menu

新センター長就任のご挨拶(2024.04.04)

公開日:2024年04月04日 カテゴリー:お知らせ

 


EVRIとはメディアであり、媒介である。EVRIとは何かと問われたら、私はこのように答えたい。

 まず、情報発信の媒体としてのEVRIである。定例オンラインセミナー講演の開催は、2017年5月以降現在までにNo.159を数え、その内容は実に多岐に渡る。2023年度からは、対面でのセミナーや集まりも増えてきた。今後も、こうした活動を発展的に継続していきたい。

 次に、研究者・実践者の媒介としてのEVRIである。2024年度、EVRIは22名の運営メンバーから構成される。教育学、心理学、文学、自然科学、スポーツ科学、音楽学、美学など、専門が異なる研究者が集まるが、これまでEVRIが媒介となって、メンバー間やその周囲にいる研究者との共同研究が創出されてきた。セミナーの元となる研究も、このようにして行われた研究がもとになっている。EVRIの存在理由は、まずこの点にある。

 また、運営メンバーが媒介となって、学校の実践者、教育行政、企業との出会いを生み、共同の研究や取り組みへと発展してきた。それは、大学が所在する広島県、広島市や東広島市といった地域に留まらない。教育研究を基軸として、日本国内さらには海外とも連携した研究プロジェクトが進められている。こうした機能をさらに強化していきたい。

 ところで、辞書(『リーダーズ・プラス』研究社)を引くと、mediaには「培養基」という意味もあるようである。さらに、別の辞書(『広辞苑』岩波書店)を引くと、次のような説明が見られた。

培養基:→培地に同じ

培地:微生物・動植物あるいはその組織・細胞の培養に使用する液体ないし固形の物質。培養基。(『広辞苑』第五版)

 現在、EVRIの活動は、多くの院生に支えられている。プロジェクトの運営、研究のプロセスと成果の記録、発信を担ってくれている。もちろん、研究員として共同研究そのものにも参加しているが、さらには、専門を異にする院生同士が研究集会を企画し、発信する活動も行っている。EVRIは、若い次世代の研究者が育つ場ともなっているのである。

 マクルーハンは、「メディアはメッセージである」という定義を示している。EVRIが、これからどのようなメッセージを伝えるか。ご期待いただきたい。

教育ヴィジョン研究センター長 間瀬 茂夫