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東広島市地域交流型広域ネットワーク学習の取組みを報告します【駅とまちのうつりかわり】(2021.12.15)

公開日:2021年12月22日 カテゴリー:開催報告

2021年12月21日

ポンチ絵(20210528版)KKのサムネイル

 

広島大学教育ヴィジョン研究センター(EVRI)(センター長:草原和博)は,東広島市教育委員会と連携して,市内複数の小学校をオンラインで結んだ広域交流型オンライン社会科地域学習を実施します。子どもの一人一端末と学校のICT機器を活用しながら,また地域からの中継を交えて,対話的・双方向的に学びます。さらに,この学びを広島大学の教員と大学院生がコーディネートします。なお,授業の参考コンテンツとして,EVRIが東広島市立図書館の依頼を受けて開発した「東広島市地域学習用デジタルコンテンツ(通称「のん太の学び場」)」を活用します。(「のん太の学び場」の作成についてはコチラ

本年度は,2021年6月の試行に基づいて,毎月1回2時間,テーマを決めて授業を行います。この企画が実現することで,小規模校と大規模校の子どもが,年間を通して,各地域のようすを比較したり,交流したりしながら学びを深めることができます。

目 的
広島大学教育ヴィジョン研究センターが開発した「のん太の学び場」(東広島市地域学習用デジタルコンテンツ)と東広島市教育委員会作成の小学校社会科副読本を効果的に連携させた広域交流型オンライン社会科地域学習の実施を通して 児童の主体的 対話的で深い学びを創造する。
実施内容
〇 市内の小学校 学習対象となる地域等 と 広島大学がオンラインでつながり 遠隔授業を行う。
〇 遠隔授業の全体進行は,大学の担当者が行う。各教室での指導は,各学級の担任等が行う。
〇 遠隔授業では、児童が自分のタブレットから参加できる機会を設ける。
〇 参加校に技術的なサポート要員(大学院生等)を派遣し 授業準備 授業支援 後片付け等を行う。
1年間の計画


「駅から見えるわたしたちの市のあゆみ」(2021年12月15日)

12月15日:「駅から見えるわたしたちの市のあゆみ」
  • 授業実施者:草原和博
  • 授業補助者:各小学校での授業担当教員
  • 東広島駅から中継担当:川本吉太郎、 川上由美、八木謙樹
  • 寺家駅からの中継担当:津田晃希、大岡慎治、藤原瑞希
  • 学校技術支援担当:佐藤莉沙、山下光、山下弘洋、森本敬仁、永田誠弥
  • 事務局機器担当①:田中崚斗、正出七瀬、草原聡美
  • 事務局機器担当②(高屋東小学校):宇ノ木啓太、吉田純太郎

2021年12月15日,東広島市内小学校5校6学級(西志和,東志和,下黒瀬,福富,豊栄)の3年生(116名)が参加し,「駅から見えるわたしたちの市のあゆみ」をテーマとするオンライン授業を実施しました。

1時間目の導入は,東広島市には電車の駅がいくつあるのかを予想するクイズから始まりました。子どもたちはタブレットを使って回答をしました。東広島市には,山陽本線・新幹線・呉線の3つの路線があること,大小さまざまな10の駅があることを東広島市の路線図を用いて確認しました。10の駅の中でもとくに利用者が少ない2つの駅に注目して,駅のようすを比べました。海のすぐそばにある風早駅に対して,周囲を山に囲まれた入野駅。私たちが普段使っている新幹線の駅前とは異なる多様な駅前の姿を確認しました。次に,西条駅の昔の駅舎の写真3枚を見て,古い順に並べかえるクイズを行いました。建物や道路,通行人の服装,写真のカラーなどに着目しながら並び替えを行い,「変化」を捉える視点をつかみました。
1時間目の主たる課題は,「駅ができる前と後の町のうつりかわり」を考えようです。市内ではできたばかりの寺家駅と東広島駅に注目し,駅前のようすを中継で確認します。子どもの事前の予想では,「駅は人が多い所にできるはずだ!」でした。確かに今では寺家駅や東広島駅の周りにたくさんの建物が並んでいますが,タイムスリップしてみると(=昔の画像や動画を見てみると),駅ができる前の何もなかった景観に驚きます。また,現在駅を利用している人へのインタビューから,通勤に便利だから駅の近くに移り住んだこと,周辺に店ができて便利になっていることを確かめました。
最後にリポーターの2人から「町があるから駅ができるのでは…」「駅があるから町ができるんだ…」の2つの対立する考えが示されます。どちらを支持するか尋ねられた子どもたちは,大いに悩みます。子どもからは「町ができたら人が増えて駅を使いたい人が増える」「駅があると便利になり人が集まってくる」など多様な解釈が示され,草原先生は両立の可能性を提起しました。

2時間目の導入では,寺家駅や東広島駅のように,どんな駅も「駅の利用者はどんどん増え,町はどんどん大きくなり続けるのかな」という問いが投げかけられました。
まず,駅前のようすに違いがある安芸津駅と西高屋駅の動画を視聴し,「変だな探し!(課題発見)」を行いました。安芸津駅の動画からは「車両が2両しかないのにホームがやたら長いなあ…」,西高屋駅の動画からは「ホームの横に朝だけ開く高校生用の秘密の出口があるなあ…」の疑問が見つかりました。草原先生は,昔10両の客車をひいて呉線を走るSLの動画,西高屋駅前に車が一台停まっている写真,安芸津町・高屋町の人口変化を示したグラフ,学校数の変化をあらわす年表を提示し,じっくり「変だな」の理由を考えさせていきます。安芸津駅の「変だな」を探究した子どもは,「昔はS Lの長い電車が走っていた。今では学校・人口が減って,電車が短くなった」と回答し,町の衰退が駅に変化をもたらしたことに気づきました。西高屋駅の変だなを探究した子どもは,「学生がたくさん使うから別の出口があるのでは」「高屋では人口・学校が増えたから,朝は人が混んでしまう。混雑しないように,遅刻しないように」改札口ができたと答え,町の成長が駅に変化をもたらしたことに気づきました。
このような「変だな」の課題解決を受けて,「駅を使う人が増えて駅前が賑やかになると,嬉しい?それとも残念?」を選ぶアンケートを行いました。ほとんどの子どもが嬉しいと答える中,残念と答えた子どももいます。そういう子どもに理由を問うと,「環境破壊が起こる」「人が多くなると騒がしくなる」と答えました。駅前が発展しても,立場が違えば良いところも見えてくるし,悪いところも見えてくることを学びました。

2時間を通して,「変化」を視点にして駅のうつり変わりとその理由を説明し(1時間目),さらに駅の「変化」を発展と衰退の異なる視点から捉え,評価する(2時間目)ことのできた学習となりました。

 

EVRIは,引き続きICTを活用した新しい地域学習のヴィジョンを提案し,それを教育関係機関と連携しながら企画・実施してまいります。

 

 

 

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教育学研究科HPにも掲載されています

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