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「平和教育者アーカイブ」動画公開のお知らせ(2022.03.07)

公開日:2022年03月08日 カテゴリー:お知らせ

広島大学教育ヴィジョン研究センター(EVRI)は,昨年度より「ヒロシマの平和教育者」への聞き取りを行い,インタビュー動画のアーカイブを作成しています。アーカイブは,広島の平和教育について国内外の研究者と共同研究を推進するための題材,また教員志望者のための教材としての活用が大いに期待されます。この企画は長期的に継続していく予定で,今年度も多様な立場で活動をしてこられた先生方のお話を伺い,アーカイブの充実を図ることとしました。このたび,松井久治先生・梶矢文昭先生・橋本一貫先生の3名のインタビュー動画を公開いたしましたのでお知らせいたします。さらに,丸山恭司先生川口隆行先生による3名の実践に対する解説コメント動画も併せて公開いたしました。

今年度のインタビュイーの先生を簡単に紹介いたします。1人目は松井久治先生です。松井先生は中学校教師として先駆的な平和教育実践を牽引されてきました。例えば,広島市第三国民学校の生徒の被爆の状況と実態を明らかにする「空白の学籍簿」。雑誌などに掲載された人の顔を切り抜き,模造紙に貼り付け,広島の原爆で亡くなったとされる20万人を体感する「20万人の顔」といった取り組みは国内で高い評価を受けています。

2人目は梶矢文昭先生です。幼少期に被爆し,姉を亡くす経験をされています。小学校教師として教壇に立ってからは,子どもの生き生きとした姿を何よりも大切にした授業を実践されました。また,中立公正な教育を希求した管理職としての一面も見逃せません。退職後は「ヒロシマを語り継ぐ教師の会」を設立し,自らの被爆体験の証言活動を行っています。身振り手振りを用いたり,原爆の惨状を描いた絵を使ったりして,多くの子どもたちの関心を呼んでいます。

3人目は橋本一貫先生です。高校美術科教師として,広島平和記念資料館「次世代と描く原爆の絵プロジェクト」に参画されてきました。被爆者の証言活動に用いるための補助資料としての絵画を高校生が描く取り組みです。被爆者・高校生が共同的に絵を作ることの成果と課題が動画の中でも語られています。また,広島市外で生まれ育った者として平和教育の在り方を模索していた中学校教師時代の実践にも注目すべきでしょう。

なお,インタビュー動画ならびに解説コメント動画を集約・整理したアーカイブページの公開を月内に予定しております。公開の際には改めてEVRIホームページやFacebookにてお知らせいたしますので,どうぞご覧ください。
なお,本アーカイブ企画は「PELSTE2021」および「PELSTE2022」プロジェクトの一環であります。下記のリンクも併せてご参照いただけますと幸いです。

 



【2021.05.30】第78回定例オンラインセミナー「これからの平和教育を考える(1)-平和教育者アーカイブ構築の意義と可能性-」を開催しました

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