


広島大学教育ヴィジョン研究センター(Educational Vision Research Institute、略称は「EVRI」)は、2つの顔を持つ組織です。
1つめは、人間社会科学研究科の附属教育研究施設・センターとしての顔です。2020年4月、広島大学は研究の高度化・学際化に対応するために、既存の大学院を統合・再編し、4つの研究科を新設しました。EVRIは、従来の教育学研究科の附属組織だった時代から、教育学・教科教育学・心理学の諸領域を横断する教育活動や社会貢献活動、国際交流を行ってまいりました。これからもなお一層、これらの活動を推進していきます。
2つめは、大学全体の研究拠点としての顔です。EVRIは、世界トップクラスをめざすことのできる広島大学の研究拠点として、第4期(平成28年度公募)のインキュベーション研究拠点に選定されました。審査の結果、3か年(2017年度~2019年度)の活動が評価され、引き続き2か年(2020年度~2021年度)の拠点継続が認められました。EVRIは、卓越した学際的研究を推進するだけなく、次世代の教育ヴィジョンのデザインできる人材を育成すべく、「研究・開発体制の強化」と「教育実践のフィールドとの連携・協働体制の強化」を推し進めてまいります。
EVRIとはメディアであり、媒介である。EVRIとは何かと問われたら、私はこのように答えたい。
まず、情報発信の媒体としてのEVRIである。定例オンラインセミナー講演会の開催は、2017年5月以降、現在までに195回を数え、その内容は実に多岐に渡る。2023年度からは、対面でのセミナーや集まりも増えてきた。今後も、こうした活動を発展的に継続していきたい。
次に、研究者・実践者の媒介としてのEVRIである。2026年度、EVRIは29名の運営メンバーから構成される。教育学、心理学、文学、自然科学、スポーツ科学、音楽学、美学など、専門が異なる研究者が集まるが、これまでEVRIが媒介となって、メンバー間やその周囲にいる研究者との共同研究が創出されてきた。セミナーの元となる研究も、このようにして行われた研究がもとになっている。EVRIの存在理由は、まずこの点にある。
また、運営メンバーが媒介となって、学校の実践者、教育行政、企業との出会いを生み、共同の研究や取り組みへと発展してきた。それは、大学が所在する広島県、広島市や東広島市といった地域に留まらない。教育研究を基軸として、日本国内さらには海外とも連携した研究プロジェクトが進められている。こうした機能をさらに強化していきたい。
ところで、辞書(『リーダーズ・プラス』研究社)を引くと、mediaには「培養基」という意味もあるようである。さらに、別の辞書(『広辞苑』岩波書店)を引くと、次のような説明が見られた。
培養基:→培地に同じ
培地:微生物・動植物あるいはその組織・細胞の培養に使用する液体ないし固形の物質。培養基。(『広辞苑』第五版)
現在、EVRIの活動は、多くの大学院生に支えられている。プロジェクトの運営、研究のプロセスと成果の記録、発信を担ってくれている。もちろん、研究員として共同研究そのものにも参加しているが、さらには、専門を異にする大学院生同士が研究集会を企画し、発信する活動も行っている。EVRIは、若い次世代の研究者が育つ場ともなっているのである。
マクルーハンは、「メディアはメッセージである」という定義を示している。EVRIが、これからどのようなメッセージを伝えるか。ご期待いただきたい。
2026年4月7日 センター長 間瀬茂夫

EVRIは4つのユニットで研究を推進し、
次世代の教育をデザインします。
平和・市民性教育ユニットが研究するのは、社会変革の拠点としての学校です。
活動を通して、対話と知識をとおして学校空間を民主化・政治化していく方策をデザインしてまいります。
教師教育・授業研究ユニットが研究するのは、教育改革の主体としての教師です。
活動を通して、省察と理念にもとづいて授業を変えていく教師と教師教育者をデザインしてまいります。
STEAM・IB教育ユニットが研究するのは、知識を生成し社会を形成する子どもです。
活動を通して、知識を生み出し、多様な知識を使いこなすプロセスと環境をデザインしてまいります。
Inclusive・日本語教育ユニットが研究するのは、学びの権利を実現し拡張する社会です。
活動を通して、誰でも・いつでも・どこでも学ぶことができるシステムと空間をデザインしてまいります。
※2019年度までのユニット・クラスタについての説明は,以下のページをご覧ください。
旧ユニット・クラスタ紹介ページへ >
※EVRIが取り組んでいるプロジェクトについては,以下のページをご覧ください。
「使命」ページへ >
EVRIは次世代の教育のデザインを通して、
4つの特性を兼ね備えた専門家を育成します。
学生や大学院生等にユニットの研究や社会貢献のプロジェクトに参画・協力を求めることで,
Ⅰ 教育実践や社会変革の価値を学術的に表現できるResearcherとしての能力を育成します。
Ⅱ 教育ヴィジョンの実現に向けて計画し実践できるPractitionerとしての能力を育成します。
Ⅲ 教育実践を通して社会変革を牽引できるInnovatorとしての能力を育成します。
Ⅳ 教育成果と次世代の教育ヴィジョンについて市民と対話できるCommunicatorとしての能力を育成します。
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SDGsは、EVRIの目標と直接的に重なります。SDGsの掲げる17のゴール(目標)の中でも、EVRIは新しい教育のヴィジョンの提案とスキルの理論化を通して、「目標4.質の高い教育をみんなに」の達成を目指しています。さらに国内外の連携拠点との協働プロジェクト=実践を通して、「目標5.ジェンダー平等を実現しよう」「目標 10.人や国の不平等をなくそう」「目標16.平和と公正をすべての人に」の実現を図っています。
また、EVRIは、「教育のalternativeを提案すること」「教育のreconstructionを促進すること」「教育のinteractionの媒体となること」というミッションの実現を目指し、「研究(Research)」と「社会貢献(Social Implementation)」の2つの軸から地域や社会に関わり、成果の還元に取り組んでいます。
持続可能な社会の発展を推進するために、これら活動を通してSDGsに積極的に取り組んでまいります。
R & Dのそれぞれの活動については、「R &D 研究と社会貢献」のページをご覧ください。
| 広島大学は、SDGs達成に向けた研究力・教育力強化のために「広島大学FE・SDGSネットワーク拠点(Network for Education and Research and Sustainability-NERPS)」を設立しました。 また、NERPSが作成した「2018-2019年 NERPS活動報告書」にEVRIの取り組みも掲載されています。 |
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