広島県・広島県教育委員会と連携してカンボジア社会科教科書開発に関する研修を行いました(2019年2月)
広島大学インキュベーション研究拠点「教育ヴィジョン研究センター(EVRI)」は、ひろしま平和貢献ネットワーク協議会(提案自治体:広島県)が受託したJICA草の根技術協力事業「カンボジアにおける持続可能な社会構築のための社会科カリキュラム・教科書開発支援」に、専門家の派遣で協力しています。
2月11-23日に、EVRIメンバーの桑山・大坂・守谷と、広島県北部教育事務所の佐々木孝指導主事、広島県立教育センターの迫有香指導主事がカンボジアへ渡航しました。今回の目的は,昨年12月の渡航に引き続き「新シラバスの理念を実現するにはどのような教科書が望ましいか」を、授業研究を通して検討することです。あわせて今年度の取りまとめ会合に出席して、広島側から見た成果と課題を報告することにしました。
広島県教育委員会の佐々木孝指導主事(広島県北部教育事務所)が助言・協議を重ねて授業研究を実施
11日から20日にかけて、現地の教科書開発者や学校教員とともに、中学校3年生の歴史「民主カンプチア時代」と小学校6年生の地理「位置と座標」の授業開発に取り組みました。それぞれの単元について、現行教科書と新モデル教科書を使った授業プランを現地教員が提案し、佐々木指導主事がコンサルティングを行う形で開発・改善が行われ、試行授業も繰り返し行われました。21日と22日にはパイロット授業(公開授業)が実施され、現地教員が新シラバスに基づく授業実践を行い、授業後は観察記録をもとに協議しました。
広島県教育委員会の迫有香指導主事(広島県立教育センター)が自ら授業を開発・実践
中学校2年生の家庭・経済「就業と失業」では、迫指導主事自らが授業開発・実践しました。新シラバスに基づく授業を、新モデル教科書を用いた2時間分の単元を作成し、カンボジアの中学生へ授業をしました。試行授業は好評で、当初1時間の予定でしたが、単元2時間分全て実施してほしいとリクエストが出たほどでした。23日のパイロット授業(公開授業)も、協議に参加した教育省副大臣からも大変好評でした。
23日に2018年度の事業取りまとめ会合を実施・教育省関係者に報告
今年度の取りまとめ会合に出席し、広島側から見た成果と課題を報告します。23日には教育省の取りまとめ会合に参加し、社会科教科書開発スタッフとともに、教育省関係者らに今年度の成果報告を行いました。カンボジアの教育関係者の間で、新シラバスの理念を実現するために、授業のあり方を多様化すべきという認識が形成されていることが確認できました。
EVRIは来年度も引き続き広島県・広島県教育委員会と連携しながら、本事業を支援して参ります。
【詳細】は活動報告書(HUGLI Letter)をご覧ください。(クリックするとPDFファイルが開きます)
【HUGLI Letter No.40】
(クリックするとPDFが開きます)
【HUGLI Letter No.42】
(クリックするとPDFが開きます)
教育学研究科HPにも掲載されております。
社会認識教育学講座HPにも掲載されております。