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0. はじめにPELSTEとは

2020年1月、教育ヴィジョン研究センター(EVRI)は,INEI加盟を記念して,また東アジアにおける教育学研究の拠点として,INEI加盟大学の研究者と連携を深める「Peace Education and Lesson Study for Teacher Educator 2020(略称:PELSTE2020)」を企画しました。これは、広島大学が強みとする「平和教育」と「授業研究」,そして「教師教育者の養成」に焦点をあててその成果を世界に発信する取組です。

翌2021年3月には,INEI加盟大学とのさらなる連携・交流を深める特別プログラム 「PELSTE2021」をオンラインで開催しました。PELSTE2021は,広島大学が「平和教育」と「授業研究」の国際的な(東アジアの)拠点として発展し広く認知されるように,海外の研究者に研究・教育の動向に関する最新情報の提供と研究交流のプラットフォームを提供すること,また参加者間の共同研究の芽を形成するとともに,次回PELSTE2022への関心と参加意欲を醸成し,3年後のINEI年次総会・広島開催に向けての地ならしとすることを目的として開催されました。加盟大学から推薦された若手研究者6名(アメリカ,ブラジル,カナダ,シンガポール,韓国の各加盟大学から推薦)が,EVRIが提供した事前研修教材を参考に,調査・研究してきた成果を発信しました。また,これからの「平和教育」と「授業研究」のあり方を国際的な視野から提案し,参加者と意見交換しました。

2022年度も,INEI加盟大学事業として「PELSTE2022」をオンラインで開催します。PELSTE2022は,授業研究(Lesson Study)に焦点を当てた企画となる予定です。このページでは,PELSTE2022の開催案内や資料の掲載,および成果の報告を発信していきます。

 

ご挨拶草原和博教授(EVRIセンター長)

パンデミックが続く中、PELSTE2022をオンラインで開催できることを大変光栄に思います。

PELSTEは、日本の象徴的な場所である広島で、平和教育や授業研究の目的を研究者が一堂に会して熟考することを目的に設立されました。

広島は、平和教育や授業研究を調査するための資料の宝庫です。
PELSTE2020では、訪問、観察、インタビュー、参加者とのディスカッションを通して、これらの資料をより深く理解することができました。パンデミック下でのPELSTE2021では、これらの活動の代わりに、様々な間接的な体験型メディアを提供しました。PELSTE2022では、過去のPELSTEに参加した研究者の授業研究の実践と成果を共有する機会を提供したいと思います。

広島は、平和への探求とレッスン・スタディの交差点です。
世界中の若い研究者たちが、オンライン・ダイアログを通じて、教育における「平和」についての考えを交換し、それぞれの文化的文脈や学問的ビジョンから「授業」を研究・調査する方法論を共有することを期待しています。

広島は、革新的な平和教育と授業研究のためのインキュベーションの場です。 PELSTE2022をきっかけに、多くの研究者が広島を訪れ、広島大学の先生方との連携が強化され、共同研究のためのアイデア交換がさらに進むことを期待しています。

PELSTE 2022へのご参加を心よりお待ちしております。オンラインでお会いできることを楽しみにしています。

広島大学教育ヴィジョン研究センター長 草原和博



Program Information

 

 EVRI-HU PELSTE 2022 Localizing Lesson Study:
The Cases of America, Brazil and India

目的
新たな文脈で授業研究を実践した3人の教師教育者の事例を通して、教師教育における授業研究の可能性を検討するとともに、授業研究のローカライゼーションに必要な要素を考えます

■ 日時
2022年2月5日(土曜日)22:00-24:00

February 5, 2022 (Saturday); 22-24 (Japan); 21-23 (Singapore); 13-15 (London); 10-12 (Sao Paulo); 7-9 (Madison)
*Please register by 6:00 pm JST on February 4, 2022(Fri.)

  会場
オンライン会議 Zoom を使用します

  内容
Introduction (Kazuhiro Kusahara, Director, EVRI, Hiroshima University, Japan)
(Jongsung Kim, Hiroshima University, Japan)
Presentation 1 (Agnaldo Arroio, University of São Paulo, Brazil)
Presentation 2 (Indira Subramanian, NIE, Singapore)
Presentation 3 (Kaycee Rogers, University of Wisconsin-Madison, USA)
Discussion 1 (Catherine Lewis, Mills University, USA)
Discussion 2 (Lee Kim Eng Christine, NIE, Singapore)
Presenters answer to the comments of the discussants Q&A with the audiences Closing (Norio Matsumi, Dean, School of Education, Hiroshima University , Japan)

  主催
広島大学INEI委員会
広島大学教育ヴィジョン研究センター

  共催
令和3年度広島大学教育学部共同研究プロジェクト「「授業研究」に基づく教師教育に関する国際共同研究プラットフォーム開発研究(2)」(研究代表者:金鍾成)

  申込
参加をご希望される方は,下記のフォームからお申込みください。
本セミナーは,Zoom接続にて開催をいたします。
オンラインセミナーに参加するためのアクセス情報は、セミナーの前日までに送付されます。
Zoomの接続に不安な方は,事前にメールでご相談ください。
*参加費無料 Zoomの基本操作については,コチラを参照ください。https://support.zoom.us/hc/ja/categories/200101697

  言語 English

●セミナー中の発表資料および開催報告はこちらのページより取得いただけます。
 ▶Forum No.31オンラインセミナー開催報告
●当日の対応や参加上の注意点などはこちらをご確認いただけますと幸いです
 ▶注意事項(お名前変更等)と緊急時対応
●セミナー後、アンケートにご協力ください。または,本セミナーのHPからもご回答頂けます。

ご回答はコチラから


.開催報告

広島大学インキュベーション研究拠点「教育ヴィジョン研究センター(EVRI)」は,広島大学INEI学内委員会との共催で,2022年2月5日(土)に,第31回研究拠点創成フォーラム「EVRI-HU PELSTE 2022 Localizing Lesson Study: The Cases of America, Brazil and India」を開催しました。

PELSTE2022は,2024年以後に予定されているINEI年次総会・広島開催にむけて,広島大学教育学部が「平和教育」と「授業研究」の国際的な(東アジアの)拠点となるべく,研究交流のプラットフォームを提供することを目的としています。「授業研究」に焦点を当てたPELSTE2022では,三名の参加者や二名の指定討論者とともに,92名の参観者を迎えて,教師教育における授業研究の可能性を検討するとともに、授業研究のローカライゼーションに必要な要素を議論しました。

はじめに,EVRIセンター長の草原和博教授(広島大学),司会の金鍾成准教授(広島大学)より,PELSTE2022の目的とプログラムが説明されました。 日本の授業研究(Jyugyou Kenkyuu)が現地のニーズや文脈によってローカライズされたものを海外の授業研究(Lesson Study)として見るのであれば、両者をまったく同じものとしてみなすことはできません。よって、日本の「Jyugyou Kenkyuu」と海外の「Lesson Study」は互いに何が学べるかという視点で本日の報告を聞くことの重要性がセミナーの参加者全体で確認されました。

次に,アグナルド・アロイオ氏(ブラジル・サンパウロ大学)からは、ブラジルにおける理科教員志望学生の授業研究プロジェクトと、ICT活用に関する小学校教員向けの授業研究プロジェクトに関する発表が行われました。PELSTE2021から得た授業研究に関する学びを活かし、自分が関わっている学部の授業や教員研修プログラムに適用を試みたアロイオ氏は、参加者が授業を観察することの重要性に気づいたことを一番の成果としてあげました。その気づきの裏には、互いが互いを教員として支えるコミュニティの形成があったと指摘し、授業研究が授業について気軽に語り合える場を形成することに寄与したと語りました。

次に,インディラ・ズブラマニアン氏(シンガポール・南洋理工大学)からは、自らが計画・運営したインドの現職教員の授業研究グループの事例を報告しました。PELSTE2021から得た授業研究に関する知見をインドの実践家とも共有したいと思ったズブラマニアン氏は、授業研究に興味を示す5人の実践家とともに授業研究グループを作りました。パンデミックによりオンラインで行われた授業研究は、一時間の数学の授業をともに作り、ともに観察し、ともに改善策を考える流れとなりました。授業研究に参加する前、参加中、参加後の三つの時点において参加者に授業研究に対する考えを調査した結果から、彼女は授業研究が参加者の授業観を柔軟なものにすること、授業に関する教育学的知識や授業内容に関する知識を深めることができたと報告しました。

次に,ケイシー・ロジャース氏(アメリカ・ウィスコンシン大学メディソン校)からは、自身が関わっている郊外地域の教員のための研修プログラムに授業研究を導入した事例が報告されました。郊外地域にいる教員は授業に関する悩みを語り合う仲間が少ないことに悩むことが珍しくないと語ったロージャス氏は、オンラインで行う授業研究がその解決策になりうると主張しました。現在進行中であるため、プロジェクトの結果までは発表されませんでしたが、参加者が授業研究をうまく理解するためにどのような工夫をしているかが報告されました。

以上の発表を受けて,指定討論者のキャサリン・ルイス氏(アメリカ・ミルズ大学)からは,授業研究が、内容の伝達に重きをおいた教員養成から授業観察・授業対話に重きをおいた教員養成・教員研修としての可能性、授業の専門家というアイデンティティを持ち互いを支え合える教員集団作りとしての可能性を提案させていただきました。なお、すべての授業研究がオンラインで行ったことにも注目し、オンラインで行われる授業研究の特徴とは何かを今後検討していく必要性も指摘していただきました。最後には、授業研究が本当の文脈でローカライズされ、なおかつ、ローカライズされた文脈においてインパクトを与えるためには、組織的な試みが必要であることも語っていただきました。

指定討論者のクリスティーン・リー氏(シンガポール・南洋理工大学)からは,どのような文脈で授業研究を行ったか、なぜ授業研究を扱ったか、授業研究の何に重点をおいていたか、授業研究のプロトコルは何だったか、という視点から三本の発表を比較・分析していただきました。その結果大きく以下の二つび質問を投げかけていただきました。一つ目、「あなたの事例で維持され続けられた授業研究のコアとなる特徴は何か、それはなぜか」。二つ目、「あなたの次回の授業研究実践では何を変えたいと考えるか」

また,ウェビナーのQ&A機能を活用して行われた質疑応答では,「既存の学校のルーティンがあるなかで、授業研究をどのように適用したか」,「どのようなオンライン・プラットフォームを使って授業研究を行ったか」,「本日のセミナーのなかで議論された様々な課題をどのように克服することができるか」といった質問が出されました。授業研究は行われた文脈によって異なっていましたが、はやり授業研究の文化がない文脈で授業研究を導入することは容易な作業ではなかったと発表者たちは答えました。正規の居員養成課程や研修プログラムの場合は大きな問題はなかったが、そうではない場合は放課後や休日、休みを利用するなど構成員の合意を得て授業研究の時間を確保したと答えました。主に用いたオンライン・プラットフォームとしては、グーグル・クラス、ユーチューブ、グーグル・ミートなどを使用したと答えました。時間切れで最後の質問に答えることはできませんでしたが、各々の発表者、そして参加者が自分の文脈の課題を改めて見つけて考えることにし、次回のPELSTEで議論することにしました。

最後に開催大学学部長の松見法男教授より,閉会の言葉をいただき,盛会のうちに会が終了しました。

今回のフォーラムを踏まえ,EVRIは以下のような政策提言を構想してします。

①日本の授業研究(Jyugyou Kenkyuu)を海外の授業研究(Lesson Study)として発信するだけではなく、海外の授業研究(Lesson Study)から日本の授業研究(Jyugyou Kenkyuu)は何が学べるかを考える。
② 日本の授業研究(Jyugyou Kenkyuu)を海外の授業研究(Lesson Study)として発信する場合には、授業研究の核心をなしている特徴を維持しつつ、各々の文脈に合う形で授業研究がローカライズできるように支援すること。

Ⅱ. 平和教育者へのインタビュー

EVRIは広島で平和教育の実践をしてきた教員の方にインタビューを行いました。インタビューでは以下の5つの質問をしました。

1. 教師になろうと思ったきっかけは何ですか?
2. どのように平和教育をしてきましたか?
3. 広島を教えるにあたっての励みと困難は何でしたか?
4. 広島における平和教育はあなたにとってどんな意味がありますか?
5. 世界の平和教育者に向けてのメッセージをお願いします。

以下のビデオをご覧になる際は、字幕「cc」をご利用されることをお勧めいたします。youtube動画下の「…」から「文字起こしを開く」で全文をご覧いただけます。

File 4 松井久治氏

File 5 梶矢文昭氏 File 6 橋本一貫氏

 

2. 平和教育者へのインタビューへの有識者コメント

平和教育者へのインタビューの背景的文脈の理解のために、広島大学の二人の研究者にコメントをしていただきました。

川口隆行教授のコメント(日本語)   丸山恭司教授のコメント(英語)

PELSTE2021を主催するEVRIは,来年度以降も平和教育と授業研究のフロントラインを切り拓いてまいります。


EVRIフォーラムNo.31_PELSTEーPEのサムネイル


過去の開催はこちら

 

PELSTE 2020および2021の成果は,下記のバナーよりご覧ください。



Posterポスター

PELSTE 2020の成果をまとめたポスターです。

200315_05_PELSTE_allのサムネイル
PDF file >

PELSTE 2021の成果をまとめたポスターです。


5.Contact

PELSTEについてお気軽にお問い合わせください
e-mail :evri-info@hiroshima-u.ac.jp
Tel & Fax: 082-424-5265
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