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広島大学教育ヴィジョン研究センター 拠点リーダー・教授

草原和博
Kazuhiro Kusahara

研究者としての私の出発点は,「地理教育の」「カリキュラムの」「国際比較」のニッチなところを究めんとする研究者でした。しかし,20年が経過する過程で,徐々にメタ的な方向へと進んできました。その流れを自分なりに振り返ってみると。

私の研究対象は「地理教育」→「社会科教育」→「主権者・市民性教育」→「教科教育学の方法論と社会的責任」…へと限りなく拡大の一途をたどってきました。一方で研究関心は「教科のカリキュラム」→「教科の思想・本質」→「教師のカリキュラムデザイン」→「教師の信念形成」…へとスパイラルな深化の過程へ入り込んでしまいました。そして私のアインデンティティは,「地道な研究者」+「優しい教師教育者」+「研究者と教師教育者の厳しい養成者」+「研究者と教師教育者を養成・研究する気まぐれなマネージャ」…と累積的に蓄積してきました。

EVRIの立ち上げは,このような流れの延長線上に位置づいています。ある意味で必然,ある意味では偶然。上述のようなアイデンティティの移り変わりの過程で,自然とEVRIをつくりたい!と決意し,仲間を募りました。国内外の多くの仲間に支えられて,このEVRIは漂流しながらも,常に関係者と対話し,増殖と進化を遂げています。これからも,ふらっと立ち寄りたくなる楽しいEVRI,頼りがいあるフットワークの軽いEVRI,そして新しいアイデアを学界と社会に発信し続ける強靭なEVRI,この3つを目標にEVRIを運営してまいります。結果的にEVRIが,「学習空間」「カリキュラム」「教育の専門家」に関する研究拠点として認知されるようになったならば,それは望外の幸せです。

研究業績Research Results

【著書】
・原田智仁編「平成29年版中学校新学習指導要領の展開 社会編」,共著 草原和博「『地域の在り方』の授業プラン」,明治図書,pp.148-153,2017年10月.
・『社会科教育』編集部「平成29年版 学習指導要領改訂のポイント 小学校・中学校 社会」,明治図書出版, 2017年, 4, 単行本(一般書), 共著 草原和博「社会科における『見方・考え方』-追求の視点と授業デザイン- 地理:地理主義の強化に留意して主権者教育を実現する」,pp.30-33,2017年4月.
・Kim, J., & Kusahara, K., “What is the Lasting Impact of the Use of Nuclear Weapons During WWII in Japan?”, Brad M. Maguth, & Gloria Wu. (Eds.). Global Learning Based on the C3 Framework in the K-12 Social Studies Classroom, National Council for the Social Studies, (in press).

【論文】
・草原和博・金鍾成・河原洸亮・鈩悠介・兒玉泰輔・茂松郁弥・山本稜・吉川友則「探究を軸に子どもの「資質・能力」を育成する社会科カリキュラムの原理とその展開-NCSSのThe College, Career, and Civic Life (C3) Frameworkを手がかりに-」,『学校教育実践学研究』第24巻,157-166,2018年3月.
・草原和博ほか「歴史的な見方・考え方の働きはいかに可視化できるのか-思考ツールを用いた歴史導入単元「江戸時代の朝顔ブーム」を手がかりに-」,『広島大学大学院教育学研究科紀要第二部(文化教育開発関連領域)』,第66巻,pp.41-50,2017年12月.
・Thomas Misco, Jongsung Kim, Kazuhiro Kusahara, Masato Ogawa and Toshinori Kuwabara, “A framework for controversial issue gatekeeping within social studies education: The case of Japan”. Jounal of Social Studies Education In Asia, 7, 65-76, 201803.
・岩田昌太郎・草原和博・川口広美「教師教育者の成長過程に関する質的研究―TAの経験はアイデンティティ形成にどのように影響を与えるか―」,『日本教科教育学会誌』,第41巻1号,pp.35-46,2018年.
・福屋いずみ・森田愛子・草原和博・渡邊巧・大坂遊「地理的な見方・考え方を妨げる要因の検討」,『日本教育工学会論文誌』,第42巻1号,pp. 65-72,2018年.
・草原和博・尾藤郁哉・福元正和・城戸ナツミ・高錦婷・近藤秀樹・山口安司・鈩悠介・河原洸亮「平和観の再構築とそのメタ認知を促す授業モジュール」,『広島大学大学院教育学研究科紀要 第二部 文化教育開発関連領域』,第67巻,pp.47-56,2018年.
・守谷富士彦・大坂遊・桑山尚司・平田浩一・升谷英子・草原和博「カンボジア中学校社会科授業の現状と再生産の構造」,『広島大学大学院教育学研究科紀要 第二部 文化教育開発関連領域』,第67巻,pp.75-84,2018年.
・大坂遊・桑山尚司・守谷富士彦・草原和博「教科書開発者の専門性を高める研修プログラムをいかにデザインするか-カンボジア教育省社会科教科書改訂プロジェクトを例に-」,『学校教育実践学研究』,第25巻,pp.93-108,2019年.

【雑誌】
・草原和博「見方・考え方を働かせる社会科授業づくりを支援する」『「見方・考え方」を活用した授業実践 ~現行学習指導要領の教科書を使って~(新学習指導要領に向けて)』,東京書籍・東書教育シリーズ,pp.2-5,2017年10月.
・草原和博「時事問題の活用-社会と学校と子どもを結ぶ社会科授業づくり-」,『社会科教育』明治図書,pp.8-11,2017年9月号.
・草原和博「難問・良問・奇問・悪問の境界線-評価の目的・内容・方法をめぐる理論的対立-」,『社会科教育』明治図書,pp.4-7,2017年11月.
・草原和博「新学習指導要領・社会科授業づくりの課題と取り組みポイントー真正の主権者教育とは何か-」,『社会科教育』明治図書,pp.108-111,2018年2月.
・草原和博,後藤賢次郎「〈世界の研究動向から考える〉社会科授業の理解に役立つ12のキー概念 (第1回)-progressivism(進歩主義)-」,『社会科教育』,第708号,pp.124-125, 2018年.
・草原和博,金鍾成「〈世界の研究動向から考える〉社会科授業の理解に役立つ12のキー概念 (第2回)-Critical Patriotism(批判的愛国主義)-」,『社会科教育』,第709号,pp.124-125, 2018年.
・草原和博,橋崎頼子「〈世界の研究動向から考える〉社会科授業の理解に役立つ12のキー概念 (第3回)-Justice oriented citizen(正義志向の市民-」,『社会科教育』,第710号,pp.124-125, 2018年.
・草原和博,坪田益美「〈世界の研究動向から考える〉社会科授業の理解に役立つ12のキー概念 (第4回)-social cohesion(社会的結束)-」,『社会科教育』,第711号,pp.124-125, 2018年.
・草原和博,蓮見二郎「〈世界の研究動向から考える〉社会科授業の理解に役立つ12のキー概念 (第5回)-Civic Republicanism(市民的共和主義)-」,『社会科教育』,第712号,pp.124-125, 2018年.
・草原和博,田中伸「〈世界の研究動向から考える〉社会科授業の理解に役立つ12のキー概念 (第6回)-Common good(コモン・グッド)-」,『社会科教育』,第713号,pp.124-125, 2018年.
・草原和博,渡邉巧「〈世界の研究動向から考える〉社会科授業の理解に役立つ12のキー概念 (第7回)-Pedagogical Content Knowledge(PCK)-」,『社会科教育』,第714号,pp.124-125, 2018年.
・草原和博,川口広美「〈世界の研究動向から考える〉社会科授業の理解に役立つ12のキー概念 (第8回)-Substantive/Pedagogical Concept(本質的・方法的概念)-」,『社会科教育』,第715号,pp.124-125, 2018年.
・草原和博,斉藤仁一朗「〈世界の研究動向から考える〉社会科授業の理解に役立つ12のキー概念 (第9回)-Relevance(レリバンス)-」,『社会科教育』,第716号,pp.124-125, 2018年.
・草原和博,堀田論「〈世界の研究動向から考える〉社会科授業の理解に役立つ12のキー概念 (第10回)-Authentic Learning(真正の学び)-」,『社会科教育』,第717号,pp.124-125, 2019年.
・草原和博,長田健一「〈世界の研究動向から考える〉社会科授業の理解に役立つ12のキー概念 (第11回)-deliberation(熟議)-」,『社会科教育』,第718号,pp.124-125, 2019年.
・草原和博,大坂遊「〈世界の研究動向から考える〉社会科授業の理解に役立つ12のキー概念 (第12回)-PDCAサイクル/ALACTモデル-」,『社会科教育』,第719号,pp.124-125,2019年.
・草原和博「プランニング型授業の陥穽を乗り越える-何のために,誰に,何を提案するか-」,『学校教育』,第1210号,pp.38-43, 2018年.

【発表】
・永田忠道・草原和博「市民性教育の西欧化・米国化と日本型カリキュラムとの相克-教科教育の歴史・受容・比較の視点から-」,『日本研究所』創設記念シンポジウム 非西欧社会の近代化再考:日本とエジプト(アラブ)の場合,カイロ大学,2017年7月16日.
・Kazuhiro Kusahara, “How to strengthen the relevance of social studies education for the youth? : The development of special civics textbook and its impact to the curriculum gatekeeping”. The 2nd International Conference on Special Educational Needs (Keynote), Isola Resort, Bandung, 2nd December 2017.
・"Kazuhiro Kusahara, “The Mission, Vision and Strategy of EVRI for International Collaboration”. The First Joint Symposium on Education by Hong Kong Baptist University and Hiroshima University, Hong Kong. 16th-20th March, 2018."
・Jongsung Kim & Kazuhiro Kusahara, “Lesson Study as Democratic Professional Development: Comparative Case Study of Social Studies Lesson Study(SSLS) in Japan”. IDEC Educational Development Symposium “Lesson Study in Asia and Africa”, Hiroshima University, 6th April, 2017.
・草原和博「ICTを活用できる社会科教員の養成」,課題研究Ⅴ(課題研究・指定討論者),日本社会科教育学会全国研究大会第67回大会,千葉大学,2017年9月16日.
・草原和博ほか「私たちは如何にして社会科教育研究者としての責任を果たすべきかー個人史・社会史からみた研究者の変革的成長の過程を手がかりに-」,フォーラムE,全国社会科教育学会第66回全国大会,広島大学,2017年10月29日.
・草原和博 “The Impact of the Humanities and Social Sciences Discussing Germany and Japan”,広島大学・ドイツ研究振興協会(DFG)日本代表部共催公開サテライトシンポジウム ,広島大学,2017年11月15日.
・Kazuhiro Kusahara “How have the modern geography textbooks in Japan represented the world regions for building the Japanese citizen?”, The Center of Japanese Studies, Cairo University International Symposium, Cairo: Egypt, 22-23 September,2018.
・Jongsung Kim, Kazuhiro Kusahara, Hiromi Kawaguchi, and Mariko Komatsu “Beyond national context in peace education: Rethinking Hiroshima with multiple perspective”, The 98th NCSS Conference, International Assembly, Chicago: USA, November 31, 2018.
・Kim, J., Kusahara, K. Kawaguchi, H., & Komatsu, M. “Two students’ journeys of thinking about the notions of peace through the tragedy of Hiroshima: A comparative case study of the effect of students’ historical backgrounds on peace education”, Presentation to the 20th CiCea Conference, Warsaw, Poland.
・草原和博「社会科教育の立場から-IDM(Inquiry Design Model)を踏まえた検討-」日本カリキュラム学会,第29回大会課題研究Ⅲ「「見方・考え方」をどう捉えるか-資質・能力の育成と教科の本質の追求とをつなぐ-」,北海道教育大学旭川校,2018年7月1日.
・草原和博「教員養成学の前に私たちが行うべきこと-教師教育者としての専門性の確立,EdDの歴史を引き継ぐ-」平成30年度日本教育大学協会研究集会,パネルディスカッション「教員養成学の構築に向けて」,奈良教育大学,2018年10月12日.
・川口広美・大坂遊・草原和博「教師教育者に関する国際シンポジウム 第1部 話題提供 事例2『教師から教師教育者への移行にみられる非連続と連続ー日本のベテラン教師教育者の事例研究ー』」,武蔵大学,2018年12月8日.

【その他、報告書や翻訳等】
・草原和博ほか「平成29年版中学校新学習指導要領の展開 社会編」,共著.明治図書,224,72-77.
・草原和博・木下博義・松宮奈賀子・川合紀宗・三好美織・影山和也・川口広美・棚橋健治・山元隆春・間瀬茂夫・兼重昇・永田良太・岩田昌太郎・井戸川豊・吉田成章・森田愛子・桑山尚司・大坂遊・吉川友則「教育ヴィジョン研究センターの企画・運営戦略に関する研究(2)」,広島大学大学院教育学研究科共同研究プロジェクト報告書,16巻,pp.69-pp.76,2018年3月.
・竹下 俊治・草原 和博・間瀬 茂夫・森田 愛子・吉田 成章・米沢崇「ポートフォリオ評価を基軸とした,大学における教職課程の改革に関する研究」,広島大学大学院教育学研究科共同研究プロジェクト報告書,第16巻,pp.59-68,2018年3月.
・岩田 昌太郎・齊藤一彦・草原和博・川口広美「Becoming a Teacher Educator in Japan:教師教育者の力量形成に資するワークショップ型研修の効果とself-studyの観点から」,広島大学大学院教育学研究科共同研究プロジェクト報告書,第17巻.17-26.2019年3月.

研究テーマ・研究関心Research Concern

シティズンシップ
社会科教育,地理教育
カリキュラム研究
社会科教師の意思決定
教師教育者の専門性
教科教育学の研究方法論

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