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Units/Clusters2017年度から2019年度までのユニット・クラスタ

2017年度から2019年度までの3年間、EVRIは3つのユニット・6つのクラスタにより構成されていました。
このページでは、EVRI発足当初の運営体制についてご紹介します。

学習空間

誰でもいつでも深く共に学ぶことができる学習空間をデザインします

国家によって能力と年齢に応じて学ぶことが認められた世界をEdu2.0と仮定するならば、全ての人が能力や年齢をこえて、個性を生かし、ともに手を取り合って学ぶことのできる世界がEdu3.0です。

本ユニットでは、このような世界を創出するための視点を構想します。とくに多様な学習者を包摂すること、多様性を基盤にして知識を創成すること、これらの視点から「学習空間」をデザインし、実現していく思想と方略を解明します。

そこで本ユニットには、教科の学びに焦点をあてた「知識創生」と、学びのあり方を広く追究する「インクルーシブ教育」の2つのクラスタを置いて、拠点形成を推進することとしました。

知識創生クラスタ

資質・能力ベースの教育課程では、知識の本来の意味が問われます。知識とは、広く認められ共有されている知識(knowledge)だけではなく、知ることによってどのような行動ができるかという知り方(knowing)をも含むものです。本クラスタは、このような知識の性格に注目して、児童・生徒そして教師もが周りの環境と一体となって学び、多種多様な知識を創り出していける場(ひとまず、「学習作業空間」と呼びます)の設計と評価に関心を寄せます。具体的には、①人の学びのダイナミクスに関わる哲学・思想の確立、②知識が創られる仕組みの解明、③「学習作業空間」を実践的に使えるための理論化、の3つの研究を並行して実施します。

インクルーシブクラスタ

本クラスタでは、①発達障害のある児童などの多様な児童が参加できる外国語教育(活動)のカリキュラムや実践の在り方を、国際バカロレアや国内外の外国語教育(活動)の分析から検討します。②グローバリズム、インクルージョン、ダイバーシティの観点を組み込んだ新たな外国語教育(活動)の実践、カリキュラム、指導法及び評価法を開発します。③②によって開発されたカリキュラム・指導法・評価法を、インターナショナルスクールや研究協力校において実践し、その教育効果を検証します。最終的には、これらの成果を基盤にして、外国語教育(活動)にとらわれることなく、さまざまな学び手が参加できる学習空間のあり方を構想します。

カリキュラム

学習者と教師の新たな学びを支援するカリキュラムをデザインします

国家が卓越した標準カリキュラムを与え、教師がそれを実行するシステムをEdu2.0と称するならば、教師と子どもが標準カリキュラムを使いこなし,自律的にカリキュラムを再構築していけることを期待し、支援するシステムがEdu3.0です。

本ユニットでは、このようなシステム転換のアクセルとなる視点を構想します。とくに多様性の尊重と共生、深い探究心、対立の調停と平和構築などの資質・能力(コンピテンシー)に焦点をあて、それを育てるカリキュラムと、それを実行できる人や場のデザインに取り組みます。

そこで本ユニットには、中等教育に軸足を置いた「IB教育」と、高等教育に特化した「教師教育」の2つのクラスタを置いて、拠点形成を推進することとしました。

IB教育クラスタ

グローバル人材の育成に対する要請が高まる今日の日本において、そのひとつの有効な方策として、インターナショナル・バカロレア(IB)の普及・拡大と、日本語ディプロマ・プログラムの導入が進められている。本クラスタでは、この流れに対応すべく、科目「言語と文学」「歴史」「科学」「美術」のモデルカリキュラム・授業・評価の開発に取り組みます。最終的には、IB対応プログラムの開発を通して、IB認定校やスーパー・グローバル・ハイスクールにとどまらない、全ての学校の教科教育をグローバル社会で活躍できる資質・能力の育成に対応したカリキュラムに改善することを目指しています。

教師教育クラスタ

広島大学には、「広島大学教員養成スタンダード8規準」があります。またそれに基づいて「教員免許ポートフォリオ」というポートフォリオ評価をサポートするウェブ・システムがあります。広島大学では、これらの規準とシステムを活用して質の高い教員養成を行ってきましたが、そこにはいくつかの課題も散見されました。教員免許を出している多くの大学は、本学と類似した制度を構築しています。本クラスタでは、教員養成の仕組みを抜本的に見直し、カリキュラムを改善することを通して、さまざまな大学、特に教員養成大学ではない「総合大学」における教員養成の質の向上策を提案していきます。

教育の専門家

教師を支える教育者と研究者に求められる専門性をデザインします

研究者は研究に専念し,その成果を社会に発信し、実装していくだけの単一方向の関係をEdu2.0と称するならば,研究を通して社会・教育に関わり,社会・教育の変革へのコミットを通して研究の在り方そのものを問い直していこうとする双方向の関係性がEdu3.0です。

本ユニットでは,このような関係構築を生み出す視点を構想します。とくに研究と教育,学術と社会を架橋する方法論や専門性のデザインだけでなく,架橋を担う教育者・研究者を育てる学習空間やカリキュラムのデザインにも取り組みます。

そこで本ユニットには、これらの課題に育てる人=「教師教育者」と究める人=「教育学研究者」それぞれの側から迫るクラスタを置いて,拠点形成を推進することにしました。

教師教育者クラスタ

教育立国として成功した日本にはその成果を国際社会に還元する責務があり、教育改善を自律的に継続できる体制づくりと教師教育の高度化(高等教育化)に応える支援が、途上国から求められています。また先進国であっても教師の社会的地位は必ずしも高いとはいえません。本クラスタは,「良き教師教育者が良き学校教員を育てる」との考えに基づき、「教師教育者」(とくに大学の教員養成担当者)の養成と研修に着目します。また、日本がその国際的役割を果たせるように、世界に通用する教師教育者の養成・研修モデルを開発し、教育の質向上に資する自律的持続的なシステムを提案します。

教育学研究者クラスタ

本クラスタでは、世界の教育学研究者が従事している活動の国際比較を通して、教育学の研究者が果たしている役割と責任を解明します。具体的には、各国の教科教育学の研究者は、①自分は何者だと自己認識しているか(アイデンティティ),②何のために、何を研究し、どのような方法で国家・社会や教育現場に貢献しようとしているか(社会的責任),③何に悩み、どのように乗り越えようとしているか(専門性開発)について明らかにします。これらの成果に基づいて、教育学研究の多様なパラダイムの姿を描き出すとともに、それぞれのパラダイムに応じた教育学研究者の支援のあり方を提案します。

 

Reorganization to 4 Units4ユニットへの再編

2020年度より、EVRIは新設された人間社会科学研究科の附属施設として位置づけられました。また、第4期インキュベーション研究拠点の審査の結果、2年間(2020年度~2021年度)の継続が認められました。これにともない、EVRIはこれまでの3ユニット・6クラスタを見直し、新たに4つのユニットに再編することになりました。

 

新たなユニットの紹介については、以下のページをご覧ください。

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