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【2020.06.13】第43回定例オンラインセミナー「学校休業下の学び支援・授業づくりを考える(5)学校の新しい日常をいかに受け止め・つくっていくか」を開催しました

公開日:2020年06月15日 カテゴリー:開催報告

.開催報告

2020年6月13日(土)、定例オンラインセミナー講演会No.4362名の参加をもって実施しました。

「学校休業下の学び支援・授業づくりを考える」シリーズ第5回を数える今回は「学校の新しい日常いかに受け止め・つくっていくか」と題し、学校が再開した今、これまでの休業下の取組を「第1フェーズ」として総括し、それを踏まえた今後の学校づくり・授業づくりを展望する趣旨設定が司会の草原和博吉田成章より述べられました。

続けて、前回の第41回セミナーを経て教員の方から寄せられた学校休業下の授業実践と取組の報告14件を検討・議論するパネル討議が行われました。最初に大坂遊川口広美三好美織が、オンライン設備の準備状況に基づくEVRIフェーズの観点(38回セミナーで提案されました)から、子どもとの人間関係構築や教育課程の抜本的な再編が大きな課題となってきた一方で、コロナ下での作成動画の共有等を通した教員同士の連携の重要性が提起されてきたことを指摘しました。とりわけコロナ下の取組が提起したものとして授業観の問い直しに着目し、ICTで従来の学習を充実させる段階から、ICTで新しい授業と学習自体を変換していくモデルを提唱しました。続けて、吉田成章・三時眞貴子らは、本年3月にOECDから提案されたフレームワークに基づくEVRI版マトリクス(40回セミナーで提案されました)の観点から、「封鎖、隔離、遮断が行われる状況の中で、制約を打破しつつ、越境や対話、開く、包摂、連携を促す取り組みに組み替えていくこと」の重要性を指摘しました。パネル討議の最後に、「社会科教科書執筆者からの挑戦状」に寄せられた授業実践の回答に対する更なる挑戦が草原から紹介されました。教科書の使用者である子どもと教科書を執筆した専門家の間での課題提起と答えの吟味の応答の繰り返しを通じて、単なる正解の追求に閉じない、問いへの回答からさらなる問いが広がり、教科の学びの継続的な深まりを可能とする新しい学習のあり方が提案されました。

パネル討議を経て、EVRIからの提案と挑戦に対して、参加者との質疑応答がなされました。「社会科教科書執筆者からの挑戦状」への回答者の先生からは、教科書執筆の専門家からのフィードバックにより、子どもの学びに対する応答性の広がりとともに、教師の授業づくりのメタ認知も促されたことの意義が言及されました。実践報告を提出された教員の方は、EVRIからの応答を受けて授業観が問い直され、今後のカリキュラムをどのように再編していくかを考える機会となったと述べました。また、学校再開後の学校と子どもの様子が「何か違う」という違和感と向き合っている現状が共有され「新しい日常」がすでに学校の中に始まっており、EVRIにおける新たな授業づくりの探究と更なる議論の重要性が提起されました。

 

最後にセミナーの統括がなされました。草原は、「これまでと何かが違う」というコロナ後の違和感が、新たな学校と授業を作っていくことにつながっていくことが指摘され、今後も学校の新たな日常を作り、問い直していくことを提案しました。吉田は、セミナーを通じて子どもの学び支援と授業づくりに向けて取り組んできた多くの教育実践者の努力と挑戦を評価し、EVRIを通して見えてきた子どもと子どもの学びに応答しゆく教師像を強調し、成果をまとめることの意義を指摘しました。丸山は、質疑応答での声を引き受けながら、学校再開後に学校に来れない子どもができていないか、コロナでの対応や取組を「なかったこと」にしてしまわないようにすることの大切さを指摘しました。セミナーの発起人である川口は、コロナ下における学校が直面している問題に向き合うための場として同セミナーが続けられてきた経緯を振り返り、大学教員として教師教育に携わる自身もまた新しい教師教育実践を開き問い直していくことの大切さを自己認識したことに触れ、第1フェーズでのセミナー全体を通しての学びと蓄積が多面的に意義を有していることが指摘されました。

「第1フェーズ」を締めるにふさわしい、休業下の取組を総括するパネル討議と質疑応答が展開され、シリーズ5回を通して提案と協議に参加してきた参加者・提案者に相互の健闘への拍手を送り合って、セミナーは閉会しました。

EVRIでは、これまでの学校休業下の学び支援・授業づくりのを考えるセミナーの蓄積を書籍として発信していく予定です。ご関心のある方は実践報告にご記入いただき、奮ってご送付ください(Ⅲ.実践報告の募集をご覧ください。)

 

セミナーで用いられた資料

●報告資料
2.報告-学校休業下の実践・取組の報告を読む
●発表者

(1)EVRIフェーズからみると▶発表資料 大坂遊川口広美三好美織
(2)OECDマトリクスからみると
  資料①EVRI版マトリクスからみた実践報告の特徴の一覧
  資料②発表資料
三時眞貴子,吉田成章,安藤和久(教育方法学D1),大矢龍弥(西洋教育史M3),太田淳平(西洋教育史M2),櫻井瀬里奈(教育方法学M2),阿蘇真早子(教育方法学M1),金原遼(教育方法学M1),三戸部由幸(教育方法学M1),武島千明(音楽教育学M1),沖原さや香(教育学系コースB2)
(3)挑戦状の回答に対する挑戦状▶発表資料 草原和博
【重要】上記セミナーの資料の取扱いについてお願いです。
  ・職員会議・研修等での活用は承諾等不要です。ただし、研究・一般公開に際しては無断転載はおやめください。
  ・利用されたい場合は、EVRI(evri-info@hiroshima-u.ac.jp)までご連絡をくださいますようお願い申し上げます。

Ⅲ.実践報告の追加募集

EVRIでは、「学校休業下の学び支援・授業づくりを考える」シリーズを通して議論・提案されてきた実践と取組を、書籍として発信する計画を立てております。
コロナ下の授業づくりの実践報告を募集しております。

※募集は終了いたしました。ご応募ありがとうございました。

Ⅳ.アンケート

多くの皆様にご参加いただきまして、誠にありがとうございました

ご参加の方は、事後アンケートへの回答にご協力ください。

同セミナーの第2フェーズを7月以降に開催予定です。詳細につきましてはイベント一覧にて随時掲載いたします。


*第43回定例セミナーの告知ポスターはコチラです。

No.43学校休業下(5)ポスターのサムネイル

 


同セミナーに関連するプロジェクトページを以下のバナーからご覧いただけます


 

教育学研究科HPにも掲載されています

 


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