研究拠点創成フォーラム7:日本語IB教育のTOKと「言語と文学」を考えるフォーラムを開催しました
広島大学インキュベーション研究拠点「教育ヴィジョン研究センター(EVRI)」は、2018年8月25日に研究拠点創成フォーラム(7)「TOKおよび「言語と文学」のワークショップ」を開催いたしました。「カリキュラム」研究ユニットでは「IB教育」クラスタを設置し、インターナショナル・バカロレア(IB)に対応したカリキュラムや評価法の開発に取り組んでいます。この活動に関連して、英数学館高等学校の福島浩介先生をお招きしました。
第 I 部 ワークショップ「TOK 的思考の基礎」と言語 A 日本語 言語と文学
福島浩介(英数学館高等学校)
丹羽依津江(大阪大学日本語日本文化教育センター)
第II部 研究発表「IBDP『言語A:文学』に関する一考察」
木寺祐貴・水田遼介・林藤成美(広島大学大学院教育学研究科・院生)
山元隆春(広島大学大学院教育学研究科)
第Ⅰ部のワークショップでは、TOKの具体的な授業の姿をお示しいただきつつ、教科との関わりについて母語科目「言語A:言語と文学」を事例にご説明いただきました。特に、個別的な知識である「1階の主張」とより普遍的な知識である「2階の主張」をそれぞれ問う「問い」を考える課題が軽快なトークによって投げかけられ、参加者も個人で、またグループで頭を悩ませながら、知識および問いの階層性とそれらを追究するTOKの学習プロセスを体感することができました。「言語と文学」についても、実践事例をもとに授業のあり方とTOKとの関連を具体的にご紹介くださいました。続いて、丹羽先生が、「言語A」およびTOKとのつながりという観点から、外国語科目である「言語B」で身につける外国語能力についてお話しくださいました。
第Ⅱ部の研究発表では、山元隆春(本研究科国語文化教育学講座)ゼミに所属する院生が、オックスフォード出版による「言語A:文学」の二種類の教科書「ENGLISH A: LITERATURE COURSE COMPANION」(2012)と「Oxford IB Skills and Practice: English A: Literature for the IB Diploma」(2013)を翻訳・紹介してくれました。英語によるIBにおいて、文学を読むことに関するどのような知識やスキルが指導されているのかを、特に詩、映像の領域について、うかがい知ることができました。福島先生からは、日本語による「言語A」においても,同様のコンセプトで指導がなされているとのコメントをいただきました。
TOKと教科との関連という観点からの本フォーラムを通じて、新学習指導要領による教育改革の具体化を課題とする我が国の学校教育に多くの示唆を得ることができました。
講演の詳細は、EVRIの活動報告書(EVRI Letter)をご覧ください。(画像をクリックするとPDFが開きます)
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1.教育学研究科HPでも掲載されました。