第11回定例セミナー「デジタル資本主義時代のメディア教育」を開催しました
広島大学インキュベーション研究拠点「教育ヴィジョン研究センター(EVRI)」は、「カリキュラム研究ユニット」に関連し、メディア・リテラシー研究の第一人者として知られる英国ラフバラー大学名誉教授のDavid Buckingham先生をお招きし、「デジタル資本主義時代のメディア教育」という題目でご講演いただきました。
講演「デジタル資本主義時代のメディア教育:Media education in the age of digital capitalism」
はじめに、丸山先生に本講演の趣旨説明を、広島文化学園大学の時津啓先生にBuckingham先生のご紹介をしていただきました。時津先生による紹介を聞いたBuckingham先生は、「私よりもよく私のことを知ってくれている」と喜んでおられました。
Buckingham先生は、これまでイギリスを拠点にメディア・リテラシー研究に取り組んでこられました。そこで本講演では、イギリスを中心としながらも世界的なメディア及びメディア教育の変遷、そして教育者の対応について、簡潔にまとめてお話いただきました。
Buckingham先生は、「問題への批判的な理解力と思考力」を重視されており、学校のメディア教育を通してメディア・リテラシーを育成していく必要性を提唱されました。激動の時代を生きる子どもにとって、メディア教育は子どもの周りで起こる諸課題への解決策を示すだけでは事足りません。「私たちはメディアとどのように付き合っているのか、付き合っていくべきなのか」といった視点から、包括的かつプロセスを重視したメディア教育の実践が今後の課題であることを学びました。
講演後は、会場から多くの質問が寄せられ、今後のメディア教育のあり方をめぐってクリティカルなディスカッションが繰り広げられました。本セミナーを通して、資本主義化したメディア社会に組み込まれた子どもを賢い消費者に育てる視点と方略について、たくさんの示唆を得ることができました。
講演の詳細は、EVRIの活動報告書(EVRI Letter)をご覧ください。
(画像をクリックするとPDFが開きます)
[EVRI Letter No.33]
教育学研究科HPでも掲載されております!