【2021.02.27】EVRI Forum No.23 / 2020年度東アジア社会科教育シンポジウム(第2部)「他者の語りに開かれた社会科教員養成のデザインリサーチ―国の言説を乗り越える相互理解を目指して―」を開催しました
Ⅰ.開催報告
2021年2月27日(土)の午後2時から4時(日本時間)にかけて、研究拠点創成フォーラムNo.23「2020年度東アジア社会科教育シンポジウム(第2部):他者の語りに開かれた社会科教員養成のデザインリサーチ―国の言説を乗り越える相互理解を目指して―」が開催されました。金鍾成先生が代表者を務める科学研究費助成事業(若手研究_19K14238)「他国の語りに開かれた教育観を育成する社会科教員養成のデザインベースド・リサーチ」のプロジェクトであり、広島大学教育ヴィジョン研究センター (EVRI)、International Social Studies Association (ISSA)、全国社会科教育学会、韓国社会教科教育学会が共催した本シンポジウムには、日本と韓国から34名の皆様にご参加いただきました。
司会の川口広美先生は、2020年度東アジア社会科教育シンポジウム(第1部)で議論された歴史和解のための歴史教育を言及し、第2部ではそのような教員をどのように育成することができるかを議論すると説明しました。その後、話題提供者の金先生、日本側の指定討論者の藤原孝章先生、韓国側の指定討論者の李貞姫先生、通訳の車・ボウンさんが紹介されました。
金先生は、ご自身で日本と韓国を行き来しながら授業実践を行った日韓の社会科教員志望学生による「より良いヒロシマ教科書」プロジェクトと、そのプロジェクトの中での参加者の学びを発表しました。プロジェクトにおいて、韓国の参加者は、ヒロシマに原爆が投下されるまでの経緯を重視する「歴史教科書」を作り、それに対して日本の参加者は、ヒロシマに落とされた原爆の悲劇とそこからのヒロシマの平和への活動を重視する「地域教科書」を作りました。互いに「より良いヒロシマ教科書」を提案し合うなかで、合意と非合意を繰り返しながらも、両国の参加者は、自身の既存の考えに対するメタ認知、相互理解をともに追求する他者の存在の実感、構築主義に基づく歴史教育の可能性と必要性の発見という学びを得たと報告しました。
藤原孝章先生と李貞姫先生は、金先生の実践を「国民」と「市民」の関係を捉え直す社会科教育および国際理解教育の新たな試みとして評価しました。一方、先行研究との相違点を明確にする必要性、「より良いヒロシマ教科書」に対する前提を揃える必要性、参加者の感情的な反応に対する取扱いの問題、安全な公共圏づくりの方略といった多様な観点からのコメントをいただきました。なお、両国の参加者からも、日本と韓国といった国家単位でプロジェクトを行うことの長所と短所を考える必要性などのコメントをいただきました。
EVRIは、今後も本シンポジウムのような国家を超えて記憶とその教育に関して語り合える公共圏を創造し、歴史和解を追求する平和・市民性教育ユニットの拠点形成を目指します。
Ⅱ.アンケートにご協力ください
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多くの皆様にご参加いただき、誠にありがとうございます。
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Thank you for participating, we are kindly ask you to answer few questions regarding this semianar.
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*EVRI Forum No.23の告知ポスターはコチラです。
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