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東広島市地域交流型広域ネットワーク学習の取組みを報告します【消防署】(2021.10.20)

公開日:2021年10月25日 カテゴリー:開催報告

2021年10月25日

ポンチ絵(20210528版)KKのサムネイル

 

広島大学教育ヴィジョン研究センター(EVRI)(センター長:草原和博)は,東広島市教育委員会と連携して,市内複数の小学校をオンラインで結んだ広域交流型オンライン社会科地域学習を実施します。子どもの一人一端末と学校のICT機器を活用しながら,また地域からの中継を交えて,対話的・双方向的に学びます。さらに,この学びを広島大学の教員と大学院生がコーディネートします。なお,授業の参考コンテンツとして,EVRIが東広島市立図書館の依頼を受けて開発した「東広島市地域学習用デジタルコンテンツ(通称「のん太の学び場」)」を活用します。(「のん太の学び場」の作成についてはコチラ

本年度は,2021年6月の試行に基づいて,毎月1回2時間,テーマを決めて授業を行います。この企画が実現することで,小規模校と大規模校の子どもが,年間を通して,各地域のようすを比較したり,交流したりしながら学びを深めることができます。

目 的
広島大学教育ヴィジョン研究センターが開発した「のん太の学び場」(東広島市地域学習用デジタルコンテンツ)と東広島市教育委員会作成の小学校社会科副読本を効果的に連携させた広域交流型オンライン社会科地域学習の実施を通して 児童の主体的 対話的で深い学びを創造する。
実施内容
〇 市内の小学校 学習対象となる地域等 と 広島大学がオンラインでつながり 遠隔授業を行う。
〇 遠隔授業の全体進行は,大学の担当者が行う。各教室での指導は,各学級の担任等が行う。
〇 遠隔授業では、児童が自分のタブレットから参加できる機会を設ける。
〇 参加校に技術的なサポート要員(大学院生等)を派遣し 授業準備 授業支援 後片付け等を行う。
1年間の計画


「高屋に新しい消防署ができるらしいよ・・・なぜ? 」(2021年10月20日)

10月20日:「高屋に新しい消防署ができるらしいよ・・・なぜ? 」
  • 授業実施者:草原和博
  • 授業補助者:各小学校での授業担当教員
  • 東広島消防書から中継担当:宇ノ木啓太、大岡慎治、國重和海
  • 西分署からの中継担当:正出七瀬、津田晃希
  • 安芸津分署からの中継担当:川本吉太郎、 澤田百花
  • 学校技術支援担当:吉田純太郎、佐藤莉沙
  • 事務局機器担当:宮本勇一、今井祐介、藤井冴佳、草原聡美

2021年10月20日に,東広島市内小学校10校15学級(吉川,西志和、小谷、高谷西、高美が丘、板城西、上黒瀬、下黒瀬、福富、木谷)の3年生(334名)が参加し,「消防署」をテーマとする授業を実施しました。2時間を通した学習課題は「高屋に新しい消防署ができるらしいよ・・・なぜ?」に設定されました。

1時間目は,学校の近くで火事がおきた場合に,消防車は何分でくることができるのかを予想するクイズから始まりました。子ども達はタブレットで時間を予想し,解答しました。答えは平均7分程度で,多くの児童が正解でした。学校によっては10分以上かかっていることを知り,東広島の広さと実感しました。
1時間目の前半では,東広島市の消防署(本署・分署で計6か所)を示した分布図をながめて,消防署が空間的にバランスよく配置されていることを読み取りました。また,各学校周辺を担当している消防署の名前と位置を確認しました。そして空間的にバラツキある消防署の立地には,どこで火事や事故が起きても「すぐに」現場に駆け付ける工夫があることを確かめました。
後半では,東広島市の消防署から本署と分署2つ(東広島消防署・西分署・安芸津分署)を選び,そこの装備を比較する活動を行いました。写真を眺めながら,「本署にはいろいろな消防車がいるが,分署は少ない」傾向を見いだし,「それはなぜか」を予想しました。この予想結果を検証するために3つの消防署を中継でつなぎ,違いの理由を担当者にインタビューしていきました。その結果,①安芸津分署には狭い道でも通り抜けられる小型ポンプ車が配置され,②ビルがあったり高速道路が近い西分署にははしご車はレスキュー車が配置されていること,③東広島市消防署には化学車や特別装備のレスキュー車,指令室などが配置され,市全体の消防を支援していることを知りました。最後に,各地域の特性に応じて車両や装備をカスタマイズすることで,「すぐに」火を消し,人を助けている消防署の工夫をまとめていきました。

 

2時間目は,「すぐに」火を消し,人を助けるために建設が予定されている新しい分署の位置を予想しました。1時間目の地図を用いて,消防車や救急車がすぐにかけつけることのできない地域を確認し,児童は高屋周辺や志和・福富あたりが新分署にふさわしいと予想しました。消防署の人のお話で,近畿大学近くの「高屋」に建設が予定されていること,高屋では人口が多く,高齢化が進んでおり,救急車の出動も多いという事情があることを知りました。また高屋の立地に納得できるかどうかの意思表明を行い,9割の児童がそれを支持していることを確かめました。
最後にこの新しい分署にどんな消防車や救急車を何台配備すべきかを考え,クラス分署に高屋分署計画書を作成しました。多くのクラスは,はしご車を数台,レスキュー車も数台,化学車も数台配備したらいいよ,と提案しましたが,実際はポンプ車・タンク車・救急車1台ずつの配備が予定されていると知り,驚きました。提案に対しては,消防署の方からコメントをいただくこともできました。子どもたちは地域の特性に合わせた提案ができたものの,現実と理想とのギャップをつきつけられた学習ともなりました。

 

2時間の学習を通して,私たちの「命」を守る消防署の工夫を立地と装備の視点から探究し,各校の提案を交流できた貴重な2時間となりました。西分署から中継しているとき救急出動のアナウンスが入り,救急隊が急いで出動する様子を伝える想定外の事態もありました。しかし,消防に携わる人々の緊張に満ちた活動をリアルに理解する機会となりました。ご協力いただいた全ての関係者に御礼を申し上げます。

※東広島市消防局の馬﨑様,江籠様,源城様,中村様,廣澤様には,氏名と写真の掲載の許可をいただいております。

EVRIは,引き続きICTを活用した新しい地域学習のヴィジョンを提案し,それを教育関係機関と連携しながら企画・実施してまいります。

 

 

 

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