学校教育の展望にかかわる3の質問項目に関して報告が行われました。

 

司会の木下博義准教授(広島大学)と吉田成章准教授(広島大学)より会の趣旨が述べられ,草原和博教授(広島大学)より2年4ヶ月の「ポスト・コロナの学校教育を提起する」プロジェクトの概要が説明されました。パンデミック前をA期,パンデミック中をB期,そしてパンデミック後をC期としたとき,未だB期がこびりついているものの徐々にC期に突入しつつある現在,改めて2021年11月に集めた学校教員の声を捉えることの意義を確認しました。吉田成章准教授(広島大学)より本セミナーの趣旨が説明されるとともに,EVRIがコロナ下の学校教育とどのように向き合ってきたのか,というプロジェクトのあらましが説明されました。

 

次に,滝沢潤准教授尾川満宏准教授(広島大学),安藤和久さん,川本吉太郎さん,武島千明さん(広島大学大学院・博士課程後期) から教員意識アンケートの調査報告が行われました。報告では,「学校教育が持つ未来への可能性を教師自身がどう捉えているのか?」を問いとしたアンケートへの回答から,①小学校,公立,大規模校,大都市(広島市),ベテラン(16年以上の教員歴)を属性とする教員がコロナの影響をより大きな問題として考える傾向にあったこと,②多くの教師がコロナ「以前の学校に戻る」ことにも,「新たな学校になる」ことにも,明確な指針を見いだせていないこと,③他校種と比較し,高等学校ではコロナの影響と学校リデザイン意識に一定の関連性が見られたこと,の3点が浮かび上がったことが共有されました。

 

以上の報告を受けて,3つの指定討論が行われました。

まず,EVRIが実施した3回のアンケートすべてにかかわった森田愛子教授(広島大学)が,「第1回・第2回調査との比較」と題した指定討論を行いました。森田教授は,学校教員のかかえる困難感が3回のアンケートの間でどのように変遷していったのかを,学校休業と学校再開という社会的な背景をふまえて整理しました。そのうえで,現状維持バイアスの概念を用いながら,「学校教員らは,メリットが大きくなければ「学校リデザイン」というストレスを伴い得る変化に向かわないのではないか」と,学校リデザインを推し進めるうえで直面する可能性のある問題を提起されました。

次に,杉原満治氏(広島県立教育センター)が指定討論を行いました。杉原氏は,2020年2月の学校休業以降,校長・教育行政など様々な立場からコロナと教育に向かい合ったご自身の経験,さらには広島県立教育センターに着任後,広島県でのコロナ下の教員研修をどのように推し進めていったのか,に関してお話されました。そのうえで,「子どもたちがすでにタブレットなどの端末を持っており,新学習指導要領の実施がなされているなかで,何を『以前の学校』とし,何を『リデザイン』とするのか」という問いを全体に投げかけました。

最後に,辻野けんま氏(大阪公立大学)が「広島県学校教員意識調査によせて」と題した指定討論を行いました。辻野氏は,ご自身が新型コロナウイルスの陽性者となった経験や、海外におけるコロナ対応に関する調査で感じたことをふまえたうえで,広島県での調査結果について①学校種による異同の要因をどう見るか?、②学校レベルで現象化したが実は教育行政の影響と考えられるものはないか?、③学校をめぐる多様な意思(学校/教職員、地方自治体、国、研究者、保護者、地域住民、そして子どもの意思)の交錯から新たな学校像をどう構想するのか?という3つの問題提起をしました。

 

対面やオンラインでの参加者を含めたオープンディスカッションでは,「これからの学校をリデザインするのは誰なのか,また誰であるべきなのか」といった質問や「学校にかかわる様々なステークホルダーのリデザイン志向が必ずしも一致するとは限らないのではないか」,「コロナは学校が全日制であることの重要性を問うたのではないか」といった意見も出されました。このような質問や意見をとおして,本セミナーのタイトルにもある「学校教育のリデザイン」を私たちがどのように定義し,検討していくべきなのか,という点への議論がいっそう深まりました。

 

最後に,丸山恭司教授(広島大学)によって,コロナ「から」学校での危機管理やオンライン活用などを考えることができている現状が整理され,コロナによる経験を昇華していくという肯定的な視点の提示をもって,今回のセミナーが総括されました。

 

今回のセミナーを踏まえ,EVRIは以下のような政策提言を構想しています。

①コロナの学校教育への影響の継続的・実証的な調査に基づく教育理論・政策の立案・検証

②教育行政と学校教育のそれぞれの立場から「教育のヴィジョン」を描くことで、現実的かつ建設的な教育制度を維持・構築・発展させること

今後もEVRIでは,学校教育のリデザインから教育そのもののあり方を考究することをテーマに,引き続き検討してまいります。

(文責:吉田成章、草原和博、丸山恭司、森田愛子、尾川満宏、木下博義、滝沢潤)


 

第3フェーズの総括:書籍『教育の未来デザイン』刊行

広島大学教育ヴィジョン研究センター・草原和博・吉田成章編著による『教育の未来デザインー「コロナ」からこれからの教育を考えるー』が,2022年6月17日に渓水社から出版されました。
本書は,2020年出版の『ポスト・コロナの学校教育ー教育者の応答と未来デザインー』,2021年出版の『「コロナ」から学校教育をリデザインするー公教育としての学校を捉える視点ーの続編であり,3冊にわたる本シリーズの完結本となります。本書では,「コロナ」は学校教育の何を変えたか,変えなかったのか,何を変える契機となりうるのかについて検討しており,子どもと教師,教育に関心を持つ専門家らの声に基づいて,教育の未来デザインを提案し,学校のあり方の再定位を試みた一冊となっております。

『教育の未来デザインー「コロナ」からこれからの教育を考えるー』

本著の編集の協力をしてくださった院生さんたちと一緒に記念撮影をしました!



「ポスト・コロナの学校教育」関連の書籍リストをまとめました

 

2020年11月13日(和書リストを追加)
2020年11月16日(コロナ関連論文タイトル追加・コロナ関係雑誌タイトル追加)
2021年1月20日(英文図書リスト)
2021年8月25日(和書リスト・英文図書リストを追加)
2021年11月17日(和書・洋書リスト更新)
2022年2月24日(和書・洋書・雑誌リストを差し替え)
参考図書リスト(PDF)

コロナ×教育関連書籍リスト(和書)(2022年1月31日更新)コチラをクリックしてください▶PDF
コロナ×教育関連書籍リスト(洋書)(2022年1月31日更新)コチラをクリックしてくださいPDF
コロナ×教育関連雑誌リスト(2022年1月19日更新)コチラをクリックしてください▶PDF

COVID-19がもたらした教育・社会・教育学への影響は、学校休業への対応やICT活用への急速な転換にのみ留まるのではなく、子どもたちの生活と命を教育を通じていかに守り、育てていくのかという学問としての教育学にまで及んでいる。ポストコロナの学校教育をいかに描くことができるのかという課題に対して、わたしたちEVRIおよび広島大学教育学部は「『ポストコロナの学校教育』の提起する学術知共創の可能性と課題」(広島大学教育学部令和2年度共同研究プロジェクト」)の研究プロジェクトを立ち上げ、教育学部・EVRI教員・スタッフに大学院生も加えて、「ポストコロナと教育」のEVRIセミナーシリーズの運営と共同研究に取り組んでいる。 「ポストコロナの学校教育」は、すべてのひとに教育を、教育を通じた社会変革と自己実現を、というEVRIの理念でもある学校の有する人と人との交流の場としての教育機能を縮減しかねない。地域との交流行事や異学年での子どもたちの多様な関わり、教室内での少人数での交流や昼食時の制限、保護者・地域の学校参観・授業参観への制約など、COVID-19の影響は今後長期的に「学校」のもつ「教育」の意味を問い直し続けることになる。他方でEVRIも、「ふらっと立ち寄れる場」として広島大学教育学部B101に居を構えているが、オンラインによる業務遂行によって教育に関わる研究の様相も様変わりしてきている。 「ポストコロナと教育」に関する著作一覧をHPに公開し、その本を教育学部B101(EVRI)に配架することで、学内外の関心のある方に、ふらっと立ち寄っていただき、本を手に取ってもらえればという思いでこの本リストを作成した。今後、和書だけではなく洋書、論文、雑誌、各種報告等の資料も整えていく予定である。ご関心をお持ちのみなさまにふらっとHPに立ち寄っていただく、あるいはEVRI(B101)に立ち寄っていただき、何気ない一言の交流(「もっとこういう本があるといいですね」「こんな話もセミナーでしてみたいですね」など)から、教育に関わるさまざまな学術知が共創する場をバーチャルにもリアルにも構築していきたいと考えております。

2020年11月13日
広島大学EVRI 吉田成章
広島大学教育学部令和2年度共同研究プロジェクト
「『ポストコロナの学校教育』の提起する学術知共創の可能性と課題」のメンバーを代表して


第39回セミナーにおいて、オンラインでの単元学習のヒント集である社会科教科書執筆者からの挑戦状が紹介されました。オンライン上で子どもと教師が応答し、学びを深めていく探究の支援サイトになることを願って設計されました。

 

社会科教科書執筆者からの挑戦状

 


『HU₋plus』に掲載されました

 

パンデミック以後、ポスト・コロナに関する書籍が多く出版されてきました。EVRIでは、これからの新しい教育を模索するための一助となることを目指して関連書籍を一覧にまとめました。内容は広島大学のHPよりご覧いただけます。

 


INEI-UCL IOE主催シンポジウム
“How is the Covid-19 global pandemic reshaping the debate on education?”で丸山恭司教授が登壇

教員養成課程をもつ研究大学の国際的なネットワークであるINEI(International Network of Educational Institutes)が 、2020年12月14日、“How is the Covid-19 global pandemic reshaping the debate on education?”と題したオンライン・シンポジウムを開催しました。その講演の内容がpodcastおよびYoutubeにて配信されました。

ロンドン大学教育研究所(IOE)主催で、韓国、シンガポール、日本、イギリスなど各国におけるパンデミック下の教育の動向と課題が議論されています。広島大学からは丸山恭司教授が登壇されました。

 

同議論の内容や成果は第61回セミナーでも紹介し、議論をいたしました:https://evri.hiroshima-u.ac.jp/14150


[新聞] 2021年2月21日(土) 中国新聞朝刊「研究室発 コロナで変わる学び支援」(20ページ)に掲載されました

2021年2月21日(土)の中国新聞朝刊、「研究室発」欄にて、吉田成章准教授へのインタビュー記事が掲載されました。「中国新聞PLUS日経テレコン21」会員の方はログインして内容をご確認頂くことができます。また、広島大学の図書館のPCもしくは学内サーバーから広島大学図書館のデータベースページを経由して「中国新聞PLUS日経テレコン21」にアクセスすることで、どなたでも無料で記事を閲覧することができます。


[新聞] 2021年6月10日(木) 中国新聞朝刊

*紙面のウェブサイトへの転載申請を行い、中国新聞社の許諾を2021年7月2日に得ました。(2021年7月6日掲載)

2021年6月10日(木)の中国新聞朝刊(21ページ)、森田愛子教授へのインタビュー記事が掲載されました。「中国新聞PLUS日経テレコン21」会員の方はログインして内容をご確認頂くことができます。また、広島大学の図書館のPCもしくは学内サーバーから広島大学図書館のデータベースページを経由して「中国新聞PLUS日経テレコン21」にアクセスすることで、どなたでも無料で記事を閲覧することができます。


[新聞] 2021年6月28日(月) 中国新聞朝刊
0ー1.中国新聞ポストコロナ_20210628のサムネイル

*紙面のウェブサイトへの転載申請を行い、中国新聞社の許諾を2021年7月2日に得ました。(2021年7月6日掲載)

2021年6月28日(月)の中国新聞朝刊(10ページ)教育朝刊特集にて、草原和博教授吉田成章准教授へのインタビュー記事が掲載されました。「中国新聞PLUS日経テレコン21」会員の方はログインして内容をご確認頂くことができます。また、広島大学の図書館のPCもしくは学内サーバーから広島大学図書館のデータベースページを経由して「中国新聞PLUS日経テレコン21」にアクセスすることで、どなたでも無料で記事を閲覧することができます。


EVRIではこの先も「ポスト・コロナの学校教育」セミナーを開催してまいります。

 

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私たちEVRIは、EVRIの掲げるミッションとヴィジョンを達成するために、共同事業、共同研究、受託研究および講演等をお引き受けいたします。
ご依頼やご質問は、EVRIの運営支援チームに遠慮なくお問い合わせください。連絡先は次のとおりです。

e-mail :evri-info@hiroshima-u.ac.jp
Tel & Fax: 082-424-5265
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