【2021.04.16】国際シンポジウム「Global Research Symposium Citizenship, Human Rights and Social Justice Education: Facilitating Positive Change Through Theory and Action」が開催されました。
2021年4月16日にINEI加盟機関の一つであるウィスコンシン大学マディソン校主催の国際シンポジウム「Global Research Symposium Citizenship, Human Rights and Social Justice Education: Facilitating Positive Change Through Theory and Action」が開催されました。
当日はオンライン会議ツールZOOMを用いて行われました。
広島大学からは川口広美先生が「INEI Faculty Talks」というINEI加盟大学の各先生による講演に登壇しました。
川口先生は、「Listening to others, and listening to myself: A case study from Japan」という題目で発表を行いました。
発表を行った川口先生から以下のようにコメントをいただきました。
川口は日本の社会正義教育の特質と課題について話しました。「正義」という言葉は「正義の味方」など一般的な用語としては用いられてきましたが、調和を重んじる日本社会の中においては、具体的な教育目標や内容として用いられることは少ない状況です。しかし、社会正義志向の授業は事実上行われており、発表では、具体的に性的マイノリティの「承認」を重視した授業を事例としてあげ説明しました。
結果、日本の教師は「和」を重んじる文化や政治的中立性を重んじる政治状況の中で、主にミクロなレベルに注目しながら不正義状況を打破する教育を実施していることを明らかにしました。このアプローチは社会構造の改善を伴わないという点で根本的な課題を抱えています。一方、世界的に注目されている人間関係の「ケア」を重視するアプローチとも捉えられ、自己の偏見を見直し、他者と共生する新たな社会正義教育の可能性を示唆するとまとめました。「社会正義教育」が国家の文脈の中でいかにリアレンジされ、実行されているか。その可能性を具体的に示したものとして多くのコメントが寄せられました。
EVRIでは、今後も「教育のinteractionの媒体となります」をテーマに海外の研究機関との様々な交流を図っていきます。