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東広島市地域交流型広域ネットワーク学習の取組みを報告します【大学と市の移り変わり】(2022.02.09)

公開日:2022年02月18日 カテゴリー:開催報告

2022年2月18日

ポンチ絵(20210528版)KKのサムネイル

 

広島大学教育ヴィジョン研究センター(EVRI)(センター長:草原和博)は,東広島市教育委員会と連携して,市内複数の小学校をオンラインで結んだ広域交流型オンライン社会科地域学習を実施します。子どもの一人一端末と学校のICT機器を活用しながら,また地域からの中継を交えて,対話的・双方向的に学びます。さらに,この学びを広島大学の教員と大学院生がコーディネートします。なお,授業の参考コンテンツとして,EVRIが東広島市立図書館の依頼を受けて開発した「東広島市地域学習用デジタルコンテンツ(通称「のん太の学び場」)」を活用します。(「のん太の学び場」の作成についてはコチラ

本年度は,2021年6月の試行に基づいて,毎月1回2時間,テーマを決めて授業を行います。この企画が実現することで,小規模校と大規模校の子どもが,年間を通して,各地域のようすを比較したり,交流したりしながら学びを深めることができます。

目 的
広島大学教育ヴィジョン研究センターが開発した「のん太の学び場」(東広島市地域学習用デジタルコンテンツ)と東広島市教育委員会作成の小学校社会科副読本を効果的に連携させた広域交流型オンライン社会科地域学習の実施を通して 児童の主体的 対話的で深い学びを創造する。
実施内容
〇 市内の小学校 学習対象となる地域等 と 広島大学がオンラインでつながり 遠隔授業を行う。
〇 遠隔授業の全体進行は,大学の担当者が行う。各教室での指導は,各学級の担任等が行う。
〇 遠隔授業では、児童が自分のタブレットから参加できる機会を設ける。
〇 参加校に技術的なサポート要員(大学院生等)を派遣し 授業準備 授業支援 後片付け等を行う。
1年間の計画


「もしも東広島に「大学」がなかったら?」(2022年2月9日)

2月9日:「もしも東広島に「大学」がなかったら?」
  • 授業実施者:草原和博
  • 授業補助者:各小学校での授業担当教員
  • 東広島市下見から中継担当:熊原康博,玉井慎也,永田誠弥,八木謙樹
  • 学校技術支援担当:池田優子,川上由美,川本吉太郎,國重和海,佐藤莉沙,俵龍太朗,藤井冴佳,藤原瑞希,森本敬仁,山下光,山下弘洋,
  • 事務局機器担当①:草原聡美,津田晃希,大岡慎治
  • 事務局機器担当②(吉川小学校):宇ノ木啓太,吉田純太郎,田中崚斗,正出七瀬、

2022年2月9日,東広島市内小学校5校7学級(吉川,高屋東,高美が丘,福富,入野)の3年生(179名)が参加して,「大学と市の移り変わり」をテーマとするオンライン授業を実施しました。

1時間目の導入は,大学と小学校・中学校・高校の違いを理解することから始まりました。地理学を専門にする広島大学の熊原康博先生に登場いただき,大学の先生の仕事について紹介をお願いしました。大学の先生は,小中高の先生のように「授業」を行うだけでなく,「大発見・新発見」をする研究やその研究でわかったことを「社会に役立てる」社会貢献も使命にされていることをお話しされました。特に「大発見・新発見」をする研究が一番大事な仕事であることを強調されました。

その後,広島県内の大学の数,東広島市内の大学の数,東広島市にある大学の先生と学生が数についてクイズを行いました。子どもたちはタブレットを使って回答しました。県内には21の大学があり,その中でも東広島市には4つの大学があること,先生と学生は約1万8千人いることがわかりました。子どもたちは,広島県内では東広島市が2番目に大学が多いこと,先生と学生だけで約1万8千人がいて,さらにその家族を含めると,もっとたくさんの大学に関係する人が暮らしていることに驚いていました。

1時間目の中心的な課題は,「東広島市には,どうして大学が集まってきたのだろう?」でした。まず,地図や年表,グラフを用いて,東広島市にある4つの大学の位置と歴史,それに伴う人口の変化を確認しました。次に,1982年の空中写真と現在のドローン映像を用いて,広島大学周辺の土地利用を空から観察し,田や畑があったところに多くの建物ができていることを確認しました。その後,大学近くの西条下見にいる熊原先生と中継を繋ぎ,現在の広島大学周辺の様子を地上から観察しました。学生用のアパート(住む)やスーパーマーケット(買う),ファストフード店(食べる),カラオケ(遊ぶ)など学生生活に必要な施設が集まった学生街ができている様子を確認しました。

次に,中心課題である「東広島市には,どうして大学が集まってきたのだろう?」に取り組みました。これまでの観察結果と副読本を活用し,東広島市に大学が集まる理由について予想しました。「人口が増えたから」「土地が広いから」「広島市から引っ越ししてきたから」「広い土地があり,人が少なく,建物も少なく,大きな研究や設備が整えられるから」などのように,昔の写真に注目して土地の広さを理由に挙げる学級もあれば,「市の面積がふえたから。二大プロジェクトでまちづくりが進められたから」「東広島市に住んでいる人が通うところがないので大学を作った。広い土地があったから。広島県の新しい発見が多く東広島市にあったから」「二大プロジェクトがあって大学に行きたい人が増えたから」などのように,副読本を参照して「賀茂学園都市構想」と「テクノポリス構想」に関連づけて予想した学級もありました。

2時間目では,1時間目の課題の解決から始まりました。「賀茂学園都市構想」と「テクノポリス」が東広島市のまちづくりの出発点であり,大学を東広島に招き集めることで町を元気にしようとしたこと,東広島市は大学のまわりに一緒に研究したい研究所や一緒に仕事をしたい工場や大学が集まり,さらにそこで働く人のための住宅団地が集まってできた「学園都市」であることを確認しました。

2時間目の中心的な課題は「大学は,私たちの生活とどんな関係があるのかな?」でした。事前のアンケートで,子どもたちは「大学生は勉強をしている人」というイメージがあることが確認されました。次に,3人の大学生についてインタビューをして,子どものイメージを検証してきました。多くの広島大学生は県外から来ていること,授業がない日は勉強以外にも趣味やサークル,アルバイトをしていること,アルバイト先で勤務している人はほとんどが学生であり,学生がいなければお店や塾を開けることができないことがわかりました。
その後「もしも大学が東広島になかったら…」という問いについて考えました。東広島市内の10の施設が書かれたカードを選び,もしも広島大学がなかったらその施設は「絶対にない」「たぶんない」「それでもある」と記された数直線上に位置付け,広島大学がない東広島市のようすを想像しました。子どもたちは,学生アパートや高美が丘小学校は大学がなければ「なかった」と想像する一方で,フジグランや吉川工業団地は大学がなくても「あった」のではないか,と想像しました。
想像をした後にブロックダイアグラムを用いて理由を説明しました。高美が丘小学校のカードを選んだ2つの学級は,「広島大学→人(学生・先生)が増えた→先生の家族→子供が増えた→高美が丘小学校」と説明したり,「広島大学→家やビルが増えた→スーパー,買う場所が増える→買う人・働く人が必要→人が集まる→高美が丘小学校」と表現したりしていました。

最後に熊原先生が解説と学級への質問をしました。一見関係ないように見えても,このように図に表すことで,大学と東広島市の様々な施設の関係が見えてくること,どの学級もこれまでに学んだことを踏まえて考えることができていて素晴らしい,とまとめられました。

2時間を通して,「大学と市の関係」を視点に,東広島市の変化と大学との切っても切れない深い関係について学び(第1時),一見自分とは関係なさそうな大学も私たちの生活と直接的・間接的につながっていることに気づく(第2時)社会科らしい学習となりました。

 

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教育学研究科HPにも掲載されています

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