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【2020.10.04】第49回定例オンラインセミナー「教師教育者のためのセルフスタディー研究の歴史・思想から実際までー(1)」を開催しました

公開日:2020年10月05日 カテゴリー:開催報告

 

.開催報告

 

 

2020年10月4日(日)に,第49回定例オンラインセミナー「教師教育者のためのセルフスタディー研究の歴史・思想から実際までー(1)」を開催しました。

「教師教育者のためのセルフスタディ」シリーズは,国際的な研究方法論として広がりをみせるセルフスタディについて,広く深く参加者とともに学んでいくセミナーです。様々な専門職の職能発展において活用できる可能性を持つセルフスタディですが,本シリーズでは,特に教師教育者に焦点をあてます。日本における教師教育者のセルフスタディの受容と発展について,その歴史や思想,そして海外事例を含む実践の諸側面から検討していきます。

本シリーズは,最終的にシリーズタイトルと同名の書籍の出版を目指しています。この研究/出版プロジェクトは,齋藤眞宏(旭川大学),草原和博(広島大学・EVRIセンター長),渡邉巧(広島大学),大坂遊(徳山大学・EVRI教育研究推進員)の共同研究です。シリーズ企画は,科学研究費助成事業の一環としても実施されています。

第1回目となる今回は,そもそもなぜセルフスタディという研究方法論が生まれ発展してきたのか,日本の教師教育においてなぜセルフスタディが必要とされるのか,これまでどのように日本でセルフスタディが研究されてきたのか,について,プロジェクトのメンバーを中心に報告を行いました。

前半では,セルフスタディの発展の経緯と特徴について,齋藤・渡邉・大坂が発表を行いました。セルフスタディは,教師教育の文脈において生み出された実践家による研究(practitioner research)に位置づけられます。教師教育に携わる者が,協働的に自らの実践を探究し発展させることを目指して行われる研究の方法論(メソドロジー)であり,実践を行う自己(セルフ)を対象として研究と専門性開発を有機的に結びつける点が特徴的です。「自分自身を研究対象とする」という点で,アクション・リサーチなどの他の実践家による研究とは一線を画しています。当初は教師教育の文脈で発展してきましたが,近年では他の専門職への活用の可能性も検討されています。アメリカ,イングランド,オーストラリア,カナダなど欧米諸国を中心に展開し,これまで25年を越える歴史を持っています。その研究史を紐解きながら,セルフスタディの特徴を,①教師教育実践の協働的発展,②教師教育コミュニティの発展,③より民主主義的な学校と教師教育の構築,という3点にまとめました。

後半では,セルフスタディのイメージを具体的に持ってもらうために,齋藤・渡邉・大坂が共同で実施したセルフスタディについて報告しました。3人は,当初は教師志望学生の「主体性」に注目していました。しかしセルフスタディを通じて,主体性を教職学生の人間性や専門性の発展の根本だと考えている齋藤,様々な要素のうちの一つであると考える渡邉,主体性について具体的にイメージできない大坂というように,それぞれの主体性のイメージに齟齬があることに気づきました。そして,さらなる探究を通して,教師教育者である我々は,自身の原体験(被教育経験)に基づく規範を無意識に学生に投影し,それを内面化するように強要している恐れがあることにも気づきました。教師教育実践においては,自身が自明視している規範を相対化する過程が必要であり,そのためにセルフスタディが有効に機能しうることを提案しました。さらに,セルフスタディを単なる自己の実践の改善に役立てるだけではなく,教師教育実践や教師教育コミュニティの発展にどのようにつなげていくのかについても考察しました。

指定討論者である武田信子先生(元武蔵大学)からは,教師教育者についての社会的合意がない日本において,セルフスタディが教師教育を変えていく可能性があること,若い教師教育者がセルフスタディを実践し,コミュニティを形成することの大切さについて提案されました。同じく指定討論者である草原は,セルフスタディにおいて「自分語り(自己の置かれている文脈の開示)」が重要であることや,セルフスタディを互いの「ケア」にとどまらず教師教育コミュニティや社会の変革にどのように結びつけていくかが課題であることを指摘しました。

質疑応答では,セルフスタディを活用しうる専門職の範囲について,セルフスタディの研究的特性について,3名が行ったセルフスタディの研究手続きや成果の妥当性についてなど,多様な視点から質問が出されました。登壇者らも回答するなかで新たな気付きを得ることができました。

本シリーズでは,引き続きセルフスタディを通じた日本の教師教育の発展を考えてまいります。

Ⅱ.セミナー資料

当日の資料はタイトルの青い部分をクリックすると取得することができます。

セミナー発表資料(統合版)
齋藤 眞宏・大坂遊・渡邉巧

 

Ⅲ.アンケートにご協力ください

多くの皆様にご参加いただきまして、誠にありがとうございました
ご参加の方は、事後アンケート(アンケートはこちらをクリックしてください)への回答にご協力ください。

 


*第49回定例セミナーの告知ポスターはコチラです。

教師教育者のためのセルフスタディのサムネイル

 


教育学研究科HPにも掲載されています


 

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