【2019.9.11】第26回定例セミナー 「スウェーデン・カロリンスカ中等学校の国際化に向けた展望・カリキュラム・取り組み」を開催しました
[第26回定例セミナー:集合写真]
広島大学インキュベーション研究拠点「教育ヴィジョン研究センター(EVRI) 」は,2019年9月11日(木)にカリキュラムユニットの研究に関連して,スウェーデン・カロリンスカ中等教育学校の先生方をお招きし,第26回定例セミナー「Vision, Curriculum, and Karolinska Gymnasiet for Internationalization」を開催しました。
本セミナーでは,5名の先生にスウェーデンの学校教育システムやカロリンスカ中等教育学校の特色,そして国際化に向けた取組についてご紹介頂きました。
Jonas先生には、スウェーデンの学校教育システムについてご紹介頂きました。最大の特徴として、色々な出入り口があり,いつでもより高い教育を受けることができる道がある教育システムであるということが分かりました。
Maja先生には、カロリンスカ中等教育学校についてご紹介頂きました。1832年に設立された学校で、非常に長い歴史を持っていることや多様な教育プログラム(芸術プログラム,自然科学プログラム,社会科学プログラム,社会科学プログラムの中でも国際関係を学ぶことに特化したプログラム,移民向けの言語プログラムの5つ)が実施されていることについてご説明頂きました。
Per先生には、社会科学プログラムの中でも国際関係を学ぶことに特化したプログラムについてご紹介頂きました。UNスクールであるカロリンスカ中等教育学校では、国内にあるスウェーデンUN協会の学校と連携しながら、国際的な目標を設定した様々な実践が行われていました。具体的な事例として、模擬国連ゲームの取組をご紹介頂きました。また、カロリンスカ中等教育学校の中だけでなく、ヨーロッパの国々の高校生と模擬国連に関する会議を行ったりと、国際問題を扱う機会が提供されていることが分かりました。
Jenny先生からは、様々な学校交流についてご紹介頂きました。例えば、ドイツ・ハノーヴァーとの交流では、子どもらがそれぞれ探求テーマを決めて、現地で探求活動をしたり、発表したりする機会を提供しているそうです。
最後に、Marie先生からは南アフリカとの交流プログラムについてご紹介いただきました。歴史や文化的背景の違う国との交流プログラム実施までには多くの困難があったそうですが、そういった国の子どもたちと同じ目標に向かって活動ができることは大変意義があったそうです。さらに、現地の生活に直接触れるという体験が、子どもたちの人生に大きな影響を与えたことも実感されていました。
質疑応答では,模擬国連の評価の仕方や,国際化の取組が積極的に実施されるようになったスウェーデンの社会的文脈について質問があがりました。スウェーデンは小さな国だからこそ、積極的に世界と関わることで平和を保ってきたそうです。カロリンスカ中等教育学校の事例を通して,スウェーデンの教育制度・教育改革の動向についても理解を深めることができました。
教育のグルーバル化が求められる日本において,今後どのような取組を行うべきか,具体的なアイデアを得ることが出来ました。
今後ともEVRIは、関連するユニット・クラスタの発展に取り組んで行きます。
*詳細はレターをご覧ください。
【EVRIレターNo.57】
教育学研究科HPにも掲載されています
*第20回定例セミナーの告知ポスターはコチラです。