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広島大学教育ヴィジョン研究センター カリキュラムユニット(IBクラスタ)・教授

山元隆春
Takaharu Yamamoto

 大学院生の頃から文学教育研究に従事してきました。とくに、英米の1960年代から盛んになり90年代まで続いた読者反応理論(読者反応批評)に関心を抱いて、これに依拠した、読者とテクストとの関わりを重くみる文学の授業づくりを目指してきました。良くも悪くも、人は誰しも時代の子です。1961年生まれの私がこの理論に惹かれたのは、この理論が時代のエートスをあらわすものだったからなのかもしれません。
 近年になって、読み書きのワークショップ型授業が「ものの見方・考え方」を育てるとして、世界的な広がりを見せていますが、その源になっているのが、他ならぬ読者反応理論です。リテラシーの教え・学びに関する世界的動向を探るべく「IB教育」クラスタに属しています。IBのディプロマにも、リテラシーに関する限り、読者反応理論をはじめとする文学理論・批評理論・読みの理論の特徴は反映されています。できるだけ丹念に文献を読み解きながら、このことの意味を考えていきたいと思っています(近年の理解指導論や学習論・評価論については共訳者を得て、翻訳作業を継続しています。キャロル・アン・トムリンソンのDifferentiated Instructionに関する評価の本も2018年夏刊行に向け、準備中です)。
 私とEVRIとの関わりは、教育学研究科ビジョンと戦略構想WGの最後のあたりで、研究力強化SWGを開催し、教育学研究科シンクタンク構想について議論した頃にさかのぼります(もちろんその基本的イメージはそれ以前の、草原センター長らの発案による「Research&Developmentセンター構想」にさかのぼるわけですが)。草原センター長はじめ、若い皆様の力でEVRIとして「教育学研究科シンクタンク」実現の第一歩を踏み出すことができて、嬉しいかぎりです。

研究業績Research Results

【著書】
・山元隆春『文学教育基礎論の構築』溪水社,2011年.11月
・山元隆春『読者反応を核とした「読解力」育成の足場づくり』溪水社,2014年11月.(学術振興会出版助成)
・山元隆春『読書教育を学ぶ人のために』(編著)世界思想社,2015年4月(2017年第2刷).
・山元隆春『中等国語教育』(編著)協同出版,2015年10月.
・森田信義・山元隆春・山元悦子・千々岩弘一『新訂国語科教育学の基礎』(共著)溪水社,2010年8月.
・武藤清吾編・浜本純逸監修『中学校・高等学校 文学創作の学習指導-実践史をふまえて』,第6章『これからの文学創作の学習指導(展望)』分担執筆 山元隆春,溪水社,2018年12月.
・浜本純逸・三藤恭弘・塚田泰彦・青木伸生・尾崎夏季・成田雅樹・佐藤明宏・山本茂喜・松崎正治・住田勝・山元隆春(著),浜本純逸(監修),三藤恭弘(編集)『小学校「物語づくり」学習の指導-実践史をふまえて』,第Ⅴ章『アメリカにおける「物語」創作-「ものの見方・考え方」を育てる内省と対話』,pp169-186,溪水社,2019年2月.
・大滝一登(編)『高校国語 新学習指導要領をふまえた授業づくり 実践編:資質・能力を育成する14事例』第3章第2節『文学国語』分担執筆 山元隆春,pp.30-33,明治書院,2019年3月.

【論文】
★山元隆春『作品と対話する授業の創造』,月刊国語教育研究(日本国語教育学会),544,2017年3月,pp.4~9,2017年8月.
★山元隆春『国語カリキュラムにとって文学はなぜ必要か:現代米国の文学教育論を手がかりとして』,広島大学大学院教育学研究科紀要 第二部 文化教育開発関連領,65,pp.99-108,2017年1月.
・山元隆春『「文学国語」へ:「文学国語」から』,国語科教育,第85号, 2019年3月.
・山元隆春『喜びを味わう体験を重ねる場としての「文学国語」-文学作品の読み/書きを通して、人生を理解するための方法を身につける-』,日本語学(明治書院),37巻12号,pp.2-7,2018年11月.
・山元隆春『文学作品の「精読(close reading)」の方法をどのように学ばせるか?―登場人物の「予想外の行動」を道標として―』,論叢国語教育学,14号,pp.53-72,2018年7月.
・木寺祐貴・水田遼介・林藤成美・山元隆春(共著)『IBDP「言語A:文学」に関する一考察―学習評価を中心に―』,国語教育研究(広島大学国語教育会),第60号,pp.10-21,2019年3月.

【雑誌】
★山元隆春『国語科でのアクティブ・ラーニングの授業展開と評価:友だちや教師からのフィードバックが組み込まれた授業をつくる』,教育科学・国語教育(明治図書),807,pp.10~15,2017年3月.

【発表】
★山元隆春『「精読」の方法をどのように学ばせるか?:Notice & Note (2013)を手がかりとして』,第133回全国大学国語教育学会自由研究発表,福山市立大学教育学部,2017年11月4日.
・Takaharu Yamamoto, “Japanese native language classes, lesson study, analyzing classroom talk,” Proceedings for CNUE 2012 International Conference on Education, A Cross-cultural Comparative International Study of Classroom Cultures in Asia, Cheongju National University of Education(清州教育大学校), Korea, pp.11-19, November 16-17, 2012.
・幸田国広・山元隆春・和田敦彦『「文学国語」という考えかた—新学習指導要領下における国語科教育の再編成—』,第135回全国大学国語教育学会東京ウォーターフロント大会,シンポジウムパネリスト,武蔵野大学有明キャンパス,2018年10月27日.
・木寺祐貴・水田遼介・林藤成美・山元隆春『IB(国際バカロレア)「文学」に関する一考察』,第59回広島大学教育学部国語教育学会,広島大学教育学部,2018年8月11日.

【その他、報告書や翻訳等】
・リチャード・ビーチ(山元隆春 訳)『教師のための読者反応理論入門』溪水社,1999年.
★ジェニ・デイ,ディキシー・リー・シュピーゲルほか著(山元隆春 訳)『本を読んで語り合うリテラチャー・サークル実践入門』溪水社,2013年4月.
★エリン・オリヴァー・キーン(山元隆春・吉田新一郎 訳)『理解するってどういうこと?』新曜社,2014年10月(2016年第2刷).
★キャロル・アン・トムリンソン(山崎敬人・山元隆春・吉田新一郎 訳)『ようこそ、一人ひとりをいかす教室へ:「違い」を力に変える学び方・教え方』北大路書房,2017年3月.
★キャロル・アン・トムリンソン,トーニャ・ムーン著(山元隆春・山崎敬人・吉田新一郎訳)『一人ひとりをいかす評価』共訳,北大路書房,pp.1-228,2018年10月.
・草原和博・木下博義・松宮奈賀子・川合紀宗・三好美織・影山和也・川口広美・棚橋健治・山元隆春・間瀬茂夫・兼重昇・永田良太・岩田昌太郎・井戸川豊・吉田成章・森田愛子・桑山尚司・大坂遊・吉川友則『教育ヴィジョン研究センターの企画・運営戦略に関する研究(2)』,広島大学大学院教育学研究科共同研究プロジェクト報告書,16巻,69-76,2018年3月.

研究テーマ・研究関心Research Concern

国語教育学研究
文学教育研究
読書教育研究

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