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定例オンラインセミナー講演会No.136「文章・対話・学び ―オーセンティックな読む行為が成立する条件―」を開催します。(2023.04.08)

公開日:2023年03月27日 カテゴリー:お知らせ
(ポスター準備中)

 

澤田英輔・仲島ひとみ・森大徳編『〈読む力をつけるノンフィクション選〉中高生のための文章読本』(筑摩書房、2022年)の編者たちは「私たちの暮らす世界についての事実や考えを書いた本にも、読書の楽しみは存在します。本書では、物語ではないそのような文章を広く「ノンフィクション」と呼んでいます。(中略)これらの「物語」を旅するうちに、私たちはやはりそこに深く潜りこんで、動植物について、人間について、社会のあり方について、以前とは違う角度から深く出会い直すことができます。そして、その経験によって、今いる世界の見え方や感じ方がまるで変わってしまうことすらあるのです」(p.5)と言い、「ノンフィクション」を読むことの意義を語る。
また、紅野謙介は近著『ことばの教育: 日本語を読み、書き、考える』(青土社、2023年)最後の章で辻嘉一の「とうふ」という文章を引いて、「具体的で明晰な料理をめぐる実用文」と捉え「私にとって、こういう文章は文学と変わりがない。文学とは小説や詩歌のようなジャンルを指すだけでなく、ことばによって作り出されたすぐれた文章のすべてを包摂する。小説や詩歌はそうした「文」と人間に関わる文化的歴史的なアーカイブとして存在し、私たちの世界と世界認識のあり方を更新するため、必要にして最適な素材である。評論も実用文も、そうしたことばの蓄積の上にある」(p.311)と述べる。これは「文学」という実体はなく「文字表現」と読者との関わり方の総体が「文学」と呼びならわされてきたに過ぎないという考え方でもある。
澤田らも紅野も文章ジャンルにこだわっているわけではない。むしろ「ノンフィクション」を読んで考えたこと、感じたことを述べ合う機会さえあれば、つまり、自分以外の読み手の、文字表現との関わり方を知る機会が設けられれば、「ノンフィクション」の文章を面白く読む可能性は増えるということである。「文学作品」が排除されているのなら「ノンフィクション」を紅野が「とうふ」を読んだように読んで文学体験をもたせるようにすればいい。
では、文字表現と読者との関わり方の総体が「文学」と呼ぶことができないケースはどのようなケースか。このような問いに、国語教育学はまだ十分な答えを出し切れていないが、少なくとも「論理」だという回答の仕方はありうるし、現になされてきた。しかし「論理」と答えるだけでいいのだろうか。学習者が文字表現との関わる時間を過ごし、自らの関わり方をどのように論証しうるという問題をないがしろにしてしまったために、情報駆動の読みが席巻することになったということが問題の本質なのではないか。このセミナーではこのような問題を三名の登壇者で議論する。

●セミナー中の発表資料および開催報告はこちらのページより取得いただけます。▶第136回オンラインセミナー開催報告
●当日の対応や参加上の注意点などはこちらをご確認いただけますと幸いです。▶注意事項(お名前変更等)と緊急時対応
●セミナー後,アンケートにご協力ください。または,本セミナーのHPからもご回答頂けます。ご回答はコチラから

 
【日時】 2023年4月8日(土曜日) 14:00-16:00(申し込み期限:2023年4月7日18:00)
【会場】 広島大学教育学部とオンライン(Zoomウェビナー)のハイフレックス開催
【演題】
定例オンラインセミナー講演会No.136「文章・対話・学び ―オーセンティックな読む行為が成立する条件―」
【内容】

趣旨説明 山元隆春(広島大学)
基調提案 山元隆春(広島大学)
話題提供1 守田庸一(三重大学)
話題提供2 住田勝(大阪教育大学)
質疑応答・ディスカッション
閉会の辞 山元隆春(広島大学)

【主催】 ・広島大学教育ヴィジョン研究センター(EVRI)
【共催】
【申込】
参加をご希望される方は,下記のフォームからお申込みください。(対面参加をご希望の方も下記のフォームからお申込みください)。
本セミナーは,Zoom接続でも開催をいたします。

オンラインセミナーに参加するためのアクセス情報は、セミナーの前日までに送付されます。
Zoomの接続に不安な方は,事前にメールでご相談ください。
*参加費無料
Zoomの基本操作については,コチラを参照ください。https://support.zoom.us/hc/ja/categories/200101697
【言語】
日本語

 

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