【2019.6.4】第20回定例セミナー「アイスランドの教師教育とセルフスタディ」を開催しました
[第20回定例セミナー:集合写真]
広島大学インキュベーション研究拠点「教育ヴィジョン研究センター(EVRI)」は、教育の専門家ユニットの教育学研究者クラスタと教師教育者クラスタに関連し、2019年6月4日(火)にアイスランド大学のHafdís Guðjónsdóttir教授と西田めぐみ先生(博士課程後期院生)、Edda Óskarsdóttir先生(European Agency for Special Needs and Inclusive Education・研究員)をお招きし、第20回定例セミナー「アイスランドの教師教育とセルフスタディ」を開催しました。
まず、草原先生による挨拶と先生方の紹介から始まり、本セミナーに向けて『J-ロックランに学ぶ教
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ハフディス先生はもともと小学校の教員として,30年間
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そして、3名によるご講演が始まりました。
講演: Hafdís Guðjónsdóttir教授(ビデオプレゼンテーション)
「教育実践のセルフスタディの方法論を通した私の教育実践の展開と転換」
ーDeveloping and Transforming my Teacher Education Practice through the Methodology of Self-Study of Educational Practiceー
ハフディス先生には、教師教育者として成長するためにど
セルフスタディを通してご自身の実践が大きく変化したという経験を踏まえ、セルフスタディを実践する際に大切なことについてご説明いただきました。
①セルフスタディは方法論であり、手法ではないということーセルフスタディは知識を得るための手段ではなく
②研究方法論としてのセルフスタディは、実践者が自らの実
③クリティカルフレンドを見つけること
④自分の実践の中での理論を示すことーこれは『walk the talk』と呼ばれ、単に教えることや学ぶことに関する理論を説明す
そして、「セルフスタディの実践者たちは、対話を通じて教育の世界で自分
質疑応答では、エッダ先生と西田先生に可能な範囲でお答えいただきました。主に、セルフスタディ実践・研究の課題やアクションリサーチからセルフスタディへ移行した理由、セルフスタディに関する言葉の訳し方について質問がありました。
講演: Edda Óskarsdóttir先生
「インクルーシブ実践に向けて:セルフスタディ」
ーToward Inclusive Practice:a self-studyー
続いて、義務教育段階での特別支援教育の教員として働かれていたエッダ先生より、セルフスタディを始めた経緯とその成果についてお話しいただきました。
エッダ先生は、特別支援教育の教員として働いて15年が経った時、自己の実践が十分にインクルーシブなものだと思い込んでいる事に気づき、もっと平等で公正な支援が必要だと感じられたそうです。そこで、「学校をもっとインクルーシブな環境にするために、学校の何を、どのようなプロセスで変革して
そして、文献研究や同僚や教員へのインタビューを通して自己の実践を振り返る(第1ステップ)、それを生かして支援システムを変える(第2ステップ)、最後に自己の実践についてクリティカルフレンドと振り返る(第3ステップ)、という3段階の分けたリサーチを行い、自分なりのインクルーシブ教育のモデルを作成されたそうです。
最後に、セルフスタディを通したご自身の変化についてご説明いただきました。特に、インクルーシブ教育や社会への影響について理解が深まったこと、自分の考えや行動を考え直すきっかけとなったことを成果として挙げられていました。
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(エッダ先生:セルフスタディ実践をした感想)私自身は研究を始める段階で十分インクルーシ
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質疑応答では、エッダ先生が行われたセルフスタディ実践における具体的な研究方法についての質問がありました。
講演: 西田めぐみ先生
「アイスランドのヒャットラステナプラン幼稚園でのセルフスタディ:逆説から育まれるインクルージョンと移民教師の挑戦」
ーChallenging the Paradox: My Self-Study as an Immigrant Educator at Hjallastefnan in Icelandー
最後に、アイスランドの幼稚園に勤務されている西田先生よりご自身のセルフスタディ実践についてご説明いただきました。
色々な出来事を経て、アイスランドの幼稚園で働くこととなった西田先生。そこは、男女で完全に分けて全く別
西田先生は、その日から『ふりかえり日記(Reflective teaching journal)』を書き、自分の置かれた状況の中で、今の自分ができることを探し
そして、西田先生が理解するセルフスタディという方法論についてご説明いただきました。
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自分のことを棚から
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最後に、セルフスタディを通して西田先生ご自身がハイブリッドな立場から気づいたこととして、「男女別がインクルージョンである」という教育のあり方
質疑応答では、セルフスタディ実践をする際の倫理的配慮やクリティカルフレンドの見つけ方、『ふりかえり日記』の書き方などについて質問がありました。
最後に、草原先生より本セミナーのまとめのご挨拶がありました。
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「自己の実践について客観的に分析するためには、なにか日誌やジャーナルを書く。それを信頼できる友人と
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読書会に続き、本セミナーでは実際にセルフスタディ実践を行なっている先生方から直接お話しを聞くことができ、より深く、より具体的にセルフスタディについて理解することができたのではないでしょうか。本セミナーが、皆様にとってセルフスタディを始めるきっかけとなることを期待します。
今後ともEVRIは、関連するユニット・クラスタの発展に取り組んで行きます。
*詳細はレターをご覧ください。
【EVRIレターNo.53】
教育学研究科HPにも掲載されています。
*第20回定例セミナーの告知ポスターはコチラです。