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▶2024年1月20日 公開  ▶2024年6月20日 最終更新

プログラムの詳細や受講のお申込みは,

下記のページからお願いいたします。

https://www.hiroshima-u.ac.jp/gshs/risyu_syomei

※令和6年度の募集は終了いたしました。ありがとうございました。

Introductionはじめに

 

プロジェクトの概要

本ページでは,広島大学教育ヴィジョン研究センター(EVRI)が主催する履修証明プログラムである「教師教育者のためのプロフェッショナルディベロップメント講座」について紹介します。

事業概要
●事業テーマ  :教師教育者のためのプロフェッショナルディベロップメント講座
●事業目的・内容:教師教育の実践に携わっている先生方=教師教育者を対象に,1年間(計60時間)をかけて教員養成・研修の改善と研究能力の向上,そして教師教育者のコミュニティづくりを支援すること。

以下,トピックごとに記載しています。
関心のある項目をクリックしてご覧ください。


講座開設の経緯(クリックすると閉じます)

近年,教師教育や教員養成の世界では,「教師教育者(Teacher Educator)」という概念が注目されています。「教師教育者」には,教員養成に携わる大学教員のみならず,教育委員会の指導主事や学校現場の管理職,同僚教師など,教師の成長に影響を与える幅広い立場の人も含まれています。「教師教育者」は,「教師を育てる研究者」や「元(ベテランの)教師」といった単なる職歴や専門領域を備えているだけではなく,教師の力量形成を支援する存在としての特別な専門性(professionality)や信念(identity)が必要であるとされています。このことから,世界中で教師教育者についての研究が行われ,教師教育者の専門性開発のあり方が議論されています。

広島大学教育ヴィジョン研究センター(EVRI)は,設立当初から教師教育者に関する研究を行っています。これまで,日本国内外の学校や機関と連携しながら,「教師教育者とは誰なのか」「教師教育者とはどのような専門性をもつ存在なのか」「教師教育者が専門性を高めるためには何をすればよいのか」といったテーマについて,教師教育者の専門性に関する研究や実践を重ねてきました(「教師教育・授業研究」ユニットの特設ページもご参照ください)。

これまでのEVRIが行ってきた取り組みをさらに発展させるべく,2021年度4月より,EVRIは広島大学が社会人向けに開講している「履修証明プログラム※」の1つとして,「教師教育者のためのプロフェッショナル・ディベロップメント講座」を開設しています。

※「履修証明プログラム」…学校教育法施行規則で定められた,体系的な知識・技術等の習得を目指した社会人向け教育プログラムのこと。制度についての詳細は,文部科学省のこちらのページを参照。広島大学で開講されているプログラムについては,こちらのページを参照。


講座の概要(クリックすると閉じます)

若手教員や教育実習生の指導,および校内研修の企画・運営などに関わっている先生方を対象とした有料の講座です。1年間(計80時間)をかけて,EVRIが受講者の教員養成・研修の改善と研究能力の向上,そして教師教育者のコミュニティづくりを支援していきます。修了者には,学校教育法に基づく「履修証明書」を発行します。

受講をお勧めしたいのは,次のようなニーズをお持ちの先生方です。

  • (現職の教員として)実習生の指導や若手教員の育て方について学び,研究したい。
  • (研修担当者として)実習指導・授業研究の理念や方法について学び,研究したい。
  • (大学教員として)教職志望学生のためのカリキュラムや指導法について研究したい。
  • 教師教育の研究者として必要な,学術論文の読み解き方や資料の探し方を実践的に学びたい。
  • 教師教育に関する研究業績を積み重ねたい!そのために,学術論文の執筆に携わりたい。
  • 将来大学院に進学して教育学に関する最新の研究成果を学びたい!その準備をしたい。

プログラムの詳細や申し込み方法についてはこちらのリンク先,ならびに以下の案内用チラシ(PDF)をご参照下さい。

 

講座全体で,「オンライン講習」「共同研究・論文執筆」の2つが連動する形で進行していきます。
希望者には,任意で草原教授の提供する教師教育に関する大学院授業の情報提供も行います。
実施計画は,以下のようなイメージとなっています。

2024PD講座全体の流れイメージ図のサムネイル


オンライン講座の実施計画(クリックすると閉じます)

オンライン講習の実施日程

実施日程は調整中ですが,5月から翌1月まで,毎月1回を原則として計10回実施予定です。
講習は1回2時間で,休日や祝日などの参加しやすい日程で開催します。
講習終了後,2週間を目処に,その講習回に応じた課題を提出していただきます。

【実施日程(暫定)】
第1回:2024年5月12日(日)※変更しました。
第2回:2024年6月15日(土)
第3回:2024年7月20日(土)
第4回:2024年8月3日(土)
第5回:2024年8月24日(土)
第6回:2024年9月28日(土)
第7回:2024年10月19日(土)※変更しました。
第8回:2024年11月23日(土)
第9回:2024年12月21日(土)
第10回:2025年1月11日(土)

 


2024年度広島大学の授業カレンダー(クリックすると閉じます)

画像をクリックすると,広島大学の学年暦(授業スケジュール)掲載ページに遷移します。

 


オンライン講習の実施報告(クリックする閉じます)

受講者が聴講している,草原担当の大学院授業科目「教職課程・現職研修カリキュラムデザイン基礎研究」「教職課程・現職研修カリキュラムデザイン発展研究」の実施報告については,草原教授の個人HPにて公開する予定です。

基本的にはZoomによるオンラインの形で講習を行っていきます。以下,各回の講習の概要を報告していきます(随時更新)。

【第1回:2024年5月12日(日)14:00~16:00】

月1回の講習が始まりました。今年度は9名の受講者が全国各地からオンラインで集まりました(今回は1名欠席のため,8名が参加)。

はじめに,講座の参加者全員の簡単な自己紹介が行われました。受講者は,同じ教師教育に携わる立場でありながら,初等中等学校,高等教育機関,教育行政,教育系法人など,様々な機関に所属されている方が集まっています。受講者に加えて,運営をサポートしたり共同研究を遂行するスタッフが多く加わり,共に講座を進めていくことが確認されました。

続いて,大坂教育研究推進員より講座全体についてのオリエンテーションが行われました。講座の目的や履修証明プログラムの概要,講座で活用するMicrosoft Teamsなどのアプリケーションの使い方,毎月のオンライン講習の展開と各回の学習課題などの基本事項を確認しました。特に本年度の講座では,毎月開催される2時間の講習とは別に,共同研究グループを組織して定期的に集まる必要があることや,最終的に研究成果を学術論文として提出する点に特徴があるということが強調されました。

休憩を挟んで,後半ではアイスブレイクと自己紹介を兼ねた,教師教育者としての専門性開発研修の体験を行いました。アクティビティのテーマは,「教師教育者としての”転機”や”契機(きっかけ)”を絵にして共有する」というものです。受講者に教師教育者としての私へと転換していった契機を踏まえながら自己紹介をしてもらいました。初めに草原先生からこの活動の意義や背景になっている実践の解説がありました。その後、受講者個人にワークの時間を設け、個人の経験を転換の契機という観点から一枚の紙にまとめてもらいました。全体で自己紹介を共有しながら、主に教師としてのこれまでの歩みを辿り、どのように教師教育者になっていったのかについて、多種多様に語られていました。この自己紹介を通して、教師教育者としてどのような課題意識があるのかが全体で確認されました。

受講者からの自己紹介が一通り終わった後,草原教授よりこのワークのまとめがありました。自らのこれまでの教師や教師教育者としての歩みをメタ認知することや,自らが教師教育者であるというアイデンティティを改めて自己認知すること,そしてそれらを他者との相互作用の中でさらに深めていくことの重要性が共有されました。このことが強調される背景には,他の専門職と異なり教師教育者は自らの意思ではなく外的要因で教師教育者に”なってしまう”ことが多いため,自らを教師教育者であるとアイデンティファイしづらい専門職であるということが確認されました。

今年度は9名という非常に多くの受講者がおり,なかなか深く交流することが難しかったのですが,全員の経歴や関心を知ることができました。スタッフも作品づくりを行ったのですが,講習外での共有となりました。次回以降,徐々に互いの問題関心をすり合わせる作業を行っていきたいです。

(金弘・大坂)

 

【第2回:2024年6月15日(土)14:00~16:00】

今回は前回欠席されていた1名を加えた受講生9名全員がオンラインで集合しました。

はじめに,大坂教育研究推進員より本日の講習の流れが説明されました。本日の講習では,①教師教育の研究と実践における重要な概念について理解を深めること,②過去のPD講座の研究成果論文を分析・参照して自身が取り組みたい教師教育の研究を構想すること,の2点を目指します。

今回からは,①本日の講習の目標確認や大学院科目での学びを共有する「導入パート」,②教師教育に関する理論や研究方法について学習する「講義パート」,③グループに分かれて教師教育に関するワークショップや共同研究を推進する「演習パート」,の3本柱で講習を展開していきます。

「導入パート」では,近況報告や大学院科目に関する感想などが参加者間で共有されました。草原教授の担当する大学院科目「教職課程・現職研修カリキュラムデザイン基礎研究」では,授業の冒頭で駆け出しの教師教育者(大学教員)から「直近1週間以内に起こった教師教育に関する印象的な出来事」を語ってもらう時間を設けています。この”帯企画”に関心をもった受講生から,なぜそのような時間を設けているのか質問がなされ,草原教授から意図開示がなされました。他にも,草原教授はEVRIでは頻繁に教師教育に関するセミナーが開催されていることを紹介しながら,ぜひこのようなセミナーに参加することを通して教師教育者コミュニティに参画してほしいという期待も説明していました。

「講義パート」では,あらかじめ課題として提示された教師教育に関する3つの論文(岩田ほか2018原田ほか編2017:281-290大坂ほか2020)を参照し,受講者が「教師教育者」「移行」「同型性」という概念について自身が理解した内容を報告しました。発表とその後のディスカッションを通して,教師教育者は,①大学を基盤とするアカデミックな教師教育者,②専門機関を基盤とするプロフェッショナルな教師教育者,③学校を基盤とするプロフェッショナルな教師教育者,という3種類に大別できること,今回の受講者は①~③のそれぞれの教師教育者がバランスよく集まっていることなどを確認しました。他にも,「導入パート」で触れられた駆け出しの教師教育者に省察する機会を設けているのは「移行」を支援することも意識しており,PD講座も「移行」支援のあり方の一つに位置づけられること,教師教育者が教師にとって望ましい教師のヴィジョンと指導を体現したロールモデルとしての役割を期待される一方で,そこには困難さもある現実を踏まえながら「同型性」の意味を考えました。

「演習パート」では,昨年度のPD講座成果論文を題材に,学術論文の読み解き方の修得と読み取った結果の共有,そして自らの研究関心等についてメタ認知するアクティビティを行いました。活動を通して,学術論文には「研究上の主要な問いは何か?」「データはどのように集めたのか?」といった学術的な読み方と,「納得したところ、不満なところは?」「結果や示唆に共感できるか否か?」といった鑑賞的な読み方などがあり,論文は目的に応じた読み解き方が必要であることを確認しました。受講生からは,「(昨年度の論文で題材となったような)自己の教師教育実践や葛藤を他者に向けて発信することの意義とリスクを考えた」「教師教育実践の”発信”ができるかどうかは,所属機関の状況や職務・職責などの文脈に大きく依存するのではないか」「校内研修をデザインするためには,学校ベースの教師教育者としてどのような力量形成が必要なのか考える必要があると認識した」といった意見が出されました。

9名の受講者が発表することになり,「講義パート」の議論は非常に充実したものとなった一方で,「演習パート」の活動に割く時間が限られてしまったのが運営の反省点です。課題となる読むべき文献に加えて参考文献などもあわせて紹介するなど,講習外でも受講者の方々に学術論文に触れていただき,自らの問題関心がクリアになるよう支援していきたいと思います。

(髙須・大坂)


お問い合わせが多い事項をQ&Aにまとめました。(クリックすると閉じます)

「教師教育者のためのプロフェッショナル・ディベロップメント講座」に関するQ&A

  • 自分が受講する資格があるのか,受講しても最後まで継続できるのか不安なのですが,何か目安になるものはありますか?
    こちらのページの「履修資格」を満たしている方であれば,どなたでもご応募いただけます。ただ,R6年度は受講者の上限を5名程度としており,大学院の授業科目の履修や論文の執筆といった専門的なワークもありますので,不安な方は事前に担当者までご相談ください。昨年度のプログラムの活動報告ページも,ぜひご一読ください。
  • 受講希望者が多数の場合,どのような基準で選考されるのですか?
    応募者多数の場合は,教師教育を中心とした研究業績や,教師教育の実務経験等を考慮して履修者を決定します
  • 受講した場合,必ず研究と学術論文の執筆を行わないといけませんか?研究するのではなく,純粋に教師教育についての理論や知見を吸収したいのですが…。
    はい,この講座の参加にあたっては,共同研究への参加と学術論文の執筆が必須となりますもちろん,研究と論文執筆は講座担当教員とスタッフがサポートします。これらの活動への参加が難しい,純粋に教師教育についての勉強がしたいという場合は,EVRIの提供する教師教育に関連するセミナーに参加したり,科目等履修生として草原教授が担当する大学院科目を受講されるといった方法をご検討ください。
  • 研究活動は,具体的にどのくらいの時間・日数をかけるのですか?
    →研究テーマにもよりますが,過去の経験に基づくと,最低でも50時間~80時間程度,日数にして丸10日程度は研究活動に費やす必要があるとお考えください
    →研究活動の内訳は以下のようなイメージです。土日等の休日に時間的な余裕がない方の受講はおすすめしません
    – 先行研究の整理,RQや方法の確定,分析枠組みの確定・・・10時間以上
    – 聞き取り調査の準備,質問紙項目の作成,データ収集・・・10時間以上
    – データの分析と解釈,示唆についての議論・・・10時間以上
    – 論文の執筆(草稿作成→推敲→提出→校正)・・・20時間以上
  • 昨年度まで必須だった大学院の授業科目は,今年は受講できないのですが?
    必須ではありませんが,情報提供は可能です講座の受講者は,草原教授が担当する大学院の前期科目「教職課程・現職研修カリキュラムデザイン基礎研究」と後期科目「教職課程・現職研修カリキュラムデザイン発展研究」を録画映像等を通して学ぶ機会を提供いたします。
  • 講習は,対面で受講する必要がありますか?遠方なので広島大学での受講が難しいのですが…
    必ずしも対面で受講いただく必要はありません講習は原則としてビデオ会議システム(Zoom)を活用し,すべてオンラインで開催する予定です。毎月1回のペースで土曜日または日曜日の午後に実施します。
  • 大学院の授業科目を正規に「履修(単位修得)」したい場合はどうすればいいですか?
    広島大学の科目等履修生に登録する必要があります。その場合,講座受講料とは別に,検定料や入学金や授業料等の追加の費用負担が必要となります(登録は2月末締め切り)将来的に大学院進学を想定されている場合,科目等履修生として事前に手続きをされることをお勧めします。科目等履修生として修得した単位は,大学院に入学後に修了単位に含めることができる場合があります。詳しいことは,下記の問い合わせ先にお尋ねください。
    ・広島大学 教育学系総括支援室(大学院課程担当)
    〒739-8524 東広島市鏡山1-1-1  TEL:082-424-3706
    E-mail:kyoiku-in■office.hiroshima-u.ac.jp ※■は半角@に置き換えてください。
  • 講座で参加できなかった回の補講などを受けることはできますか?
    可能ですが,講習には原則としてオンタイム(リアルタイム)での参加をお願いいたします。勤務の都合などでやむを得ず講座に参加できなかった場合は,オンデマンド(非同期オンライン)で欠席回の内容を補完していただきます。
  • 履修申請手続きの中に「履修資格を証明するもの」とありますが,これはどのようなものを提出すればいいのでしょうか?
    →前職を証明する書類(辞令等),あるいは現職を証明する書類(辞令,職員証等)の写しをご提出頂くことになります。
  • 休職などで現職を一時的に離れていても受講可能でしょうか?
    受講可能です申請時には「履修資格を証明するもの」として休職辞令のコピーなどをご提出ください。

 


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私たちEVRIは、EVRIの掲げるミッションとヴィジョンを達成するために、共同事業、共同研究、受託研究および講演等をお引き受けいたします。
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