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【2022.02.11】第106回定例オンラインセミナー「教科教育学・心理学・日本語教育学の視点からインクルーシブな学びを考える(7)日本語を第二言語とする児童生徒の学びにくさへの支援「高校における言語的・文化的に多様な生徒の教育を考える」」を開催しました

公開日:2022年02月18日 カテゴリー:開催報告

 

.開催報告

 

広島大学インキュベーション研究拠点「教育ヴィジョン研究センター(EVRI)」は,教師教育・授業研究ユニットの活動の一環として,2022年2月11日(金)に,第106回定例オンラインセミナー「教科教育学・心理学・日本語教育学の視点からインクルーシブな学びを考える(7)ー日本語を第二言語とする児童生徒の学びにくさへの支援」を開催しました。大学院生や学校教員を中心に34名の皆様にご参加いただきました。

「教科教育学・心理学・日本語教育学の視点からインクルーシブな学びを考える」シリーズは,特別支援教育の専門家と教科教育,心理学、日本語教育の専門家とが協働し,それぞれの観点からインクルーシブ教育のあり方を,あるいはインクルーシブ教育の観点からそれぞれの指導,支援のあり方を相互に検討しています。なお,本シリーズは日本生命財団「児童・少年の健全育成委託研究」「学びのユニバーサルデザインに基づく日本型インクルーシブ教育システムのロールモデルの開発」(研究代表者:川合紀宗)の成果公表の一環としても実施されています。

シリーズ第6回となる本セミナーでは,高校における言語的・文化的に多様な生徒に関する問題について,話題提供をもとに,参加者のみなさんと考えました。

 

 

はじめに,永田良太先生(広島大学)より,本セミナーの趣旨が説明されました。高校における言語的・文化的に多様な生徒の問題に関しては,これまで扱われることが少なく,今回のセミナーではこの点について問題意識を共有したいという趣旨がセミナーの参加者全体で確認されました。

 

 

次に,江副命さん(広島大学大学院生)から「高校における言語的・文化的に多様な生徒に関する研究の現状と課題」と題して話題提供が行われました。言語的・文化的に多様な小・中学生を対象にした研究における観点が紹介されるとともに,高校生を対象にした研究がきわめて少ないことが報告されました。また,生徒の母語を介した学習支援のあり方についての提言も行われました。

次に,土橋洋平先生(明徳義塾中学・高等学校)から「日本語を第二言語とする生徒の支援-高校の現場より-」と題して話題提供が行われました。司会の永田先生との対話形式で,①学習面,②人間関係の構築,③進路という三つの観点から,高校で学ぶ生徒の現状と課題が報告されました。教科の学習を支えるための日本語教育のあり方や日本人学生との人間関係構築の難しさ,さらには大学進学後に中退する学生がいることなどといった問題が共有されました。

 

ウェビナーのQ&A機能を活用して行われた質疑応答では,教科学習における母語の役割やさまざまな学習機器の活用の可能性について,実体験にもとづいた意見や質問が寄せられ,議論が深まりました。

最後に,川合紀宗先生(広島大学)から終わりの言葉として,高校における言語的・文化的に多様な生徒に関わる問題は,「学びにくさ」を抱える他の児童生徒にも通じる部分が多くあり,包括的に考える必要性があることが述べられました。

今回のセミナーを踏まえ,EVRIは以下のような政策提言を構想してします。

高校における言語的・文化的に多様な生徒のための日本語・教科指導カリキュラムを作成することができる専門家の育成を推進すること

今後もEVRIでは,Inclusive・日本語教育ユニットを中心にして,多様な子どもたちがともに学び考える空間の在り方を検討してまいります。

 


 

Ⅱ.アンケートにご協力ください

多くの皆様にご参加いただきまして、誠にありがとうございました
ご参加の方は、事後アンケート(アンケートはこちらをクリックしてください)への回答にご協力ください。


*第106回定例セミナーの告知ポスターはコチラです。


教育学研究科HPにも掲載されています


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