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【EVRIの日常】(2024.12.05更新)

公開日:2024年12月03日 カテゴリー:EVRIの日常

 

広島大学大学院人間社会科学研究科「教育ヴィジョン研究センター(EVRI)」は、ホームページやフェイスブックなどでさまざまな活動を広報しています。
このたび、より多くの方々に興味をもっていただけるよう、新たな情報発信をしていくことといたしました。

その名も【EVRIの日常】シリーズです!!

EVRIではどんなことが行われているのかについて、スタッフがブログのかたちでお伝えしていきます。
現時点では、以下のようなことをお知らせしていく予定です。

【EVRIの日常】主要コンテンツ
・教育学部研究棟B101(EVRI内)での活動・会議の様子
・国内/国外から訪問された方々との交流の様子
・セミナーや広域交流学習型オンライン学習の準備
・ブラウンバッグランチョン(BBL)のウラ話
・EVRIや広島大学の写真

 

記事の一覧はこちら

 

更新日

タイトル

記事へのリンク

2024年1月25日(木) 「なぜブラウンバッグランチョン(BBL)で教科教育を考えたのか~教育研究推進員・𠮷田純太郎さんへのインタビュー~」
こちら
2024年2月9日(金) 「EVRI教育研究推進員の経験を今後どのように活かしていくか~教育研究推進員・小野創太さんへのインタビュー~」 こちら
2024年3月13日(水) 「EVRI新年会を開催しました!」 こちら
2024年5月7日(火)

「教育研究推進員の経験を大学講師のキャリアにどう活かしていくか〜両角遼平先生へのインタビュー〜」

こちら
2024年5月28日(火)

「EVRI全体オリエンテーションが行われました」

こちら
2024年6月21日(金)

「EVRI教育研究推進員の紹介①~小笠原愛美さん編~」

こちら
2024年6月25日(火)

「著作権に関する研修が行われました!!」

こちら
2024年7月16日(火)

「写真研修が行われました」

こちら
2024年8月7日(水)

大学教員と外部講師のコラボレーションが生み出す学びとは~教育研究推進員・田中崚斗さんへのインタビュー~

こちら
2024年9月10日(火)

「EVRI教育研究推進員の紹介②~高須明根さん編~」 

こちら
2024年9月25日(水)

「ブラウンバッグランチョン企画の裏側をお届けします!」

こちら
2024年11月12日(火)

「秋の広大キャンパス」

こちら
2024年12月5日(木)

「EVRI教育研究推進員の紹介③~松原信喜さん編~」

こちら

 

第1回:2024年1月25日(木)
「なぜブラウンバッグランチョン(BBL)で教科教育を考えたのか~教育研究推進員・𠮷田純太郎さんへのインタビュー~」

 

記念すべき第1回目は、EVRIにおける「研究」に焦点を当て、教育研究推進員としてご活躍されている𠮷田純太郎さんへインタビューを行いました。以下では、これまで𠮷田さんが開催されてきたブラウンバッグランチョン(BBL)と今後の展開についてお聞きしています。

松原:𠮷田さんはこれまで4回にわたって「なぜ教科を教えるのか・学ぶのか」をテーマとしてBBLを開催してこられましたが、このテーマを思いついた契機について教えていただけないでしょうか。

𠮷田:実はこのテーマは教科教育学研究においては古くから議論されているテーマになります。なので特段変わったことをやろうとしているわけではないですよね(笑)。
ただ、今の教科教育学は、「教科教育学」を標榜しながらも、実際には各科教育学の集合体にとどまっている、というのが僕の問題意識です。本当は一般教科教育学として成立してほしいのだけれど、実際には社会科教育学、国語科教育学、数学教育学等々の人たちが集まっているだけ、という現状に危機感を覚えています。
じゃあ教科教育学として体系を確立させるためにはどうすればよいかというと、他の教科がいったい何をやっているのかということをしっかり知る必要があると思っています。あと僕自身不勉強なので、国語とか、数学とか、理科とか、英語とか、そうした人たちが何を議論してきたのかを知らないし、おそらく他の人たちも知らないことがあるのではないかという思いもありました。
また、広島大学大学院人間社会科学研究科には、いろんな教科の研究をしている院生がたくさん集っていますから、他の院生がどんなことを研究しているのか共有する場を作りたいし、僕自身勉強したいという思いで、計4回のBBLを設定・計画したところです。

松原:なるほど。では実施した4回を振り返って、率直に感じた手応えやご感想を教えてもらえないでしょうか。

𠮷田:実はあらかじめ登壇者には3つお願いをしていて、「なぜ教科を教えるのか・学ぶのか」について、(1)行政 (2)教師・子ども (3)教科教育研究という3つの視点から整理して報告してほしいということを伝えていました。

大きな成果は2つあると思います。1つ目は各教科の特徴・個性が対照的に表れていたということです。先ほどお伝えしたように、登壇者に統一的なお願いをしていたために、各教科の違いがくっきりと浮かび上がったように思います。例えば体育について取り上げた回では、学習指導要領が目指すところと、体育科教育研究が目指すところとはかなり重なっているんだという旨をご報告いただきました。これは僕にとっては「目から鱗」でした。ほかにも、2023年9月22日に報告していただいた国語科と音楽科の違いも顕著であったと思われます。「話す・聞く・読む・書く」の4技能を後天的に定着させようとする国語科と、先天的に人間は音楽的な存在であるという考え方に依りながら、いかにして音楽を通じたコミュニケーションを行っていくかを探求する音楽科とでは、その性格が全く異なるということが明らかとなったところです。こうしたことはとっても大事だと思っていて、それぞれの教科の個性・特徴を尊重しながらも教科教育学を再編する、というのが今後の教育学研究に求められることだと思いますし、そのきっかけが得られたと実感しています。

2つ目の成果は、BBLの理念、つまり大学院生の「ヨコのつながり」を創ることが十分に達成できたというところになります。4回を振り返れば平均的に10名を超える参加者の皆様に集っていただけましたし、BBLが終了した後には参加者同士が交流して、ときには名刺交換をしている姿も見受けられました。「私はこんな研究をしているんです」とか、「私これまで体育を受けてきてこういうところに困ったんですがどうでしょうか」とか、そういったことをフランクに言い合える場を構築できたのは本当によかったと思っています。また、BBLに登壇した研究者や大学院生が今後の共同研究を生み出すきっかけを提供できていたらいいなと思います。なのでこれは野望ですけど、登壇してくれた方々と一緒に教科横断的な研究ができれば、BBLの成果として結実したといえるんじゃないかと思っています(笑)。

松原:今「野望」と言われていましたけども、2024年2月24日にはEVRI定例セミナーも控えておられますよね。今後の展望について教えてください。

𠮷田:BBLでやっていたのは、各教科の理念や目標について議論する回だったんですけれども、今度開催するセミナーはまたベクトルが少し違います。今度のセミナーは「複数教科の教員免許を取得した人に関する研究」をやります。いろんな教科にまたがって議論しようという試みです。私も数学と社会の免許を持っているのですが、このように複数教科の免許を取得した人たちがどのような教科観をもっているのか、ということ議論します。
現在、教員不足が深刻になるなかで、教員免許を取得していなくても「先生」になることができる時代がやってきていると思うんですね。例えば、特別免許状を与えたりとか、教科外免許担任制度とか。免許そのものの価値が揺らぎつつあるなかで、敢えて複数教科の免許を取った人たちを扱うことで、教科教育学研究の社会的責任を問えるのではないかと考えています。免許に関する研究は教育行政学でもやるのだけれど、そもそも免許を取得するためのカリキュラムはどうあるべきかという議論を行うことはおそらく私たちの役目だろうというふうに思っていますし、だからこそこれに取り組もうと考えています。また、各科教育学の集合体にとどまっている教科教育学を再編するという意味でも複数教科の免許を扱うことには意義があると思います。そして、教科教育学とは何なのか、どうあるべきかということを各教科を尊重しつつ議論していく、というのが僕の展望になっています。

高須:すでに大坂遊先生がSNSでセミナーの告知をしていて、特に教師教育系の方面から注目が集まっていますよね。私も期待しています。

(聞き手:松原信喜高須明根)

第2回:2024年2月9日(金)
「EVRI教育研究推進員の経験を今後どのように活かしていくか~教育研究推進員・小野創太さんへのインタビュー~」

第2回の記事は、EVRI教育研究推進員の小野創太さんへのインタビュー記事です。小野さんは、EVRIにて租税教育を担う教員の養成プロジェクトや、ブラウンバッグランチョン(BBL)の企画・運営を中心にご活躍されてきました。インタビューではこれまでの教育研究推進員としての経験や、ご自身の今後の展望についてお聞きしています。

高須:これまでの教育研究推進員としてのご経験で、特に印象に残っていることはどんなことでしょうか?

小野:租税教育のプロジェクトですね。教材研究からプロジェクトに関わり、講義の内容をどのようなものとするかについてすごく考えました。実際に税理士の方ともお会いし、どういうふうに授業に参加してもらおうか、ということをプロジェクト担当の川口広美先生と計画・議論しました。学外の方々とどのように関係を築き、どのように関わっていくかという点でも勉強させていただきましたね。
加えて、授業の内容を開催報告文としてホームページ(HP)に載せるときには、どんな内容が読んでもらいやすいのかについて考えました。研究論文を執筆するときは専門用語を使ってもよいけれど、HPに書くときにはそうはいかないよなとも思いつつ。そこは川口広美先生にも相談させていただきましたし、他の推進員の方々にも聞いたりもしていました。なので、「プロジェクトを発信する側としての視点」についても特に学ばせていただきましたね。

高須:一方でこれ以上できたらよかったと思う点はありましたか?

小野:うーん、そうですね。今回、教育研究推進員の𠮷田純太郎さんが複数教科の教員免許取得に関するセミナーを開催されますよね。そこについて僕はできてはないと思うんですよね。BBLの機会をいただけてそこでは開催したけれども、自分の研究関心と関連付けてそれを広くアウトリーチしていくっていうのはもう少しできたらよかったなと思います。セミナーに関して、今後担当させていただくっていうのは十分あり得るというか、ぜひそうしたいと望んでいます。特に「困難な歴史について教える」をトピックとしたセミナーは今後続けていく構想もあると金先生から聞いているので、ぜひやりたいですね。

高須:次は大学教員という立場になることと思いますが、ここでの経験をどんなかたちで生かしていきたいですか?

小野:ひとつは、EVRIにいたことでプロジェクトを内部からどのように動かしていくのかについて学んだということですね。先生方の動きからは資金面についても勉強になりましたし、また設備の面をどうするか、スタッフの配置をどうするかというのは、ここに居ないとわからなかったと思います。もし博士課程院生がプロジェクトをやろうとしても、それはすごく小規模なものになると思うんですよね。なのでなかなか個人でやろうと思っても限界があるかなと。なので、EVRIにいたからこそ学べたことだと感じています。
もう1点は、どのようにICTを活用するかということについてですね。大学での設備って限界もあると思いますし、いろいろなところに発信をしていくとなったときに、限定された設備でどうするかという問題になると思うんです。そのときに、同じ機器の操作や同じソフトウエアの操作でもいろいろなやり方があることを知ることができて、さまざまな可能性があるってことを教えてもらいましたね。今後研究者としてやっていくときに、成果を公にしていく場面でどのようにしたらよいのかに関して、本当に参考になる時間だったなと思います。

高須:最後に、EVRIに期待したいことやEVRIに対する思いはありますか?

小野:僕は主に全国社会科教育学会に参加しているんですけど、近しい人たちだけで集まっているのではないかなっていう問題意識が少しあるんですね。一方でEVRIの2024年2月4日の「困難な歴史を教える」セミナー(No.154)に出席してみて、ほんとうにいろいろな民間の方々が来られていたのに気が付いて。これは金先生のつながりだけではなくて、EVRIという拠点が周知されていることだと思うんです。そのとき、EVRIにはコミュニティを広げていける可能性や役割があるのではないかと思って。ほかのセミナーをみていてもそう思います。なので、研究と実践をつなげるコミュニティとしての可能性もすごくあるんだろうと感じています。そういった拠点として存在感が増すことでEVRIがますます発展していくんだろうと思います。

高須・松原:ありがとうございます。ぜひ今後もEVRIになにかしらのかたちで関わっていただければと思っております。

(聞き手:高須明根松原信喜

 

第3回:2024年3月13日(水)
「EVRI新年会を開催しました!」

EVRIでは、2024年明けに新年会を開催しました!このたびはその様子をお届けします。

 

上の写真は、準備をしている様子です。スタッフで協力しながら、サラダを盛り付けました。

 

 

そして、メインディッシュのお好み焼きをNICEプロジェクト研究員の川本さんが作ってくださいました!お店に負けない、むしろそれ以上のお好み焼きにスタッフ一同舌鼓を打ちました。筆者は既に川本さんのお好み焼きをもう一度食べたくてうずうずしています!

 

最後に、各スタッフが意気込みを述べて会は盛況のうちに終了しました。

今後は、このようなEVRIの様子をお伝えする記事を作成していく予定です。今後とも「EVRIの日常」記事を楽しみにお待ちください!

 

第4回:2024年5月7日(火)
「教育研究推進員の経験を大学講師のキャリアにどう活かしていくか〜両角遼平先生へのインタビュー〜」

今回の記事は、昨年度3月まで教育研究推進員として勤務いただいた両角遼平先生へのインタビューになります。両角先生は本年4月より福山大学で講師としてご活躍されています。インタビューでは教育研究推進員の経験を大学講師としてのキャリアにどう生かしていくのかについてお聞きしています。(以下、敬称略。)

高須:この1年間で特に印象に残っていることはどのようなことでしょうか?

両角:まずは、私が主に関わった広域交流型オンライン地域学習ですね。それまでも当日学校に行ったりとか、そういうところで当事業に関わらせていただくことはあったのですが、その運営側にまわったのは今回が初めてでした。

高須:運営に携わる中で大変だったことはありましたか?

両角:私が担当していたのが、学習に参加していただく企業の方と事前にやり取りをしていくことでした。アポイントメントをとったりですとか、当日の授業に向けてどんな準備をしていただきたいかをお伝えしたりとかですね。やはり企業の方は他の業務をやられている中で当事業に協力していただいているので、何を準備していただきたいのかを簡潔にお伝えしたり、時間が限られている中でどれほど準備をしていただけそうかをお尋ねしたりっていうところの工夫が必要でしたね。その点でいわゆる学生間でのやりとりや、大学の先生とのやりとりとは少々違った手続きを行う必要があったというのが苦労した点でもありましたし、私にとって学びとなった点でもありました。

高須:4月からは大学教員として働かれるということですが、教育研究推進員として学ぶことができて良かったと思う点はありますか。

両角:大きくは2点あるかなと思います。まずは、学外の方とどういうふうにコミュニケーションをとるのかという点について勉強させてもらいましたね。もちろん学内業務も大事なことではあるのですが、大学教員は地域・社会とつながりながら活動していく側面があると思いますので、そこに向けて貴重な機会を与えていただいたなというふうに思っています。もう1点は学内向けなのですが、教員としてどう学生と関わるかという点です。広域交流の業務では、私が運営側として参加してもらう学生スタッフに説明をするときに、どうしたらわかりやすく伝えることができるのか、どういうやりとりが必要なのかっていうのを、身をもって経験させてもらうことができましたね。学生同士ではない立場でどう学生と関わっていくのか、という点はここで得られた経験でした。

高須:最後に、私(高須)や松原のように教育研究推進員として勤続するスタッフに向けて伝えておきたいことはありますか。

両角:教育研究推進員とひとくちにいってもやっている業務がそれぞれなので、学んでいることもまたいろいろなことがあるんだろうなと感じています。私は広域交流型オンライン地域学習に関する業務に従事していましたが、広報を担当されている方々にはその方々なりのノウハウや身に付けていることがあるのだろうと思います。可能であればそれぞれの推進員が得ている学びを共有していったり、推進員同士のつながりを深めていったりすることを大切にしてもらえるとより大きな学びを得られると思いますし、これから推進員になられる方を迎え入れる態勢につながっていくのではないかなと思います。

高須・松原:私たちも両角さんと横のつながりを作ることができたので、4月以降もいろいろなところで関わっていけたら大変うれしいです。ありがとうございました。

聞き手(高須明根松原信喜

 

第5回:2024年5月28日(火)
「EVRI全体オリエンテーションが行われました」

第5回の記事では、EVRI全体オリエンテーションの様子をお届けします。EVRIでは、新年度の初めにスタッフ向けのオリエンテーションを行っています。この度のオリエンテーションでは、改めてEVRIがこれまでどのように変遷してきたかを振り返り、またどのような組織であるのかについてスタッフ間で共有されました。

初めに、本年度より新たにセンター長に就任された間瀬茂夫先生よりご挨拶を頂きました。間瀬先生はEVRIスタッフに対して「EVRIとは媒体(メディア)である」というご自身のEVRI観を伝えられました。情報発信の媒体として、教育者・実践者の媒介として、そし学校の実践者、教育行政、企業との出会いを生みだす媒体としてのEVRIの役割を強調されていました。

次に、草原和博先生より、EVRIの歴史やこれまでの取り組みの振り返りがなされました。大学全体のインキュベーション拠点としての活動を終え、現在は人間社会科学研究科の附属教育研究拠点としての活動を担っていることを確認し、これまで実施したさまざまなプロジェクトを今後も継続・発展させていく必要性を説明していただきました。最後に、大坂遊先生より、EVRIの広報に関する説明がなされました。いくら重要な活動を実施していても、その活動内容が多くの方に知られなければ発展させていくことが困難となります。そのため、広報する意義がどのような点にあるのかを再認識しつつ、具体的な方法についてレクチャーしていただきました。

 

今後も、このようなEVRIの様子をお伝えする記事を作成して参ります。
今後の記事もお楽しみに!!

 

第6回:2024年6月21日(金)
「EVRI教育研究推進員の紹介①~小笠原愛美さん編~」

 

高須:自己紹介をお願いします。
小笠原:小笠原愛美と申します。広島大学大学院人間社会科学研究科教育科学専攻教育学プログラム博士課程前期2年です。教育哲学を専門に研究しています。

高須:どんな経緯でEVRIを知りましたか。
小笠原:初めてEVRIの存在を知ったのは、広島大学学部2年生の時です。確か、チューターだった吉田成章先生のご紹介で、「ポストコロナの学校教育を考える」のセミナーにオンラインで参加させていただいたのがきっかけでした。その時は、広島大学にEVRIという組織があるという漠然とした程度の認知でした。その後、EVRIがどんなことをする組織なのか、といった詳しいことを知ったのは、教育研究推進員としてEVRIに勤めるようになってからです。

 

 

高須:入ってみてどうですか。
小笠原:一言で言うと、とても充実しています。教育研究推進員として、主に、広報業務、セミナー運営支援、運営会議運営支援、ブラウンバッグ・ランチョン企画運営支援に携わっています。広報業務では、HP掲載用記事の作成や写真の編集などを行い、構成力や文章力などが日々鍛えられています。セミナー運営支援では、運営支援を行うと同時に、国内外の最先端の研究事情に触れる貴重な機会を頂いています。運営会議運営支援では、EVRIに携わる様々な研究領域の先生方がEVRIの活動内容や今後について話し合われているのを間近に見ることを通して、EVRIという組織がまさに作られていくその瞬間に立ち会うことができています。また、ブラウンバッグ・ランチョン企画運営支援では、自身の専門(教育学)外のご専門で研究をされている先生方と繋がる機会などを頂いています。どれも、教育研究推進員としてEVRIに携わっているからこそ経験することができると思っていますし、こうした貴重な経験をさせていただいていることに、本当に感謝しています。

高須:今後の意気込みは。
小笠原:まずは、先程述べたような仕事をしっかりと丁寧に行っていきたいと思っています。その上で、まだ教育研究推進員として勤めて2か月程ということもあり、同じく教育研究推進員で、先輩である高須さんや松原さんの御手を借りながら頑張っているところですので、いずれ独り立ちできるように、お二方から多くを学び、吸収していきたいと思っています。

高須・松原:いつも助けられています。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

聞き手(高須明根松原信喜

第7回:2024年6月25日(火)
「著作権に関する研修が行われました!!」

 

EVRIでは、2024年6月20日(木)に、広報に関わる研修が行われました。今回は、本研修の様子をお伝えします。本研修は、EVRIにおいて広報活動を行っていくうえで留意すべき著作権および著作物の使用について確認することを目的としたものです。

はじめに、高須明根教育研究推進員より、著作権に関する法令の説明がなされました。法令で規定された著作物の定義や著作権の存続等に関して確認がなされました。

次に、宇ノ木啓太研究員より、実際に著作権についてどのような決まりがあるのかが説明されました。具体的には、いくつかのサイトや、EVRIのHP内で使用されているイラストやロゴを確認することを通して、著作物の使用における利用の方法や決まりがあることが確認されました。

次に、三井成宗特任助教より、授業における著作物の取り扱いに関する説明がなされました。具体的には、改正著作権法第35条運用指針についての動画を視聴することを通して、教育目的で使用したものを広報目的で使用する際の注意点について確認する必要が共有されました。

以上から、著作物に関する利用許諾や著作物の使用について注意すべき点や場面がスタッフ間で共有されました。今後もEVRIの日常では、EVRI内の前向きな取り組みをみなさまへ発信してまいります。

 

第8回:2024年7月16日(火)
「写真研修を行いました」

EVRIでは、2024年7月16日(火)に、写真研修を行いました。今回は、本研修の様子をお伝えします。本研修は、EVRIの広報で使用する写真の撮り方や選び方について確認することを目的としたものです。

本研修では、具体的に取り組む課題として、EVRIのFacebookで使用する「梅雨」を題材にした写真を得ることが目指されました。広報スタッフは、葉の雫、紫陽花、カタツムリ、雨、傘などの「梅雨」に相応しい写真の撮影を狙い、広島大学東広島キャンパス内を散策しました。

 

 

撮影時には、被写体の選び方や被写体に合わせた構図を意識することなどが確認されました。その上で、以下のような写真が撮影されました。

 

 

撮影した写真は、EVRIのFacebookで使用されています。是非、Facebookの方もご覧ください。

 

第9回:2024年8月7日(水)
「大学教員と外部講師のコラボレーションが生み出す学びとは~教育研究推進員・田中崚斗さんへのインタビュー~」

髙須:教育研究推進員として、田中さんはどのような役割を担っていましたか。 

田中:私が関わったのは、「租税教育を担う教員の養成プロジェクト」です。そこでは主に二つ役割がありました。一つ目は外部の講師の方、今回でいえば税理士さんと教員養成を担う川口広美先生とを繋ぐ役目です。税理士さんが伝えたいことと、川口先生が教員養成のカリキュラムで育成したい力や目標とをうまく擦り合わせるためにはどうすれば良いのかと考えていました。具体的には税理士さんから頂いた資料の活用について、川口先生と次の授業にどう活かしていくのかについて検討してきました。 

二つ目は社会発信です。外部の講師を招いての教員養成自体がかなり珍しいもので、どういう授業なのか、学生がどのように取り組みそれによってどう変わっていったのか、ということについては外からは見えづらいと思います。そのため、成果報告の記事を書く際には、できるだけ授業での学生の様子がわかるように心がけていました。外部講師の方にこういう質問をした、といったことや外部講師に来ていただいた前と後で学生の学びがどのように変化していったのかを文章や写真でできるだけわかりやすく伝えるようにしていました。 

髙須:プロジェクトに関わって、学んだことは何ですか。 

田中:教育研究推進員として学んだことは二つあります。一つは、外部の講師とコラボレーションする意義を改めて認識しました。税の制度や歴史に関して社会科を専門とする我々よりも詳しく、そして小中高の学生や大学生に向けて長年授業をしてきたノウハウのある税理士さんと一緒に、どのようにすれば学生たちが「税」に対する理解を深めることができるのか考えてきました。このコラボレーションがあったからこそ、学生たちの学びにつながっていったのかなと思います。 

もう一つは社会発信をしていく中で、学生たちの様子が変わったなと実感しました。専門的な外部の講師が教員養成の場に来てくれたことで教材研究の質も変わりましたし、コラボレーションしたからこそ手に取ってくれたであろう本や、身に付けたであろう知識があったかと思います。そういう意味では、自分もいつか大学教員になった時には、積極的に外部の講師とコラボレーションしながら教員養成していきたいなと思いますし、そのような形で学生たちの学びに貢献したいです。 

 

 

髙須:今回の経験について、誰にどのようなことを伝えたいですか。 

田中:まずは、学校や大学の先生方に対して伝えたいことがあります。繰り返しになるのですが、とりわけ社会科の授業において専門的な外部の講師とコラボレーションするというのは必要だと感じましたし、私自身もやっていきたいなと思いました。ぜひとも小中高の先生方や大学においても積極的にやっていただければなと思っています。 

素朴なことを言いますが、本当に学生たちが変わるんですよ。学生たちが変わるだけじゃなく、自分自身や先生方も変わっていったと思います。今までになかった気づきやそれまでの考えが変わっていきました。それは、川口先生と税理士さんを繋いでいく中でも、川口先生が授業の目標に向かって学んでいる姿を目の当たりにして自身も成長していくのを実感しました。自分自身や先生方の成長という部分と、学生の成長という二つの側面でコラボレーションする意義があるのかなと思いました。 

また、自分が学部生の頃にもこんな授業を受けたかったなと思いました。外部の講師に来ていただいて行う授業というのは、ほんとに稀なことだと思います。普段の生活のなかで、関わることが少ない、あっても深くかかわれないような先生方に来ていただいて、そこでの専門的な知識やノウハウを経験し、学ばせてもらうのは貴重な機会です。学生たちには、今後の教員養成や実習に行ったり学校現場で働いたりといった部分で、今回の学びを有効活用して欲しいなというふうに思います。

(聞き手:高須明根

 

 

第10回:2024年9月10日(火)
「EVRI教育研究推進員の紹介②~高須明根さん編~」

今回の記事は、教育研究推進員としてEVRIに勤務している高須明根さんへのインタビューです。高須さんは、広島大学人間社会科学研究科の博士課程後期3年生です。

小笠原:大学院生として、普段どのように過ごしていらっしゃるか教えてください。

髙須:大学院生としては、研究以外の面でいうとTAや研究室運営に関わる業務をこなしたりしています。TAは、「道徳教育指導法」や「教育哲学Ⅰ・Ⅱ」というものを担当していて、大学院で開講されている「教職課程担当教員養成プログラム」とも連動し、いくつかのコマの授業を担当することもあります。学外で非常勤などを担当していないので、このような機会に大学生相手に授業ができるのは良い経験になっています。
研究の面でいえば、個人研究に関するものと共同研究に関するものに分けることができます。私が専門とする教育哲学は個人で進めていくことが多く、特定の思想家に着目しその思想を史料等用いながら明らかにしていく研究や、あるテーマのもと教育学だけではなく社会学や政治学などの理論も参照し自身の主張を展開していく研究があったりします。私は後者に分類される研究を進めていて、政治理論や政治哲学に関する文献を読むことが多いです。今年が博士課程後期3年なので、博士論文の提出に向けて奮闘しているという状況です。もう一つ、大学院同期の友人たちと在外教育施設である日本人学校に着目して共同研究を進めています。民間企業や学会から研究助成金をいただいて、学会でラウンドテーブルを開催したり、発表したりしています。個人で研究を進めていると視野が狭くなってしまうことも多いですが、共同研究をすることでさまざまな視点を獲得することができています。

小笠原:大学院生として過ごしつつ教育研究推進員としての仕事もされているかと思いますが、やりがいや学んだことなどあったりしましたか。

髙須:大学院生としての生活は、やはり学生であるという側面が強く、先生方にメールを送ったり、何かを企画して運営するという実務的な作業が苦手というか経験が不足していることが多々あるかと思います。その点、教育研究推進員として、セミナーに関わる連絡等をおこなったり、ブラウンバッグランチョンを企画して運営するという経験をさせていただいて学んだことは多くあります。最近、国際学会や全国規模の学会に参加することがあったのですが、学会に向けての準備や、当日どのように運営をおこなったりしているのかに目が向いてしまっています。国際学会では、宗教的な観点から提供する食事にも気を使う必要がありますし、全国規模の学会でもイレギュラーが生じてもなんとか対応してく必要があったりします。会場校のレイアウト、移動するための導線、人員の配置など自分だったらどうするかなと考えたりします。そのような視点を得ることができたのはEVRIで働くことができているからだと思いますし、これまでなんとなく参加していた学会が多くの方々の尽力によって成り立っていることがわかってから、準備をしてくださっている方への感謝を忘れないようにしています。

 

小笠原:そのほか、EVRIの魅力を教えてください。

髙須:やはり、EVRIには大学院生を育てるという側面がしっかりと根付いており、先生方とつながる機会を提供していただいたり、何かを企画して運営するための準備に関わるタスクの管理などを学ぶことができています。このような力は、研究でも発揮することができていて、タスク管理に関しては本当にこれまで自分ができていなかったことが多々あったなと反省するとともに改善していくことができました。また、「教師教育者のためのプロフェッショナル・ディベロップメント講座(PD講座)」に関わらせていただいていることから、そのような履修証明プログラムを用意することの意義、そしてその情報発信の大切さを実感しています。フェイスブック等で広報することで、そのような履修証明プログラムがあることを認知していただいていることを知り、ただ企画・運営だけをおこなうのではなく広く活動内容を発信することの重要性に気づくことができました。今後研究者となった場合は、そのような広報にも力を入れていきたいと思います。

(聞き手:小笠原愛美

 

第11回:2024年9月25日(水)
「ブラウンバッグランチョン企画の裏側をお届けします!」

第11回の記事では、ブラウンバッグランチョンの裏側をお届けします。EVRIでは、企画者によるテーマのもと昼食をとりながら交流するブラウンバッグランチョンを企画しています。9月18日(水)には、その夏休み特別企画として、30分拡大版ブラウンバッグランチョンが行われました。(当日の様子はこちらからご覧ください。)
ところで、ブラウンバッグランチョンは、誰がどのような準備をし、どのように運営を行っているのでしょうか。今回の記事では、教育研究推進員の動きに着目して、その様子をお伝えします。

まず、ブラウンバッグランチョン開始前には会場設営を行います。参加者同士での議論を重視したい、講義形式で行いたい、といった企画者の意図に沿って、参加者が座る椅子の向きや配置を決めます。企画者が資料掲載を行うための大型掲示装置やその他機器の準備を行います。また、企画者や参加者にお出しするコーヒーの準備も行います。さらに、開催後に掲載する報告記事で使用する写真を撮影するために、画角の調整を行います。

 

ブラウンバッグランチョン中は、企画者の発表をサポートします。加えて、開催報告記事のための写真を撮影し、記事の下書きを作成します。そのため、ブラウンバッグランチョン中教育研究推進員は、写真撮影係、記事下書き係など、各々の係に従事します。
もちろん、企画者の興味深い発表や参加者間で行われる議論、企画者と参加者間の質疑応答のやり取りにも参加させていただきます。また、今回のブラウンバッグランチョンでは、企画者である高須明根教育研究推進員による日本型学校教育の展開についての発表に関して、教育行政学、教育哲学、幼児教育学、社会認識教育学などの様々な分野の参加者から興味深い意見や質問がありました。着目する観点や使用する言葉、そもそもの考え方の前提の違いなどを踏まえながら自らの意見を述べる、貴重でとても勉強になる機会を得ています。

 

ブラウンバッグランチョン後は、企画者や参加者と歓談します。こうした歓談などがきっかけで、新たなネットワークややり取りが生まれています。また、撮影した写真を選定・編集し、記事の下書きを踏まえて開催報告記事を作成します。出来上がった記事を、是非ご覧ください。

(文責:小笠原愛美松原信喜

 

第12回:2024年11月12日
「秋の広大キャンパス」

 


第12回は、秋づいてきた広島大学キャンパス内の様子をお届けしたいと思います。
東広島キャンパスは季節ごとに違う景色を見せてくれますが、この時期は大変過ごしやすい気温のもともみじやイチョウが綺麗に咲いています。自然豊かなキャンパスの中でも特に、工学部近くの通りは圧巻の景色です。写真を撮った日は天気も良く、散歩するには最適の環境でした。

修士論文や博士論文を執筆しているスタッフも、少し散策する時間もとりながら息抜きをする必要があると感じます。
夕方はかなり冷え込んでしまいますので、皆さんも体調に気をつけながらお過ごしください。

 

(文責:髙須明根

 

第13回:12月5日(木)
「EVRI教育研究推進員の紹介③~松原信喜さん編~」

今回の記事は、教育研究推進員としてEVRIに勤務している松原信喜さんへのインタビューです。
松原さんは、広島大学人間社会科学研究科の博士課程前期2年生(教育学プログラム・教育行財政学)です。

小笠原:大学院生として、普段どのように過ごしていらっしゃるか教えてください。

松原:「すべての子どもたちに社会・政治に興味をもてるような教育を届けたい」という思いから、アメリカ・マサチューセッツ州における市民性教育について、教育行政学・教育制度学の切り口から研究を進めています。具体的には、子どもたちが社会や政治に関わる知識を学んだ後、実際に地域コミュニティに出て社会問題の解決を目指す論争的な実践(=生徒主体の非党派的シヴィックス・プロジェクト/アクション・シヴィックス)が、なぜ・どのように成立しているのかについて、教育制度改革・政策形成過程・政策実施過程それぞれを対象に分析を進めています。

よく、「系統主義と経験主義」みたいなことをいいますが、個人的には「知識」がベースにあったうえで「経験・体験」しないと、社会・政治になかなか興味は湧かない気がしていて。そういった教育はどんな条件が満たされれば可能なのか、どう整備していったらいいのか、実際にそんな実践があったとしたら子どもたちはどう思うのか、そういったことに関心があって、必死にマサチューセッツから学ぼうとしています。修士論文では、実践を充実させるための特別補助金制度の運用までしか扱えなさそうなのですが、博士論文では「どうにか市民性教育を充実させるんだ!という現地の方々の燃えるような思いを描き出しつつ、その実践を子どもたちが実際にどう受け止めたのか」までを明らかにするような、包括的な市民性教育の政策研究ができたらいいな、なんて野望もあったりします(笑)。

小笠原:大学院生として過ごしつつ教育研究推進員としての仕事もされているかと思いますが、やりがいや学んだことなどあったりしましたか。

松原:先日のインタビューで高須さんもおっしゃっていたのですが、普通の大学院生だと事務連絡のために先生方にメールを送ったり、会議に参加したり、セミナーを運営したり、機器を操作したりという実務的な作業の経験はなかなか積めないと思うんですよね。そうした経験をしていないなか、仮に大学教員になれたとしたら、いきなり実務をやる必要がでてくる。いきなりは、なかなかできないと思うんですよね。その点、教育研究推進員として、さっきいったような実務を行っていると、例えば修論の公開審査会でも、学内のイベントでも、「ああ事前にこんな用意をしたんだろうな」っていうのが想像できるんですよね。将来、大学教員を目指している私にとっては、とても貴重なトレーニングになっています。

小笠原:そのほか、EVRIの魅力を教えてください。

松原:EVRIを「ハブ」としていろいろな人に出会えるという点はとても大きいと思います。例を挙げると読書会を通じた学際的なつながりを魅力に感じています。シティズンシップ概念について理解を深めようと、EVRIを通じて知り合った教育哲学や教育方法学、社会科教育学の先輩方との読書会に参加させていただいています。自分になかった見方や考え方に触れる機会をなっており、自分の対象に対する見方が相対化されています。さまざまな出自の方々と出会える、というのもEVRIの魅力だと思っています。例えばブラウンバッグランチョンは所属研究室や所属プログラムをまたいで、いろんな人同士がつながる場となっていると思うので、今後とも多くのみなさまに参加してもらえるよう、工夫していきたいですね。

小笠原:たしかに知恵を出し合っていきたいですね!

(聞き手:小笠原愛美

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